2020.06.04
- 国際輸送
国際輸送/輸出・輸入に必要な手続きって何?

今回は貨物を輸出する際の通関業務の流れ、通関手続きで必要となる書類、輸出手続きをアウトソーシングした場合のメリットや注意点をご紹介します。
通関業務とは
通関業務を簡単に言うと『輸出入に関わる業務』で、貿易を行う際に必要になる業務です。輸出入の際には行政への手続きと申請が必要で、税関で適切な検査を受ける必要があります。この手続きや申請にかかる業務が通関業務になります。
輸出通関業務のおおまかな流れは下記となっています。
1.保税エリアへ搬入
保税エリアとは輸出許可を受ける前に貨物を保管する場所で、貨物は税金がかかる前の状態です。
2.貿易書類の作成
通関業者は書類をもとにして輸出申告書を作成して、税関に提出します。
税関は書類の不備や内容に虚偽がないかを確認して、問題がなければ輸出許可書を発行します。
3.船への積み込み
税関から発行された輸出許可書を船会社に渡すと、貨物の積み込みを行うことができます。
これで一連の輸出通関業務が終了して、貨物は輸出先に搬送されます。
貨物が積み込みされる際に、船会社から船荷証券が手渡されます。この証書の取り扱いは非常に重要で、輸出先が荷物を受け取る際に必要な書類となります。
商品を輸出する場合、通関業者に提出しなければならない書類があります。
1)インボイス
コマーシャルインボイス、仕入書、商業送り状とも呼ばれ、貿易取引の内容を税関に説明するためのものです。
貨物の品名、種類、数量、価格、代金支払方法、荷送人や荷受人の住所・氏名・名称などが書かれていなければなりません。
2)パッキングリスト(梱包明細書とも呼ばれます)
輸出される貨物がどのように梱包されているかを説明する書類です。インボイスを補完するもので、貨物の個数、梱包後の重量、容積等が書かれていなければなりません。
3)シッピングインストラクション
船積指示書とも呼ばれます。荷送人が通関業者へ船積みを依頼する時に提出する書類で、通関依頼の際にインボイスやパッキングリストと一緒に提出します。
また、初めて荷送人が通関業者へ依頼する場合に限り、通関業務の委任状が必要になります。
国際輸送・輸出手続きをアウトソーシングするメリット
(1)効率的かつ適切に通関業務を行うことができる
商品を輸出する際に必要な手続きとして、以下事項が挙げられます。
- 税関で輸出の許可を得ること
- 輸送手段の確保
- 輸出先での配送手段の確保
- 厚労省など所管官庁への手続き *貨物の内容による
輸出入に必要な関係書類は自分で作成することもできますが、正確な書類を用意するには一定の知識が必要です。書類上の不備や虚偽の申請も許されません。
専門的な知識を持った通関業者に委託することで、効率的かつ適切に通関業務を行うことができます。
(2)最適な輸送方法の提案
自らは運送手段を持たず、荷主と実運送人の間で、国際輸送に関する業務を行うフォワーダーは、自らのネットワークで輸送手続きを行い、世界各国の法体系に精通して通関手続きを行ってくれます。また、業者によって船によるコンテナ輸送や航空機による航空輸送などさまざまな輸送手段があります。輸出する貨物の物量が少量の場合、クーリエという集荷・通関・輸送・配達を一括して行う国際宅急便も選択肢として挙げられます。
このように、最適な輸送方法を提案してくれる点は、国際輸送・輸出手続きをアウトソーシングするメリットと言えるでしょう。
アウトソーシングする際の注意点
(1)個人依頼ができない可能性がある
通関業務をアウトソーシングする際に忘れてはならない注意点が、個人では依頼できないということです。
通関代行業者は税関の許可を得て業務を行っています。公的な立場の業者とも考えられるので、個人の依頼は断られる可能性が大きいです。
理由としては、下記が挙げられます。
- 支払能力をへの信用面での金銭的リスク
- 違法な貨物の通関をさせられないかという法的なリスク
(2)業務委託の費用が発生する
輸出入業務の委託により、通関業務にかかる費用と取扱の手数料等は発生します。
ただ、費用に関しては、諸費用が圧縮できたり業務の手間が削減できるため、トータルで考えるとコスト削減に繋がります。
鈴与は、豊富な通関実績でお客さまの輸出入業務をサポートしています。さまざまな輸送手段を持ち、お客さまの輸送内容に最適な輸送方法をご提案いたしますので、輸出入手配のご依頼・ご相談等ございましたら、お気軽にお問い合わせください。
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