2023.08.03

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物流コスト削減のヒントは拠点立地の見直しにあり!EC・通販物流における倉庫の最適立地とは?

道路とネットワークのイメージ画像

EC・通販事業者さまにとって、物流コストの多くを占める配送コストを削減したいとお考えの方は多いのではないでしょうか。今回は物流コスト削減に繋がる拠点立地の見直しについてご説明します。
▶資料:物流コスト見直し・適正化の方法

EC・通販物流における物流コスト

物流のコストは大きく①保管②配送③作業の3つに分けられます。日本ロジスティクスシステム協会が2022年度に実施した調査によると、物流コストに占める割合は、保管が16.9%、配送が55.1%、作業を含むその他が28.0%でした。配送コストが半分以上を占め、保管と配送コストで全体の約7割を占めていることが分かります。

また、上記数値は物流業界全体の平均値ですが、EC・通販業界ではさらに配送コストの割合が大きくなると言われています。
物流コストを見直したい場合、配送コストを見直す重要性がお分かりいただけると思います。
配送コストを抑えたい場合、重要となるのは物流センターの立地です。

▶参考:日本ロジスティクスシステム協会|2022年度 物流コスト調査報告書 【概要版】

物流センターの最適立地とは?

1章でご紹介したように、物流コストの多くは配送コストが占めており、物流センターの立地と納品先エリアの距離が重要になってきます。
では、最適な立地はどのように考えれば良いのでしょうか。

検証のポイントとして、保管コストを抑制するとともに、配送コストの低減が実現できる立地はどこかということが挙げられます。
納品先の多くが関東の場合、保管コストが抑えられるからといって関東から遠いエリアに拠点を構えると、配送コストが上がってしまい全体の物流コストの増加に繋がります。
調達先または納品先のどちらかに近い立地に拠点を構えるのが一般的ですが、どちらが良いのかは頻度や物量によるので、どこに立地を構えれば配送コストを最小に抑えられるかを検証する必要があります。

また、コスト面だけで選定した立地では、物量に見合った作業人員が集められない可能性や配送リードタイムが長くなってしまう可能性もあります。自社の実態に合った立地であるか、サービスレベルを維持できるかなどをよく確認する必要があります。

物流拠点見直しのメリット

ここでは最適な立地へ拠点を見直すことで得られるメリットを5つご紹介します。

(1) 配送コストの削減

現在の拠点の立地は根拠を持って選定できていますでしょうか。
例えば、EC・通販物流においては、配送先は人口分布に比例することが多いため、主たる納品先が東京である事業者さまが多いでしょう。そのような事業者さまで現在の物流センターが東京近郊ではない場合、納品先に近い拠点に変更することで配送コストが大幅に削減できる可能性があります。

しかし納品先の大半が東京である場合も、必ずしも東京に倉庫を構えることが運賃を一番安くするとはかぎりません。宅配業者を起用する場合、
16県+山梨が「関東」と括られるため、関東圏であれば同じ運賃体系になります。一方で、エリア毎に専用タリフが異なっている場合もありますので、宅配業者の動向も加味した拠点選定が大事になってきます。

(2) 配送リードタイムの短縮によるEC・通販サービスの強化

配送先の多いエリアへ拠点を移すことで、配送リードタイムの短縮が期待されます。
また、リードタイムの短縮は、お客さまにとって注文した商品がすぐに手元に届くことを意味し、EC・通販サービスの強化やお客さまの満足度の向上にも繋がります。

(3) 拠点の統合による横持ち費用の削減

BtoBとBtoC向け物流の拠点が別々の場合や、流通加工などの一部の作業のみ別の拠点で行っている場合は、拠点を一つに集約することで、余計に発生していた横持ち費用を削減できることがあります。
複数の物流業者に業務をアウトソーシングしている場合などは、物流業務をワンストップで提供できる3PL業者への切替がコストの削減に繋がることもあります。
今ある拠点の立地を見直す中で、拠点の集約という視点も持つと良いでしょう。

(4) 東西二拠点化による配送コスト削減

ある程度の物量があり、また、関東にも関西にも一定以上の出荷がある場合は、拠点を東西にそれぞれ構えた方が配送コストの削減に繋がり、
全体の物流コストも抑えられる場合があります。
拠点数を増やすことでコストが増加するのではないかと懸念を持たれる方もいるかと思いますが、ある一定の物流規模になれば配送コストやリードタイムの削減に繋がります。二拠点にする物量の分岐点やエリア分けに関しても、物流の特徴を加味して決定することが重要です。

(5) 2024年問題対策

物流拠点の立地を見直すことでリードタイムを短縮することは、2024年問題対策にも繋がります。
現状のままでは2024年4月以降リードタイムが長期化してしまう場合でも、拠点の立地を見直したり、配送拠点を新たに構えたりすることで、現状のリードタイムを維持できるかもしれません。
2024年問題のソリューションについては以下のコラムで詳しくご紹介しています。
▶コラム:2024年問題に対する鈴与のソリューションをご紹介します
▶コラム:納品リードタイムの削減で2024年問題のソリューションにも!

鈴与の最適立地シミュレーション

鈴与では、お客さまから受領した物流データを基に、独自のシミュレーションシステムを使い、配送コスト・保管コストと納品リードタイムがともに最適となる拠点立地を分析しお客さまにご提案しています。調達から出荷までサプライチェーン全体を捉え、お客さまに最適な拠点をご提案いたします。
物流コストだけでなく、納品リードタイムの最適化も実現しています。
▶鈴与の3PLソリューション

最適立地シミュレーション画面例

最適立地シミュレーションで拠点を割り出した上で、業務の規模や必要作業員数によって、作業員を手配できるエリアであるかなど、最終的には
お客さまの物流の特徴を加味しベストな拠点をご提案させていただきます。また、BCP対策として複数の拠点をご検討の場合でも、最適立地のご提案が可能です。
拠点の見直しや物流のアウトソーシングを検討されている方はぜひ鈴与にお問い合わせください。
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