2026.05.25

  • 3PLソリューション
  • EC・通販物流

EC倉庫とは?物流コスト削減につながるEC倉庫の最適立地を解説

道路とネットワークのイメージ画像

EC市場の拡大に伴い、配送費や人件費の上昇など物流コストに課題を感じる事業者さまも増えています。物流コストの削減には、保管費だけでなく配送コストを考慮した物流拠点の選定が重要です。本記事では、EC倉庫の特徴と、物流コスト削減につながる最適な拠点立地の考え方について解説します。
EC物流のコスト見直しや適正化の方法については以下の資料でも詳しくご説明しています。
▶資料:物流コスト見直し・適正化の方法

EC倉庫とは

EC倉庫とは

EC倉庫とは、ECサイトや通販事業者の商品を保管し、受注後のピッキング・梱包・出荷・返品対応までを行う物流拠点です。 一般的な倉庫のように商品を保管するだけではなく、注文ごとに迅速かつ正確に出荷できる体制が求められるため、在庫管理システムや倉庫管理システム(WMS)を活用しながら、効率的な物流オペレーションが行われています。 EC市場の拡大に伴い、配送品質や納期への期待が高まっていることから、EC倉庫は物流コストの最適化と顧客満足度向上の両方を支える重要な役割を担っています。

EC倉庫と一般倉庫の違い

EC倉庫と一般倉庫との大きな違いは、出荷形態にあります。 一般倉庫ではケース単位やパレット単位で企業へ出荷することが多い一方、EC倉庫では注文ごとに商品を取り出して梱包し、消費者へ配送する小口・多頻度出荷が中心です。 また、返品対応やギフト包装、同梱物の封入など、ECならではの流通加工が発生するケースも多く、作業品質や出荷スピードが重要になります。

EC物流の特徴

EC物流には、一般的な企業間物流とは異なる特徴があります。

① 小口・多頻度出荷

EC物流では、注文ごとに商品を出荷するため、一日に処理する出荷件数が多くなります。また、一度に大量の商品を出荷するBtoB物流とは異なり、少量の商品を多くのお客さまへ届ける小口・多頻度出荷が中心となることが特徴です。

② 即日・翌日配送への対応

ECサイトでは、注文した商品をできるだけ早く受け取りたいというニーズが高まっています。そのため、受注後すぐにピッキング・梱包・出荷できる体制や、配送会社と連携した迅速な出荷オペレーションが求められます。

③ 在庫管理の精度が重要

ECでは複数の販売チャネルを運営するケースも多く、在庫差異や欠品は販売機会の損失や機会損失、顧客満足度の低下につながります。そのため、倉庫管理システム(WMS)などを活用し、リアルタイムで正確な在庫管理を行うことが欠かせません。

④ 返品対応

ECでは、実際に商品を手に取って購入できないことから、サイズ違いやイメージ違いなどによる返品が発生しやすい傾向があります。返品された商品の検品や再入庫、在庫への反映なども重要な業務であり、効率的に対応できる体制が求められます。

このように、EC・通販物流では、小口・多頻度出荷や迅速な配送対応、正確な在庫管理、返品対応など、一般的な物流とは異なる運営体制が求められます。
EC・通販物流の委託をご検討の方は、鈴与のEC・通販物流サービスもぜひご覧ください。
▶鈴与のEC・通販物流サービス

EC物流における物流コスト構造

物流のコストは大きく①保管②配送③作業の3つに分けられます。日本ロジスティクスシステム協会が2024年度に実施した調査によると、物流コストに占める割合は、保管が19.7%、配送が55.9%、作業を含むその他が24.5%でした。配送コストが半分以上を占め、保管と配送コストで全体の約7割を占めていることが分かります。
※構成比の数値は、小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計が100%とならない場合があります。

また、上記数値は物流業界全体の平均値ですが、EC業界ではさらに配送コストの割合が大きくなると言われています。
物流コストを見直したい場合、配送コストを見直す重要性がお分かりいただけると思います。
配送コストを抑えたい場合、重要となるのは物流センターの立地です。▶参考:日本ロジスティクスシステム協会|2024年度 物流コスト調査報告書 【概要版】

EC倉庫選びで物流コストを削減するポイント

EC物流では、保管費だけでなく配送コストが物流コスト全体に大きく影響します。そのため、倉庫の賃料だけで判断するのではなく、配送エリアや出荷量、将来的な事業拡大も考慮して物流拠点を選ぶことが重要です。 ここでは、EC倉庫を選ぶ際に押さえておきたいポイントをご紹介します。

配送先に近い立地を選ぶ

EC物流では、配送先に近い場所へ倉庫を構えることで配送距離が短くなり、配送コストの削減や納品リードタイムの短縮につながります。 特に出荷先が特定エリアへ集中している場合は、配送実績を分析し、配送先に近い立地へ見直すことで物流コストを大きく削減できる可能性があります。

保管費だけで判断しない

倉庫を選ぶ際は、保管費だけに着目しないことも重要です。 地方の倉庫は賃料が安い傾向にありますが、配送距離が長くなることで配送コストが増え、結果として物流コスト全体が高くなる場合があります。 保管費・配送費・作業費を含めた総物流コストで判断すると良いでしょう。

拠点数を最適化する

拠点数は、多ければよいというものではありません。 出荷エリアや物量に応じて一拠点・東西二拠点・複数拠点など最適な体制は異なります。 配送コストやリードタイム、在庫配置のバランスを考慮し、自社に適した拠点数を検討しましょう。

将来の物量増加も見据える

EC市場では、販促施策や季節需要などにより出荷量が大きく変動します。 現在の物量だけでなく、将来的な事業拡大や繁忙期にも対応できる倉庫を選ぶことで、急な物流量の増加にも柔軟に対応できます。

EC倉庫の最適立地とは?

EC倉庫の最適立地とは、単に配送先に近い場所を指すものではありません。配送コストだけでなく、保管コストや納品リードタイム、出荷量や配送先の分布などを総合的に考慮し、物流全体を最も効率化できる立地を指します。
EC物流では、配送先や出荷件数、商品の特性によって最適な立地は異なります。そのため、「倉庫賃料が安い」「主要都市に近い」といった一つの条件だけで拠点を決めると、配送コストの増加やリードタイムの長期化につながる場合があります。

また、物流拠点は一拠点が適しているケースもあれば、東西二拠点化や複数拠点化によって物流コストを削減できるケースもあります。現在の物流データだけでなく、将来的な物量の増加や事業拡大も見据え、自社に最適な拠点配置を検討することが重要です。

そのため、拠点立地を見直す際は、出荷実績や配送先の分布などのデータをもとにシミュレーションを行い、物流コストとサービスレベルの両面から自社に最適な立地を判断することが重要です。

EC倉庫の立地を見直すメリット

ここではEC倉庫を最適な立地へ見直すことで得られるメリットを5つご紹介します。

(1) 配送コストの削減

現在の拠点の立地は根拠を持って選定できていますでしょうか。
例えば、EC物流においては、配送先は人口分布に比例することが多いため、主たる納品先が東京である事業者さまが多いでしょう。そのような事業者さまで現在の物流センターが東京近郊ではない場合、納品先に近い拠点に変更することで配送コストが大幅に削減できる可能性があります。

しかし納品先の大半が東京である場合も、必ずしも東京に倉庫を構えることが運賃を一番安くするとはかぎりません。宅配業者を起用する場合、
16県+山梨が「関東」と括られるため、関東圏であれば同じ運賃体系になります。一方で、エリア毎に専用タリフが異なっている場合もありますので、宅配業者の動向も加味した拠点選定が大事になってきます。

(2) 配送リードタイムの短縮

配送先の多いエリアへ拠点を移すことで、配送リードタイムの短縮が期待されます。
また、リードタイムの短縮は、お客さまにとって注文した商品がすぐに手元に届くことを意味し、ECサービスの強化やお客さまの満足度の向上にも繋がります。

(3) 拠点の統合による横持ち費用の削減

BtoBとBtoC向け物流の拠点が別々の場合や、流通加工などの一部の作業のみ別の拠点で行っている場合は、拠点を一つに集約することで、余計に発生していた横持ち費用を削減できることがあります。
複数の物流業者に業務をアウトソーシングしている場合などは、物流業務をワンストップで提供できる3PL業者への切替がコストの削減に繋がることもあります。
今ある拠点の立地を見直す中で、拠点の集約という視点も持つと良いでしょう。

(4) 東西二拠点化による配送コスト削減

ある程度の物量があり、また、関東にも関西にも一定以上の出荷がある場合は、拠点を東西にそれぞれ構えた方が配送コストの削減に繋がり、
全体の物流コストも抑えられる場合があります。
拠点数を増やすことでコストが増加するのではないかと懸念を持たれる方もいるかと思いますが、ある一定の物流規模になれば配送コストやリードタイムの削減に繋がります。二拠点にする物量の分岐点やエリア分けに関しても、物流の特徴を加味して決定しましょう。

(5) 物流2026年問題、改正物流効率化法への対応

物流拠点の立地を見直すことは、納品リードタイムの短縮だけでなく、ドライバーの労働時間規制への対応や輸送効率の向上にもつながります。
リードタイムの長期化や配送効率に課題を感じている場合は、拠点の立地を見直したり、新たに配送拠点を設けたりすることで改善できる可能性があります。

物流拠点の見直しや物流効率化に関する詳細は、以下のコラムをご覧ください。

コストの見直しについては以下の無料資料でもポイントをまとめています。
▶資料:物流コスト見直し・適正化の方法

鈴与の最適立地シミュレーション

鈴与では、お客さまから受領した物流データを基に、独自のシミュレーションシステムを使い、配送コスト・保管コストと納品リードタイムがともに最適となる拠点立地を分析しお客さまにご提案しています。調達から出荷までサプライチェーン全体を捉え、お客さまに最適な拠点をご提案いたします。
物流コストだけでなく、納品リードタイムの最適化も実現しています。
▶鈴与の3PLソリューション

最適立地シミュレーション画面例

最適立地シミュレーションで拠点を割り出した上で、業務の規模や必要作業員数によって、作業員を手配できるエリアであるかなど、最終的には
お客さまの物流の特徴を加味しベストな拠点をご提案させていただきます。また、BCP対策として複数の拠点をご検討の場合でも、最適立地のご提案が可能です。

鈴与では、EC・通販物流に対応した倉庫運営から、物流コストの削減や配送リードタイムの短縮につながる拠点立地のご提案まで、一貫してサポートしています。EC・通販物流サービスの詳細は、以下のページをご覧ください。
▶鈴与のEC・通販物流サービス

拠点の見直しや物流のアウトソーシングを検討されている方はぜひ鈴与にお問い合わせください。
▶鈴与に相談する

関連リンク

お問い合わせはこちら

Contact Us

関連記事