2024.02.06
- 国際輸送
国際宅配便と航空貨物輸送との違いとは?国際宅配便の特徴や活用事例をご紹介します
航空輸送は大きく分けるとフォワーダーや航空貨物代理店を介する航空貨物輸送のほか、国際宅配便、EMS(国際郵便)などがあります。
今回は輸送手段の一つである国際宅配便のサービスの特徴についてご説明します。
▶資料:大口貨物も扱える国際宅配便サービス
国際宅配便とは
国際宅配便と航空貨物輸送の違い
国際宅配便とは言葉の通り、国をまたいで貨物を集荷し、送り状に記載された海外の配送先までお届けする一貫輸送(ドア・ツー・ドア)サービスです。国際宅配便は海外のお届け先に配送するため、輸送料のほか、輸出入の通関処理、爆発物検査、他法令該否などのサービスが一貫輸送料に含まれています。
一方、航空貨物輸送は顧客のニーズによりカスタマイズすることができるサービスです。希望のリードタイムやコストを考慮して輸送キャリアを起用するほか、現地指定空港止め、もしくは指定現地配送先などフレキシブルに組み立てが可能です。
ただしコストは細かく分かれており、集荷料・配送料、輸出入通関料、ターミナルチャージ、取扱料などが個別に発生し、コスト計算が煩雑です。
国際宅配便利用の準備
国際宅配便を利用する際には、国際宅配業者の貨物送り状をご準備いただくとともに、輸出入の通関には税関に積荷の申告をするためのインボイス(商業送り状)が必要となります。
また国際輸送においては国内輸送以上に荷扱い工程が多いため、ダメージリスク低減のため国際輸送に耐えられる梱包が必要です。
国際宅配便マーケット
国際宅配便は国内をはじめ、海外においても配送ネットワークが充実しており、DHL、FedEx、UPSが世界を代表する3大国際宅配業者です。
日本国内においてはDHLが国際宅配便のリーディングカンパニーです。
国際宅配便大手は原則自社で貨物をハンドリング、通関し、自社機材にて輸送しています。フォワーダーが提供していない、グローバルな充実した集荷・配送ネットワークサービスが特徴です。また最短のリードタイムで商品を配送できるほか、トラッキングシステムを利用してタイムリーな最新の貨物情報を提供できるなど貨物管理面で非常に高いクオリティのサービスを提供しています。大まかな評価ですが、米国向けならばUPS・FedEx、欧州・中国ならばDHLが定評です。
国際宅配便の特徴
国際宅配便の特徴についてご説明していきます。特徴としては下記が挙げられます。
国際宅配便を利用するメリット
①一貫輸送(ドア・ツー・ドア)サービスによる配送までのリードタイム短縮
・原則空港搬入当日フライト
・原則自前の機材によるサービス
・24時間通関体制
・現地到着前の輸入通関処理(※国の規制による)
・24時間稼働の現地配送ネットワーク
②航空貨物と比べ、小口配送化によるコストの削減
③シンプルな手配業務による業務負荷軽減
④シンプルな料金体系、運賃は年間固定も可能(サーチャージなどを除く)なため、コスト試算効率化を実現
⑤インターネットを介して24時間タイムリーなトラッキングが可能
国際宅配便を利用する際の注意点
①商材によって受託貨物の制限がある
②容積重量の算出基準が航空貨物と異なる
(1kg換算 国際宅配便5,000cm3 vs 航空貨物6,000cm3)
国際宅配便・航空貨物・国際郵便(EMS)の比較
国際郵便(EMS)を含めて比較してみると下記のような評価ができます。
国際宅配便の活用事例
国際宅配便=小口貨物のイメージを持っている方もいるかもしれませんが、パレット貨物や大口貨物も受託できます。
今回は国際宅配便の有効な活用事例をご紹介いたします。
事例1 外資系医療機器メーカーA社
Before
書類、小口貨物を含め大口貨物も航空貨物にて輸送していた。
After
書類、小口貨物には、ドア・ツ-・ドアサービスであり、安くて早い国際宅配便の利用をご提案。貨物の重量によって航空貨物と国際宅配便を使い分けることでコストを大幅に削減した。使い分けの判別は鈴与がサポートするため安心してお任せいただけた。
事例2 自動車用パワートレインメーカーB社
Before
米国にある子会社(現地法人の工場)向けに、航空貨物にて現地空港止めで定期的に発送していた。
After
日本が負担している現地空港までの物流コストと、現地空港到着後、工場が負担している物流コストを検証したところ、国際宅配便によりドア・ツ-・ドアサービスによる一貫輸送のコストの方が安いことが判明。インコタームスを変更し国際宅配便による輸送に切り替えたことから、コスト削減の他、輸送リードタイム短縮を実現し、通関などの手配もなくなり業務負荷を大幅に軽減した。
事例3 外資系健康食品、化粧品通販会社C社
Before
緊急貨物を早急に届けたいが、航空貨物のスペースが取れず、航空貨物輸送に高額な運賃を払っていた。
After
高額な費用を負担しながらもリードタイムは顧客の要望に見合うものではなかったため国際宅配便に切り替え。搭載日翌日には配送完了できるようになり、コストもリーズナブルで航空貨物輸送よりも大幅にコストを抑えられた。
事例4 工作機メーカーⅮ社
Before
インコタームスDDPにて航空貨物で出荷し、後日現地費用が別途請求されていた。また現地費用で通関料、取扱料、ターミナルチャージ、配送料など多項目のコストが発生し割高であった。
After
国際宅配便に切り替えることで運賃がシンプルでかつコストを抑えることができ、かつリードタイムも大幅に短縮できた。
事例5 自動車用車体骨格部品メーカーE社
Before
現地工場の金型不良に伴い、ラインストップを避けるべく日本から生産支援を受け大口貨物月間60~100トンを緊急で出荷することを検討していた。急な要請もあり希望する日程で納品できる航空貨物のスペースが取れずにいた。国際宅配便は小口貨物のみのサービスとのイメージを持っており、国際宅配便利用は未検討であった。
After
国際宅配便への切り替えにより分割出荷となったが、航空貨物よりも搭載プライオリティーが高いサービスで、最速で納品できラインストップを回避できた。
事例6 自動車用駆動系メーカーF社
Before
ラインストップを避けるべく米国、メキシコ向け超緊急輸送の依頼を受ける。従来高額なハンドキャリー業者を利用していた。
After
搭載のプライオリティーが高い国際宅配便を利用し、集荷当日の深夜フライト便にて出荷。現地ハブ空港にて国際宅配便輸送を打ち切り、ハブ空港の上屋にて貨物の引き渡しを受け、鈴与の現地法人が手配した緊急トラックにて配送。米国時間で出荷当日に納品完了し最速での配送を実現した。メキシコ向けは同様の手段で出荷日翌日配達が完了した。
鈴与の国際宅配便サービスの特徴
鈴与は海上貨物、航空貨物を取り扱っているほか、国際宅配便のグローバル大手であるDHL、FedEx、UPSの3社のサービスを取り扱っている世界で唯一の物流会社です。各国際宅配便業者によって得意なサービス・国・エリアがあり、料金体系も異なります。各社のプライムサービスを含めて、リードタイム、コストなどお客さまのニーズに合わせて最適なサービスを幅広くご提案します。
国際宅配便各社は貨物を集荷する際、インボイス、貨物送り状など関係書類も準備できていないと受託しません。
一方で、鈴与ではお客さまのニーズに応じて、物流センターでの製品の在庫管理をはじめ、引き取りから各種流通加工(検量、検数・PCSピッキング、セット組み、簡易梱包)、インボイス作成、貨物送り状作成も含めて一括受託しており、お客さまの業務負荷を軽減します。
また鈴与は世界有数の物流インテグレーターUPS社との戦略提携による航空貨物サービスも提供していますので、国際宅配便各社だけでなく航空貨物輸送サービスも含めて、一元的な窓口で対応することで最適なサービスをご提案し、お客さまの業務負荷を軽減します。
鈴与の国際宅配便サービスでは、物流センターでの製品の在庫管理をはじめ、流通加工や、輸出書類の作成まで、お客さまの物流をワンストップでサポートします。普段国際輸送を使っていて新たに国際宅配便を検討したい方、新たに国際宅配便の利用を検討している方はぜひ一度お問い合わせください。
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