2025.05.08

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マレーシアにおける非居住者在庫運用のメリットとは?非居住者在庫の活用でマレーシアでの在庫管理を最適化!

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近年、シンガポールにおいて倉庫の保管料や配送料、人件費などの上昇により物流コストが高騰しており、商品在庫の保管を隣国マレーシアに移す企業が多く、新たなASEANの物流ハブとしてマレーシアが大きな注目を集めています。マレーシアでの商品保管の1つの方法として、現地に法人を持たない企業が在庫を保持し運用するケースが増加しています。今回は、マレーシアにおける非居住者在庫運用のメリットとその活用例をご紹介します。

非居住者在庫の運用と保税倉庫

マレーシアでは、現地に法人を持たない企業でも自社名義で国内の保税倉庫に在庫を保有することができる非居住者在庫の運用が可能です。商品を外国貨物の状態で保管するため、保税扱いとなり、納入先への出荷(倉庫からの出庫)までは関税などの支払いが留保されます。そのため売上金の入金と納税のタイミングを近づけることができ、キャッシュフローの改善につながるなどさまざまなメリットがあります。

マレーシアにおける非居住者在庫運用のメリットとそれを支える鈴与のシステム

地理的優位性

東南アジアの中心に位置するマレーシアは、ASEAN諸国やアジア全域へのアクセスが良好です。また、タイやシンガポールなどの周辺国への陸路輸送が可能なため、クロスボーダー輸送にも対応しています。陸路での輸送は船や飛行機を活用した輸送よりもリードタイムの短縮を図ることができるため、JIT(ジャストインタイム)の納入が可能です。
さらに、柔軟に輸送日程を調整することができるため、納入国側での在庫をミニマイズさせ、在庫調整を図ることも可能です。加えて、マレーシアは国際物流ハブの1つであるシンガポールと比較しても物価が安く、物流コストの抑制にもつながります。鈴与のマレーシア拠点では国内最大の港であるポートクラン、シンガポールのすぐ北にあるジョホールバル地域での保税倉庫を活用した非居住者在庫運用に対応しています。

在庫の可視化

鈴与独自の在庫情報WebシステムであるSIIS (Suzuyo Inventory Information System)を活用することで、インターネット環境があれば24時間365日入出荷・在庫状況をリアルタイムに確認することができます。お客さまの専用画面から、在庫照会や受払履歴照会、入出荷状況照会などのメニューで在庫状況を確認でき、倉庫担当者への在庫状況確認のフローを削減できます。
非居住者在庫は地理的に離れた場所での管理が必要ですが、このシステムによりマレーシアにいなくても正確に在庫状況を確認することができるため、効果的な在庫管理を実現します。

SIISをはじめとした鈴与の物流情報システムについてはこちらのコラムでご紹介しています。
▶コラム:物流情報システムで物流管理業務の負荷軽減と効率的な倉庫管理を実現!

非居住者在庫運用の活用例

再輸出型:非居住者(マレーシアに法人を持たない企業)が海外から商品を調達し再度海外に輸出する場合

複数の調達先からの商品を納入先ごとにまとめて配送することができるため、輸出業務工数の削減を図ることができます。また、ASEANの中で物流ハブとして大きな役割を果たすマレーシアは、世界で第12位の規模を誇る国際港を抱えており、貨物積み替えの中継地としても有名で、ASEANを始め世界各国への輸送に対応しています。
そのため、とりわけ輸出先が複数となる場合においてもマレーシアで一貫して輸出業務を行うことができ、業務の効率化につながります。
また、商品の製造コストが安いベトナムや中国が近くに位置しているため、輸入した商品をマレーシアの保税倉庫で非居住者在庫として一時保管、その上でマレーシアの物流網を活用し世界各国へ再輸出しているケースが多くあります。実際に、現地では大手家具メーカーや雑貨小売が同様の方法で非居住者在庫を運用しています。

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輸入型:非居住者がマレーシア国内に輸入販売を行う場合

マレーシア国内の需要に応じて迅速に商品を供給することができます。非居住者在庫としてマレーシア国内に在庫を抱えることができるため、顧客からの注文ごとに商品を海外から調達する必要がなく、輸送に係るコストの削減に貢献します。顧客への配送に係るリードタイムの短縮にもつながります。

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輸出型:非居住者がマレーシアで製造した商品を海外に輸出する場合

保税倉庫で複数のサプライヤーからの商品を一度国内で非居住者在庫として保管し、商品をまとめ大ロットで輸送することにより、物流コストを削減することができます。また、商品を一時保管することで納期を調整できるため、輸出地側の在庫調整を図ることが可能です。特に、マレーシア国内からの調達が多い場合に有効です。

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まとめ

このように、マレーシアに法人を持たない企業でも保税倉庫を活用してマレーシアに在庫を保有することができ、非居住者在庫の運用によって物流コストの削減や納期の短縮などお客さまのニーズに合わせた物流の最適化を図ることが可能です。マレーシアでの非居住者在庫運用にご興味のある方、マレーシアでの物流にお困りの方は是非、鈴与までお気軽にお問い合わせください。

▶鈴与のマレーシア拠点現地法人サイトはこちら

以下コラムではマレーシアでの物流サービスをご紹介していますのでぜひご覧ください。▶コラム:マレーシアの物流担当者さま必見! 鈴与のマレーシアでの物流サービスについてご紹介します

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