2024.08.05

  • 国際輸送

国際宅配便と航空貨物輸送の使い分けポイントをご紹介します

国際宅配便.jpg

貨物を緊急で海外に運ぶ際、航空貨物サービスと国際宅配便サービスがありますが、それぞれのサービスを使い分けることでコスト削減に繋がります。使い分けるポイントとしては貨物の種類、サイズ、重量などが重要な情報となります。今回はそれぞれのサービスについて、参考となる使い分けのポイントをご紹介します。

またコラム内でご紹介している鈴与の国際宅配便サービスに関する資料もございますので、コラムと併せてご覧ください!
▶資料:大口貨物も扱える国際宅配便サービス

国際宅配便と航空貨物輸送の違い

国際宅配便とは、基本的に貨物を集荷し送り状に記載された海外の配送先までお届けする一貫輸送(ドア・ツー・ドア)サービスです。国際宅配便の一貫輸送料には、輸出入の通関処理、爆発物検査、ターミナルチャージ、輸送料などのサービスが含まれています。また、24時間通関、深夜便(仕向地による)、現地到着後に保管することなく国内輸送ネットワークにダイレクトで接続することから、輸送のリードタイムが短いのが特徴の一つです。

一方、航空貨物輸送は国際宅配便のように画一的な対応ではなく、顧客のニーズによりフレキシブルに対応できるサービスです。ただし、請求項目が集荷料、取扱手数料、ターミナルチャージ、輸出入通関料、配送料などが個別の設定になり、費用計算が複雑です。またリードタイム面では、一旦保税蔵置場に保管され、輸入者から指示があるまで留め置きとなります。また税関などの申告時間の制限のほか、個別にトラック手配業務などがあり、国際宅配便に比べるとリードタイムはドア・ツー・ドアで比較した場合、長くなります。

国際宅配便と航空貨物の違い3.png

国際宅配便と航空貨物の使い分けのポイント

使い分けのポイントとして、重量サイズ納期・リードタイム、④出荷手配の業務負荷⑤費用把握の簡易性が重要な要素となります。
上記について、コスト面だけでなく、リードタイムや業務負荷の観点からもポイントをご紹介します。

①重量

基本的には、小口貨物では航空貨物よりも国際宅配便の方がコストが安く、重量が増すほど航空貨物輸送の方が費用が抑えられます。国際宅配便は現地輸入通関料、配送料などの費用が含まれているにも関わらず、目安として2030kgまでの貨物の場合、空港止めの航空貨物よりも費用が抑えられるケースが多いです。例えば1kgに満たない書類などでは国際宅配便の方が、圧倒的に費用削減につながります。また、現地空港着後に費用負担者が分かれる場合は航空貨物の方が条件に合致しますが、ドア・ツー・ドア条件で比較した場合、国際宅配便の方が費用負担が減るケースもあります。

②サイズ

容積重量の算出においては、国際宅配便は5,000cm31kg、航空貨物の場合は6,000cm31kgの規定があります。要は容積が大きい貨物は同一貨物であっても国際宅配便の方が容積重量が大きくなります。適用重量(CHARGABLE WEIGHT)は実重量と容積重量の大きい方が適用になり、その結果を受けて上述の重量面で判断を行います。


③納期・リードタイム

先方までの納期が特に緊急である場合、航空貨物輸送ではJ-SPEEDJAL)、PRIO(ANA)など各キャリアとも搭載のプライオリティーが高いサービスがありますが、運賃が高額です。また空港到着後の手続きに時間がかかる場合もあります。一方、国際宅配便ではサービス自体搭載プライオリティーが高いため、運賃の増額は無く、一般的に航空貨物に比べてコストが抑えられます。加えて一貫輸送(ドア・ツー・ドア)サービスにより配送までのリードタイムを短縮できます。よって緊急時は航空貨物輸送よりも国際宅配便が適しているケースが多いです。


④出荷手配の業務負荷

コストは運賃だけではありません。お客さま側の業務コストも考慮する必要があります。国際宅配便は、通関から現地配送までの一貫料金で手配もスムーズである一方、航空貨物ではBooking依頼、通関依頼、S/I作成などの業務負荷が発生します。


⑤費用把握の簡易性

業務コストは手配業務にかかるコストだけでなく、支払処理なども含まれます。国際宅配便の料金形態はシンプルで早期に処理できる特徴があり、費用計算をベースとした見積もり提示、経理処理もスムーズになされることも考慮すべき項目です。

このように、航空貨物輸送と国際宅配便でそれぞれの特徴があるため、状況に合わせて使い分けることでコスト削減に繋がります。
どのように使い分けるのがよいか分からないという方は鈴与にご相談ください。
問い合わせはこちら

コスト削減事例

事例1 医療機器製造・販売業者A社

Before 
同業他社にて全ての貨物を現地子会社向けに航空貨物にて出荷していた。貨物の中にはロット貨物である製造ライン用の部材のほか、保守部品であるアフターパーツ、SAMPLEなどの小口貨物をシップメント単位に分け出荷していたことから、出荷の手間やコストが発生していた。

After
航空貨物のほか、大手国際宅配便を扱う鈴与では、他社では難しい輸送モード選別を切り口に国際宅配便利用をご提案。航空貨物輸送から国際宅配便に切り替えることで、お客さまは選別作業の負荷もなくコストダウンとなったほか、特に早く届けたい保守用部品、サンプル品の納入までのリードタイムが短縮でき、サービス品質が向上した。

事例2 自動車部品メーカーB社

Before 
航空貨物は毎年入札対応してきており、適正コストで出荷している認識であった。入札に先立ち現状のヒアリングを実施結果、子会社である現地工場への出荷がほとんどであり、かつ小口貨物、ロット貨物も一律で航空貨物で出荷していることが判明した。

After
鈴与では航空貨物サービスだけでなく、大手国際宅配便サービスも取り扱っているメリットを活かし、重量によって使い分けるサービスをご提案。その後、現地納品先までの費用を輸出者負担に切り替えていただくことで国際宅配便の一貫輸送サービスをご利用いただいた結果、コスト削減ほか、リードタイム短縮を実現した。

鈴与の航空貨物事業の特徴

鈴与は、通常の航空貨物サービスを取り扱うほか、大手国際宅配業者3社(DHL,FedExUPS)のサービスを扱っている国内唯一の会社です。フォワーディングはUPSサプライチェーンソリューション(株)と戦略提携していることにより、世界各国415地点への出荷に対応できるほか、国際宅配便も取り扱っていることにより、国際輸送における最適なサービスが提供可能です。また現状の物流全体を把握させていただくことにより、海上貨物、NVO、倉庫、DC、リース、商流サービスと組み合わせた提案を行うことで、お客さまの各種課題に対して最適な物流のご提案をいたします。
国際輸送に関する課題がございましたらぜひお問い合わせください。



関連リンク

お問い合わせはこちら

Contact Us

関連記事