2023.11.16
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トレーサビリティとは?種類やシステム導入のメリット、鈴与のWMSをご紹介します

トレーサビリティという言葉をよく耳にすると思いますが、言葉の意味を正しく理解できていますか?
食品や化粧品、医薬部外品をはじめ、さまざまな業界で製品の品質向上や安全性確保の観点から、トレーサビリティを徹底する動きが高まっています。今回はトレーサビリティの定義やシステム導入のメリット、物流情報を一元管理する鈴与のWMSについてご紹介します。
▶資料:化粧品物流アウトソーシングにおける5つのポイント
トレーサビリティとは
トレーサビリティとはtrace(追跡)とability(可能)からなる造語で、製品の生産・製造から消費・廃棄されるまでの過程を追跡可能な状態にしておくことを言います。
物流においては、製品の調達・製造から製品がお客さまに届くまでの工程において、いつ・どこで・だれが・何を製造・出荷したかを追跡できることを意味します。販売する製品だけでなく、その製品を構成している部品や原材料も情報追跡の対象として考えられています。
国内でトレーサビリティが注目を集めたのは2001年に発生した牛肉のトレーサビリティ問題がきっかけです。日本で初めて牛海綿状脳症(BSE)が確認され、国内で安全に食べられる牛肉かどうかを証明するために、2003年に牛トレーサビリティ法が成立しました。現在日本で育てられている牛は、輸入牛も含めて1体ずつ個体識別番号が付けられ、記録やそのデータの保存方法について厳しく規定されています。
トレーサビリティの種類
トレーサビリティには、チェーントレーサビリティと内部トレーサビリティの2つの種類があります。
チェーントレーサビリティとは、原材料・部品の調達から生産、販売までに至るまでの複数工程で、その製品がどのように動いたのか追跡できる状態にすることを言います。一般的にトレーサビリティと表現される場合は、この意味を指しています。 チェーントレーサビリティを徹底することで、生産者や販売業者は製造した製品がどこに届いたか確認できます。消費者は、手元に届いた製品がどこで・どのように生産されたかを把握できるようになります。チェーントレーサビリティは複数行程に渡って追跡するため、各工程に関係する複数の企業間で連携が必要です。
一方、内部トレーサビリティは、企業内や工場内といった特定の範囲内に限定して製品や部品の動きを追跡できる状態にすることを言います。 自動車部品のような、より精密な製品に対して重要となるトレーサビリティで、それぞれの部品がどこから調達されたのか、どのように組み立てられたのか、完成した後の検査結果はどうだったか、どこに出荷されたのか、などを把握できるようにします。 内部トレーサビリティは自社で全て完結できるため、徹底しやすいという特徴を持ちます。
トレーサビリティシステム導入のメリット
トレーサビリティシステムを導入することのメリットとして大きく以下の3つが考えられます。
(1) トラブル時の被害を最小限にできる
トレーサビリティシステム導入の最大のメリットは、万が一製品不備などのトラブルが発生しても早急に対応でき、被害を最小限に抑えられることです。例えば製品の出荷後に製造段階での不備が見つかった場合、トレーサビリティシステムが導入されていないと流通している製品を全て回収しなくてはいけません。一方、トレーサビリティシステムが導入されていれば、不備があった製造ロットがどの納品先に渡っているか素早く特定でき、該当の製造ロットのみをスムーズに回収できます。また製品の転売が発覚した際の、転売元特定にも有効です。特に食品、医療機器、医薬品、化粧品などは、人体に関わる商材のため素早い対応が求められ、お客さまへの危害を最小限にするためのリスク管理として、トレーサビリティシステムはとても重要です。
(2) 製造や出荷不備の原因究明ができる
製造や出荷工程での不備があった際、トレーサビリティシステムによって責任の所在を特定しやすく、原因の究明や改善に繋げることができます。
不具合が発生した日や場所が分かれば、より詳細に原因を究明でき、品質改善にも繋げやすくなるでしょう。収集・蓄積したデータを分析することで、トラブル発生時の傾向把握や改善策を考えやすくなるのもトレーサビリティを徹底するのメリットの一つです。
(3) 顧客からの信頼を得られる
消費者が製品を購入する際は、製品が何よりも安心で安全であることを重視します。トレーサビリティの徹底によって、リスク管理の在り方を明確にでき、製品の品質を保証するための取り組みをアピールできれば、自社の信頼獲得にも繋がります。昨今では製品の安全性や透明性への関心は高まっているため、トレーサビリティの徹底は今後も企業の社会的な信頼に大きく寄与していくでしょう。
鈴与のWMSで物流情報を一元管理
物流におけるトレーサビリティでは、製品や部材の入荷情報、在庫情報、納品先への出荷情報をいつでも追跡できるようにすることが重要です。
鈴与はグループ独自で開発したWMSの「Suzuyo Cargo Master」により、製造ロットや賞味期限、シリアルナンバーなど、さまざまな在庫の属性情報を正確に管理することが可能です。納品先ごとに出荷した製品の情報も過去に遡って確認できるため、万が一トラブルがあった際にもスピーディに対応できます。
より厳密な在庫管理が求められる化粧品や食品、医療機器などの商材も安心してお任せいただけます。
<鈴与のカーゴマスターの特徴>
・製造ロット、賞味期限、シリアルナンバーなど在庫の属性情報を管理
・出荷した製品情報(製品番号、製造ロット、賞味期限など)を納品先ごとに確認、追跡
・転売発生時に販売元を特定するシリアルトレースにも対応
・拠点間在庫移動にも対応、複数拠点も一括で管理
・多様な販路に対応するBtoB、BtoCの在庫一元管理
・インボイスやパッキングリストなどの輸出帳票も自動で作成
・お客さまの基幹システムやEC・通販サイトに合わせた柔軟な連携
WMSについてはこちらのコラムでも詳しくご説明しています。
▶コラム:今の在庫管理で大丈夫?EC・通販物流におけるWMS導入のメリットをご紹介!
化粧品物流サービスやEC・通販物流サービスでは、製造ロット、使用期限、シリアルナンバーなどの在庫管理や、システム連携についてもご紹介しています。詳しいサービスを知りたい方はサービスページをご覧ください!
これまで1,000社以上の物流センター運営で実装してきた多数の機能を標準として備え、お客さまの物流をサポートします。
このほかに、WMSで管理している倉庫の在庫状況や入出荷状況をお客様側でリアルタイムに確認できる在庫情報提供Webシステム(SIIS)もご提供しています。 トレーサビリティの強化や在庫管理に課題をお持ちの方は、ぜひ一度鈴与にご相談ください。
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