2026.01.19

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物流とは?目的や機能、ロジスティクスとの違いを解説

物流とは?目的や機能、ロジスティクスとの違いを解説

「物流」というと、商品を運ぶための手段というイメージを持たれがちですが、実際には保管や流通加工など、多様な機能と役割を担っています。このページでは、物流の基本を押さえた上で、その目的や機能、物流を効率化することで得られるメリットに加え、混同されやすい「ロジスティクス」との違いについても分かりやすく解説します。

物流とは

商品が生産者から消費者の元へ届くまでの一連のプロセスを「物流」と言います。物流は単なる輸送業務ではなく、保管や荷役、梱包・包装、情報管理などを含む、企業活動を支える重要な機能の一つです。
企業が安定的に事業を継続し、消費者からの信頼を得るためには、商品を安定的に供給し、欠品を発生させない体制づくりが欠かせません。そのためには、物流プロセス全体を俯瞰し、各工程に潜む「ムリ」「ムダ」を継続的に見直し、改善していくことが求められます。
物流を戦略的に見直すことでモノの流れが最適化されるだけでなく、業務効率の向上やコスト構造の改善が期待できます。その結果として、収益性の向上や顧客満足度の向上につながり、企業全体の競争力強化にも寄与するでしょう。

物流とは商品が消費者に届くまでの流れ

物流の目的

そもそも物流の目的とは、商品が生産されてから消費者の手に届くまでの過程で生じる「時間的な隔たり」と「空間的な隔たり」を解消することにあります。生産地点と消費地点が異なり、かつ需要のタイミングも一定ではない中で、物流は両者をつなぐ重要な役割を担っています。
単に商品を早く届けるだけでなく、いかに効率よく、無駄なコストを抑えながら、必要なタイミングに合わせて届けられるかという点が、物流における重要なポイントです。
そのためには、配送・輸送だけでなく、保管機能を活用した在庫調整や、需要に応じた柔軟な運用が不可欠となります。生産者がこれらの物流機能を適切に活用し、在庫を含めた物流全体を管理することで、安定した商品供給が可能になります。
物流を正常かつ効率的に機能させることは、結果として事業の安定性を高め、企業の持続的な成長を支える基盤となるのです。

物流の6つの機能

物流の機能、配送・輸送、保管、荷役、梱包包装、流通加工、情報システム

ここでは、物流の機能について紹介します。
物流は、以下の6つの機能に分類することができます。

1. 配送・輸送

生産者から消費者へ商品を届ける役割を担うのが、物流における配送・輸送機能です。物流の中でも、モノの移動を直接的に支える中核的な機能と言えます。
一般的に、「配送」は物流センターや倉庫から消費者の元へ商品を届ける比較的短距離の移動を指し、「輸送」は海外の工場や国内の生産拠点から物流センターまでの長距離移動を指します。
商品を運ぶ手段には、トラックや鉄道などさまざまな選択肢がありますが、配送・輸送方法は主に納期やコスト、輸送距離などを考慮した上で選定されます。なお、配送・輸送は物流コスト全体の約6割を占めるとも言われており、物流効率化を検討する上で重要なポイントとなります。

2. 保管

生産者と消費者の間に生じる時間的な隔たりを埋め、需給の調整を行う役割を担うのが保管機能です。実際にこの保管機能を果たしているのが、物流センターや倉庫となります。
物流センターや倉庫では、製品や原材料を一定期間保管し、需要や出荷計画に応じて必要なタイミングで配送を行います。これにより、生産と販売のタイミングが一致しない場合でも、安定した供給体制を維持することが可能になります。
特にインターネット通販のように即時対応が求められるビジネスでは、注文後すぐに商品を発送できるよう、あらかじめ一定数量を備蓄しておくことが重要です。
保管機能はスピードと安定供給を両立させる上で、物流に欠かせない役割を果たしています。

3. 荷役

荷役とは、鉄道やトラックといった配送・輸送手段へ荷物を積み込むまでの作業や、荷物を降ろした後に行う一連の作業を指します。物流において、モノの移動を円滑に行うための重要な機能の一つです。
具体的には、出荷に備えて商品を揃える「荷揃え」、荷物を効率よく配置する「積み付け」、出荷先ごとに分ける「仕分け」、そして出荷指示に基づいて商品を集める「集荷(ピッキング)」などの作業が挙げられます。

4. 梱包・包装

商品を衝撃や汚れから保護するために行われるのが、梱包・包装作業です。配送や輸送の過程での破損などを防ぎ、商品品質を維持する役割を担う物流における大切な作業です。
この工程では、商品を一つ一つ包む「個装」や、個装された商品をまとめて梱包する「外装」が行われます。併せて、内容物や取扱方法を示す区分表示や注意表示などが施されることもあります。
一般的にはダンボール箱を用いた梱包が多く採用されていますが、近年では環境配慮やコスト削減の観点から、再利用可能なプラスチック製の通い箱を外装として使用するケースも増えています。

5. 流通加工

流通加工とは、物流センターや倉庫内で、商品をお客さまのニーズや販売形態に合わせた状態に整える作業を指します。商品に付加価値を与える作業です。
具体的には、個別の商品を組み合わせてギフト用のセットにしたり、値札を貼付したり、海外製品に日本語の説明書やラベルを貼付したりといった作業が該当します。
流通加工を物流センターや倉庫内で行うことで、工場や店舗での作業負担を軽減できるほか、出荷までのリードタイム短縮や作業コストの削減にもつながります。こうした取り組みは、物流全体の効率化に加え、サービス品質の向上にも寄与します。

6. 情報システム

物流では、倉庫管理システム(WMS)をはじめとした情報システムを活用することで、物流センターや倉庫内のモノの流れを「見える化」して正確に管理しています。
作業ミスの防止や業務スピードの向上が図られ、現場の負担軽減にもつながります。
情報システムは、物流全体の精度と効率向上のために欠かせない物流を支える基盤です。

物流を効率化する3つの利点

物流における「ムリ」や「ムダ」を洗い出し、効率化を進めていくには、物流全体を俯瞰する視点と専門的な知識、そして継続的な改善が必要となります。そのため、これらの取り組みを自社だけで行うことは、決して容易ではありません。
そこで有効な選択肢となるのが、企業の物流業務を専門業者に委託し、併せて物流全体の効率化を図ることです。物流のプロフェッショナルが関与することで、現状の課題を可視化し、より最適な物流体制を構築することが可能となります。その結果、次の3つの効果が期待できます。

 ・物流コストの可視化と最適化ができる
 ・コア業務に集中できる体制を構築できる
 ・物流品質の安定による顧客満足度向上が期待できる

以下では、これら3つのメリットについて、それぞれ詳しく解説していきます。

1.物流コストの可視化と最適化ができる

専門業者のノウハウを活用することで、輸配送費や保管費、作業費などの内訳が明確になり、無駄なコストを把握しやすくなります。その結果、コスト削減や適正化につなげることが可能です。

2. コア業務に集中できる体制を構築できる

物流業務をアウトソーシングすることで、社内の人的・時間的負担を軽減できます。これにより、商品開発や営業など、企業活動の中核となる業務にリソースを集中させることができます。

3. 物流品質の安定による顧客満足度向上が期待できる

物流のプロによる運用により、作業精度や対応スピードが向上、出荷ミスなどのトラブル削減につながります。結果として、顧客満足度の向上や信頼性の強化が期待できます。

物流とロジスティクスの違い

物流と混同されやすい言葉に「ロジスティクス」がありますが、この二つは意味合いが異なります。
「物流」が、商品の輸送や保管といったモノの物理的な動きを指すのに対し、「ロジスティクス」は、原材料の調達から生産、保管、配送・輸送、販売に至るまでの物流全体を一元的に管理し、最適化する考え方を指します。
つまり、ロジスティクスは物流を含むより広範な概念であり、「物流」はロジスティクスを構成する要素の一つと位置づけられます。個々の作業を改善するだけでなく、全体最適の視点からモノの流れを設計・管理する点に、ロジスティクスの特徴があります。
物流の効率化を進めていくためには、個々の工程だけでなく、物流全体を俯瞰して管理できる「ロジスティクス」の視点を取り入れた取り組みが重要となります。

ロジスティクスは商品が届くまでの流れを最適化する仕組み

物流業界が直面する主な課題とは

物流は企業活動を支える重要な機能である一方、近年は社会環境や市場構造の変化により、物流業界全体でさまざまな課題が顕在化しています。ここでは、特に多くの荷主企業が現在直面している代表的な課題を整理します。

1.人手不足と「2024年問題」

物流業界では、トラックドライバーや倉庫作業員の慢性的な人手不足が続いています。加えて、働き方改革関連法の適用により、いわゆる「物流の2024年問題」として2024年以降はドライバーの時間外労働が制限され、輸送力不足のリスクが一層高まっています。
この影響は物流事業者だけでなく、荷主企業にとっても「希望通りに運べない」「納期調整が必要になる」といった形で顕在化しています。
物流の2024年問題については、以下のコラムで詳しく解説しています。
▶コラム:物流の2024年問題とは?今からできる対策事例とソリューションをご紹介!

2.物流コストの上昇と企業への影響

燃料価格や人件費の高騰により、輸配送費や作業料などを含む物流コストは年々上昇傾向にあります。また、輸送距離の増加や多頻度小口配送の増加なども、コスト増加の要因となっています。
物流コストは見えにくい一方で、製造業・流通業を中心とした企業の利益構造に大きな影響を与えるため、輸送方法や拠点配置の見直しが重要なテーマとなっています。
物流コストの考え方については以下のコラムで説明しています。
▶コラム:物流コストが気になる方必見!倉庫の保管料の計算方法とは?

3.リードタイム短縮が求められる理由

EC市場の拡大や顧客ニーズの高度化により、物流は受注から納品までより短いリードタイムが求められるようになっています。納期遅延は顧客満足度の低下だけでなく、取引機会の損失につながる可能性もあります。
そのため、在庫配置や輸送ルートの最適化など、物流全体を見据えた設計が欠かせません。
リードタイムの基本的な考え方については、以下のコラムで解説しています。
▶コラム:リードタイムとは?物流業界における意味や種類、リードタイム短縮方法を解説します

4. BCP(事業継続計画)の重要性

地震や台風といった自然災害などの予測不能な事態により、物流網が寸断されるリスクは常に存在します。こうした事態に備え、物流機能を止めないためのBCP(事業継続計画)の重要性が高まっています。
複数拠点の活用や代替輸送手段の確保など、平時からの物流網の冗長化に向けた取り組みが企業の信頼性を左右します。
物流におけるBCPの考え方は、以下のコラムで詳しく紹介しています。
▶コラム:物流BCP対策―BCP対策としての物流アウトソーシングと複数拠点化

物流の戦略的な見直しが、企業競争力の強化につながる

物流は単にモノを運ぶだけの機能ではなく、企業活動全体を支える重要な仕組みです。効率的な物流を目指し、持続可能な物流体制を構築することで、物流コストの最適化や顧客満足度の向上が実現し、結果として企業全体の競争力強化につながります。
持続可能な物流体制を構築するためには、自社だけで課題を抱え込むのではなく、専門業者が持つ豊富なノウハウや実績を活用することが有効です。物流のアウトソーシングを検討することで、業務負担の軽減やコストの最適化、品質の安定化が期待できます。変化の激しい物流環境に対応する一つの選択肢として、物流アウトソーシングを前向きに検討してみてはいかがでしょうか。

物流のアウトソーシングをご検討の方は、鈴与に一度お問い合わせください。

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