2021.11.19

  • 3PL基礎知識

適正在庫とは?計算方法と適正在庫を維持する3つのポイント

倉庫のイメージ画像

適正在庫って何?

適正在庫とは、季節や商品によって変動する物量に応じて、欠品あるいは過剰在庫を防ぎ、需要に応じた在庫を持つことです。
受注があるにも関わらず、欠品により販売機会を失うことは大きな痛手です。逆に、過剰に在庫を抱えることで、保管料や作業料が無駄にかかるのも避けたいですね。

常にちょうど良い在庫量を保つためにも、取り扱う商品やその時期に応じた在庫量を算出し、管理していくことが重要です。

適正在庫の計算方法

適正在庫は、一般的に
(1)安全在庫+(2)毎月の発注後の出荷件数(月平均)で求めることができます。

(1)の安全在庫とは、予想以上の受注があった場合に備えて確保しておく在庫のことです。
(2)では、毎月の出荷件数を月平均で算出し、予想される受注数に応じて在庫を用意します。
(3)はあくまでも過去の受注数を参考に予測した件数の為、それを上回る受注があった場合の予備として、安全在庫を確保しておくことをお勧めしています。

その他にも、在庫回転率から計算する方法もあります。
在庫回転率とは、「在庫が一回転するのにどれだけの期間がかかったのか」を数値化したもので、
回転率=商品の年間売上額÷平均在庫金額で算出することができます。

回転率の数値が大きいほど、在庫が売上になるスピードが速いことを意味します。ただし、回転率が高ければ高いほど良いかと言うとそうではなく、在庫期間を短くし過ぎてしまうと、欠品のリスクが高まります。
在庫の回転率は高すぎず低すぎず、一定の基準を保つことが、イコール適正在庫を維持できているという考え方ができるでしょう。

適正在庫を維持する3つのポイント

2でご紹介した計算方法で適正在庫を算出しても、いざ受注を受けた際に、「あれ、今月はこの商品の売れ行きがいいな」「繁忙期を予想して在庫を増やしたのに、思ったより売れなかったな」と言った場面が出てくるでしょう。
そのような「予想外」の受注に惑わされず、安定して在庫管理を行うポイントを紹介します。

(1)過去データを分析する

一度算出した適正在庫も、世情や流行の変化によって、変わってくるはずです。過去のデータを参考に、いつ受注が増減しているのか、どんな時に製品の過不足が発生したのか、知っておくことが大切です。

(2)保管在庫を減らす

そもそも、倉庫に保管しておく商品在庫をできる限り減らしておくことが大切です。
保管在庫を減らすには、製品リードタイムを短縮することが近道になります。製造中の製品も在庫としてカウントされるため、製品リードタイムを短くすることで、発注から出荷までの保管期間が短くなり、結果として在庫量を削減することができます。

(3)発注方法を見直す

発注方法は2種類あります。毎月決めた日に発注する「定期発注」と、あらかじめ決めた在庫量を下回った時に前回と同じ量の発注をかける「定量発注」です。
「定期発注」は、外部要因を受けやすく需要の変動が大きい商品、「定量発注」は、需要が安定している商品に適当な発注方法と言われています。

定量発注方式式を採用する場合、発注点の管理が必須です。発注点とは、発注を行うタイミングのことです。在庫が発注点を下回った場合に発注を行います。
発注点は、
1日の平均出荷量×調達リードタイム(発注から手元に届くまでの期間)+安全在庫
で求めることができます。
調達リードタイムを加味した在庫が残っている状態で発注をかけないと、製品が届くまでに在庫がなくなってしまいますので、発注から手元に届くまでの日数を考慮する必要があります。

取り扱っている商品の種類が多岐にわたるお客さまは特に、現在の発注方式が商品特性に合っているかを見直してみてもいいかもしれません。

より効率的に適正在庫を維持するために

ここまでお伝えしてきたように、適正在庫を維持するためには、倉庫の在庫状況と商品の入出庫状況を管理することが大切ですが、日々のことですから、在庫管理に使う時間はなるべく減らしたいですよね。
そこで、より効率的に在庫管理を行うことができる在庫管理システム(WMS)の導入をお勧めいたします。在庫管理をより効率的に行うには、システムを使用するのが1番の近道です。
最後にWMSを導入するメリットと鈴与のWMSについてご紹介します。

WMS導入のメリット

WMSを導入すれば、入出荷情報が詳細に分かり、データの蓄積もされるので、定期的なメンテナンスに最適です。
また、WMSの中には、ロットやシリアル番号、消費期限といった情報も管理できるものもあり、入出荷、保管情報を正確に管理できるだけでなく、出荷したあとの商品を追跡する際にも活用することができます。
商品特性や条件に合ったWMSで倉庫を運営している物流会社を選ぶと良いでしょう。
WMS導入のメリットやトレーサビリティに関しては以下のコラムでも詳しくご説明していますので併せてご覧ください。
▶コラム:WMS導入のメリット
▶コラム:トレーサビリティとは?種類やシステム導入のメリット、鈴与のWMSをご紹介します

鈴与のWMS Suzuyo Cargo Master

入荷から配送までを一元管理する鈴与独自の倉庫管理システム「Suzuyo Cargo Master」は、正確で迅速な物流サービスを実現するための基本機能と、お客さまの営業支援・コストダウンに役立つ情報提供の機能を持ち合わせています。
ロットや賞味期限などの細かいステータス管理や複数拠点に分散した製品の管理にも対応しており、お客さまのご要望に応じて独自の機能を設計・開発することも可能です。

在庫の回転率を可視化する機能や、リアルタイムで在庫数量を把握できる仕組み、商品ごとの発注点を設定しておくことで一定の物量を下回ったタイミングでお客さまにお知らせする発注点管理など、効率的な管理をすることができます。

また、鈴与のWMSはさまざまな基幹システムや受発注システム(WEBオーダーシステム)と連携実績があります。
WMSと連動した受発注システム(WEBオーダーシステム)をご利用頂くことで、商品管理や受注管理をWEB上で一括管理して、販売情報とリンクした自動発注機能や商品や納品先に合わせて発注制御を行うこともできます。

自社開発のシステムにつき、お客さまのご要望に合わせて柔軟にご対応させていただきます。
在庫数や商品の種類が多く、在庫管理に課題をお持ちのお客さまは、在庫管理システムで効率的な適正在庫の維持を目指してみてはいかがでしょうか。
鈴与の物流サービスにご興味のある方は下記お問い合わせフォームからお気軽にご相談ください。
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