2023.06.19(最終更新日 2023.06.19 )

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物流とは?目的や機能、ロジスティクスとの違いを解説

物流とは?目的や機能、ロジスティクスとの違いを解説

物流というと、ただ商品を輸送するための手段と捉えられがちですが、実際にはさまざまな機能や目的をもっています。
このページでは、物流についての基本を考えたうえで、物流の目的や物流のもつ機能、物流を効率化するメリットのほか、よく似た用語として扱われる「ロジスティクス」との違いについて紹介していきます。

物流とは

商品が消費者のもとに届けられる流れのことを、「物流」といいます。
物流は、ただ商品を運搬することだけを指すのではありません。
物流の過程には、荷物の保管のほか、商品の包装といった一見配送とは関係のない項目も含まれます。
企業が消費者の信用を得るためには、スムーズな物流を進めていくことが大切です。
物流を重要視することで、業務の効率化が可能となり、ひいては自社の業績向上も期待できるようになります。

物流とは商品が消費者に届くまでの流れ

物流の目的

そもそも物流の目的とは何でしょうか。
物流は、商品の生産から消費までにある「時間的な隔たり」「空間的な隔たり」を埋めることにその目的があります。
物流の歴史を紐解くと、以前は、「商品を届けるまでの期間を少しでも短くし、空間的な隔たりを埋めること」が重要とされていました。
しかし、現在は「いかに効率よく、そして無駄なコストを発生させずに時期に合わせた商品を届けられるか」といったことが物流における大切なポイントとなっています。
そのために、物流では、保管機能や輸送機能などを活かした在庫管理を行い、効率を上げながら商品を届ける必要があります。
そして、物流を正常に機能させることが、企業の安定経営へとつながっていくのです。

物流の6つの機能

物流の機能、配送・輸送、保管、荷役、梱包包装、流通加工、情報システム

ここでは、物流の機能について紹介します。
物流は、以下の6つの機能に分類することができます。

ここでは、これら6つの機能について紹介します。

1. 配送・輸送

生産者から消費者に商品を送り届ける機能が、配送・輸送機能です。
厳密には、「配送」が物流センターから消費者のもとにモノを届ける短距離の移動を指し、「輸送」が海外の工場から日本国内の物流センターまでといった長距離の移動を指しています。
商品を運ぶためには、トラック・鉄道など、さまざまな方法がありますが、輸送方法は、納期やコストなどが考慮されたうえで選択されます。
配送・輸送では、物流コストのうちでも、約6割程度を占めるともいわれています。

2. 保管

生産者と消費者の間の時間的な隔たりを埋め、調整する機能が保管機能です。
実際に保管機能の役割を果たすのは、物流センターや倉庫となります。
一定期間、製品や原材料などを保管し、必要に応じてタイムリーに「モノ」の配送を行います。
インターネット通販などでは、消費者からの注文が入り、すぐに商品を発送できるようにするためにも、一定数量を備蓄しておく保管機能が重要となります。

3. 荷役

荷役とは、鉄道・トラック、飛行機といった輸送手段に荷物を積みこむ作業や荷降ろしをする作業のことを指します。
「荷揃え」「積み付け」「運搬」「保管」「仕分け」「集荷(ピッキング)」といった作業が荷役の作業にあたります。
近年では、コスト削減のため、荷役を行う際に、パレットやコンテナを活用するケースも多く見受けられます。

4. 梱包・包装

商品を衝撃や汚れから守り、安全に届けるために行う作業が、梱包・包装作業です。
包装を行う際は、商品を個別に包装する「個装」およびダンボール詰めをする「外装」、また商品の区分表示などを行います。
なお、多くの場合はダンボール箱に詰めたうえで輸送を行いますが、プラスチックの通い箱で外装を行い、運搬することもあります。

5. 流通加工

流通加工では、倉庫や物流センター内で、商品を加工する作業を行います。
例えば、個別の商品をギフト用のセットにしたり、値札を貼ったり、日本語の説明書に張り替えるといった作業、また、ラベルをつけたりする作業がこれにあたります。

6. 情報システム

情報システムでは、倉庫管理システムなど利用し、在庫管理やピッキング指示といった倉庫内の業務効率化を行います。
基本的に、原材料や製品、部品などはデータによって管理されていますが、この情報システムにより、受注から配送までの商品の流れを把握することができます。
多くの商品を日々取り扱ううえで、情報システムは不可欠な機能といえるでしょう。

物流を効率化する3つの利点

物流を効率化する利点には、次の3つが挙げられます。

  • 1.必要となるコストが明確となり、削減も可能となる
  • 2.企業活動の中核となるコア業務に集中できる
  • 3.ミスが削減し、効率的な対応が可能となる

以下、具体的にこれら3つの物流を効率化する利点について説明します。

1. 必要となるコストが明確となり、削減も可能となる

正確なノウハウをもたないまま、自社で物流を担っていると、各工程でどれくらいのコストが必要になるのかを把握することができません。
しかし、物流の効率化を図ることで、必要なコストを明確化でき、場合によっては今現在かかっているコストの削減を行うことも可能になります。

2. 企業活動の中核となるコア業務に集中できる

物流を専門業者にまかせることで、自社内での負担を軽減できます。
そのため、企業活動の中核ともなるコア業務に集中することも可能です。
また、社内で利益に直結する部門に人員を割けるため、業務効率化も期待できます。

3. ミスが削減し、効率的な対応が可能となる

物流の効率化を図ることで、より丁寧な仕事が可能となります。
ミスが削減するため、結果としてクレームを減らすことにもつながるでしょう。
品質が向上すると、迅速かつ効率的な対応もできるようになります。

物流とロジスティクスの違い

物流と似た言葉に「ロジスティクス」がありますが、実はこの両者には違いがあります。 それは、「物流」が、商品を届けるまでのモノの流れを示しているのに対し、「ロジスティクス」は、モノの流れを最適化する仕組みのことです。ロジスティクスの考え方を取り入れ、仕入れ、保管、包装、流通加工、荷役、入出荷などの物流プロセスを全体最適化することです。
「ロジスティクス」は、「物流」の上位にあたる概念とされており、あくまでも「物流」は「ロジスティクス」に含まれるものとなります。
もともと、ロジスティクス(Logistics)という言葉は、軍事活動の後方支援に欠かせない「兵站(Military Logistics)」の一部をとったものです。
軍事活動において戦(いくさ)に勝つには、物資の配給や整備などの後方支援を適切なタイミングかつ適切な量で実施することが欠かせません。この最前線までの物資の流れを戦略的にコントロールするというアイデアが、現代の物流にも色濃く反映されています。

ロジスティクスは商品が届くまでの流れを最適化する仕組み

【まとめ】物流を正しく理解することで、効率的な物流を実現する

以上をまとめると、物流の基本のほか、物流の目的や物流における6つの機能、物流を効率化することによるメリット、物流とロジスティクスの違いについて紹介しました。
物流について、正確に理解し、目的や機能を把握することで、より効率的な物流を行うことが可能になります。
効率的な物流を実現するには、物流を専門事業者にアウトソーシングすることを選択肢に入れてみてもよいでしょう。
そしてぜひこの機会に、物流についての理解を深め、効率的な物流の実現を目指してください。

物流のアウトソーシングをご検討の方は、鈴与に一度お問い合わせください。


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