2023.10.19

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物流BCP対策―BCP対策としての物流アウトソーシングと複数拠点化

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災害などの予測不能な事態が生じても物流事業を継続できる体制を構築できていますか?物流拠点を複数設けることや、物流業務をアウトソーシングすることはBCP対策としても有効です。
今回は物流におけるBCP対策の考え方とBCP対策として鈴与が提供できるソリューションをご紹介します。

BCP対策とは?

BCPは、Business Continuity Planの頭文字をとった言葉で、日本語にすると「事業継続計画」を意味します。地震などの自然災害や、システム障害、テロなどの緊急事態や感染症・パンデミックなどは、いつ起こるか予測することが難しく、未然に防ぐことはできません。こうした予測不能な事態が起こった場合でも、事業をできるだけ中断させずに継続できる体制を構築することを「BCP対策」と呼んでいます。

BCPの策定ができていないと、事業を中断せざるを得なくなり、また事業再開までに時間を要してしまうと、顧客からの信用を失い、時には倒産してしまう可能性もあります。企業の信用を失わないためにもBCP対策を実施することはとても重要です。BCP対策は、緊急時にも迅速に対応できるようにする、という目的だけでなく、企業の価値や信頼性を高めるという目的でも有用だと言えます。

BCP対策と混同されがちな言葉に「防災対策」があります。防災対策は、人の命を守ることに重点を置いたもので、防災訓練や避難訓練の実施、建物の耐震補強、防火設備の設置、などが該当します。防災対策はBCP対策と違い、企業が従業員の心身の安全を守るための対策ですので、言葉の意味や目的の違いを押さえておきましょう。

物流BCP対策の考え方

商品を製造もしくは仕入れてお客さまにお届けするビジネス・事業を行っている企業にとって、「物流」はとても大切な役割を担っています。物流が滞ってしまうとお客さまに商品が届かずビジネスとして成り立たなくなってしまいます。このような企業は特に物流BCP対策を行う必要性が高いと言えるでしょう。今回は、物流BCP対策の考え方を2つご紹介します。

(1)複数拠点化

物流拠点を1カ所に集約している場合、その拠点が災害などの緊急事態で機能しなくなってしまうと、事業が継続できなくなってしまう可能性が高くなります。こうした事態を回避するために、物流拠点を複数設けて、在庫保管・物流業務を行うという考え方があります。1カ所の拠点が機能しなくなったとしても、他の物流拠点で対応することができるので、事業を中断させずに継続することができるでしょう。

物流拠点を増やすことで管理の手間やコストの増加を懸念される方もいらっしゃると思いますが、BCP対策と併せて物流業務の体制の見直しや、コスト・リードタイムが最適となる立地へと見直すことで物流の最適化にも繋がります。
また、2024年問題対策としても、物流拠点を複数構えることでリードタイムの短縮に繋がり、サービスレベルの維持に繋がります。
BCP対策においては、物流コストだけでなく、事業が継続できるかという観点で拠点の立地を考えることが重要です。

(2)物流業務のアウトソーシング

自社で物流業務を対応している場合は、物流業務を他社へアウトソーシングすることもBCP対策の1つになると言えます。
BCPを策定していても、緊急時には想定外の人手や倉庫スペースが必要となることも多く、人員不足やスペース不足が要因となって事業の継続が困難になる可能性があります。
自社のリソースには限りがありますが、物流会社であれば通常時から物量に合わせて人員を配置するなど適切に人員を配置するノウハウがあります。また、複数拠点を所有している物流会社であれば、スペースに対する柔軟性もあります。

物流アウトソーシングを考える際には、以下の3つのポイントで物流業者を選定することが重要です。

①倉庫設備
倉庫が耐震設備となっているか、倉庫内の保管設備が倒壊リスクに備えたものになっているか、停電したときの予備電源があるかなど倉庫の構造や設備を確認しておくことが大切です。

②システム
災害や障害が起こった際にも在庫管理システムを継続して利用できるような対策(サーバー分散配置、非常用発電設備の設置など)を行っているか、確認する必要があります。

③危機管理体制
災害などの緊急事態が発生した際に、どのような初動対応をするのか、ルールや組織体制を構築しているか、という点は、事業継続リスクを低減する上で重要です。

物流BCP対策においては、物流業務をアウトソーシングすれば良いというわけではなく、しっかりとBCP対策に取り組んでいる物流業者に
アウトソーシングすることがポイントとなります。

鈴与の物流サービス

鈴与では、鈴与グループ全体の事業継続に対応する推進体制を構築し、システム・情報に関するリスク管理も行っております。
BCP対策として有効な複数拠点化に対して鈴与がご提供しているサービスを2つご紹介します。

(1)サブデポ

サブデポとは、納品先の近隣に配送拠点を設けることにより、安定的かつ持続可能な配送体制の構築を可能とするサービスです。
納品先の時間指定への対応や納品時のダメージ軽減、リードタイム削減のソリューションとしてご提案することが多いですが、配送拠点として
メイン拠点とは別に拠点を設けておくことは、BCP対策としても有効です。
鈴与は全国140カ所で物流センター・倉庫を運営していますので、お客さまの物流状況に合わせて最適な拠点をご提案させていただきます。
BCP対策として拠点を増やすことを検討しているが、どこに設置すべきかお困りの方は、ぜひ鈴与にご相談ください。

(2)最適立地シミュレーション

鈴与では、お客さまから受領した物流データを基に、独自のシミュレーションシステムを使い、配送コスト・保管コストと納品リードタイムがともに最適となる拠点立地を分析しお客さまにご提案しています。
BCP対策として複数の拠点をご検討の場合でも、最適立地のご提案が可能です。BCP対策とともに物流全体を見直すことで、現在のコストやリードタイムの見直しにも繋がります。リードタイムの削減は、現在の事業を維持する点で、2024年問題への対策としても有用です。

最適立地シミュレーションのイメージ画像

BCP対策だけでなく、2024年問題への対策をはじめ物流業務に課題を感じていらっしゃる方はお気軽にご相談ください。
お客さまの物流データや物流体制をヒアリングし、お客さまに合った物流サービスをご提案させていただきます。
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