2021.07.05
- 国際輸送
世界的なコンテナ不足と海上運賃の高騰はなぜ起きているのか?
コロナ禍の影響により国際海上輸送のコンテナ不足、輸送遅延が問題となりました。
今回は空コンテナが不足したそ背景とその影響を解説します。
空コンテナが不足する要因はなにか?
世界的なコンテナ不足の原因は、新型コロナウイルスの蔓延が発端となっていますが、複数の要因が重なり、各国に連鎖して、長期的な問題となっています。
(1)新規コンテナ生産量の低下
世界のコンテナ生産の約98%は中国で行われていますが、2019年は米中貿易摩擦による荷動きの低下が懸念され、コンテナ生産量が前年比40%減と縮小傾向にありました。
2020年に入っても、上半期はコロナ禍の先行き懸念や工場の生産能力の低下により、生産量は前年比25%減と、依然として縮小傾向が続きました。
(2)輸入港での荷役作業の停滞
貨物の入ったコンテナは、一般的には輸入地への到着から14日間以内に中の貨物を取り出し、空のコンテナを返却する必要があります。
2020年に発生したコロナウイルスのパンデミックにより、世界各国での都市封鎖の実施、感染拡大による港湾作業員の不足によって、コンテナ貨物が港湾に滞留しました。
海運会社もコンテナ船を減便させたため、空のコンテナも港に留め置かれ、輸出地でコンテナが不足する事態となりました。
(3)中国経済の回復による輸出量増加
中国では、2020年の前半には経済活動が停滞したものの、後半には自動車、機械などの生産が他国に先駆けてV字回復しました。一方、北米や欧州等の地域では、感染拡大による生活用品等の生産に影響が出たことや、巣ごもり消費の増加により、中国から欧米向けへの輸出は例年を上回る量に達していきました。その結果、急増したコンテナ物量と、コロナ禍による港湾作業員不足によって、コンテナ船の処理が追いつかなくなり、欧米でのコンテナ滞留、港湾混雑が発生し、世界の主要港に連鎖していったのです。
コンテナ不足が続くと、どんな影響があるの?
コンテナ不足により、ビジネスや生活へどのような影響があるのでしょうか?
(1)国際物流での輸送遅延
コンテナ不足により、各方面へのコンテナのブッキングが困難な状況にあり、地方港ではコンテナ船が欠航となる事態も起きています。特に、北米西岸の港湾や欧州湾岸では、港湾の混雑により、荷役にあたり通常の2倍程度の時間がかかっているようです。
(2)物流費高騰による商品の値上げ
2020年後半から、コンテナ不足による海上運賃が高騰し、スポット運賃は2~6倍まで跳ね上がっている状況です。また、(1)にあげた海上での輸送遅延を懸念して、航空輸送へのシフトも起きているため、航空輸送の運賃も同様に高騰しています。
このような国際輸送費の増加により、企業の売上高物流費も上昇するため、商品の値上げを検討する状況になりかねません。
企業は、このような状況に対して、海上輸送以外での輸送手段の活用(鉄道・航空・陸送)や適正在庫の見直し、コンテナの共用や混載コンテナの利用などの対策で、当面の難局を打破していく必要があります。
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