2023.12.21
- 3PL基礎知識
物流センターとは?DC、TCの違い、役割や機能について解説します

現在の物流センターの役割は商品の保管だけではありません。流通加工作業に代表されるように、求められる業務の幅が広がっています。
物流において重要な役割を担う物流センターの役割や、DCやTCといった物流センターの種類について解説します。
▶資料:物流アウトソーシングの手引き
▶資料:物流コスト見直し・適正化の方法
物流センターの役割とは?
物流とは、商品が生産者から消費者に届くまでの一連の流れをいいます。
物流センターとは、物流のうち、入庫から保管、流通加工などを経て出庫までの工程を取り扱う施設です。
かつては保管が倉庫の主な役割でしたが、現在では効率的な在庫管理や商品管理、流通加工作業など多岐にわたるサービスを担っています。
「倉庫」と「物流センター」の使い分けについては、商品の保管がメインで、入庫時と出庫時の荷姿がほとんど同じ場合は、物流センターと区別して倉庫と呼んでいます。
物流センターでの業務
1章でもご説明したように物流センターでの業務は、ただ商品を保管するだけではありません。入庫に始まり検品、流通加工などを経てピッキング、仕分け、梱包、出庫といったさまざまな作業があります。
本章では各業務の内容をご説明します。
(1) 入庫・検品
入庫した商品の品番やロット、数量が入庫予定データ通りか、ダメージがないかを確認します。
また、その際に、バラで入荷したものを積み替えたり、管理のためにラベルを貼付したりなどの付帯作業が発生する場合もあります。
(2) 保管
入庫した商品を出荷まで施設内で保管します。物流センター内は棚やラックごとにロケーションが振られており、入荷した商品を格納する際にはどの商品をどのロケーションに格納したのかを記録します。鈴与では入庫データの受理も含めWMS(倉庫管理システム)で管理しています。
また、商品によっては温湿度管理が必要なものもあります。施設が条件を満たしているか確認することが重要です。
WMSについては以下のコラムでも詳しくご紹介しています。
▶コラム:今の在庫管理で大丈夫?EC・通販物流におけるWMS導入のメリットをご紹介!
(3) ピッキング
荷主からの帳票や出荷指示書に従って、保管していた商品を取り出すことです。
アナログな手書き在庫引き当てもまだまだ多いですが、ハンディターミナルなどデジタル機器を使用したピッキングも浸透しつつあります。効率の良いピッキングを行うには、倉庫内の導線作りや在庫が引き当たる順番を制御することも重要です。
(4) 流通加工
流通加工の種類はさまざまで、ラベル・値札貼りやセット組み、ギフト用ラッピングなどがあります。
また、市場出荷判定前の化粧品の流通加工作業にはライセンスが必要です。
物流会社によって対応できる流通加工作業の範囲は異なるため、自社の物流を3PL業者などにアウトソーシングする際は、希望する業務に対応してくれるか確認することが大切です。
▶コラム:化粧品の販売に必要な流通加工作業とは?必要となるライセンスについても解説します!
(5) 検品
商品を梱包、出荷する前にピッキングされた商品が出荷指示のデータと合致しているかを確認します。
検品が正しく行われないと、誤出荷に繋がるので、検品は物流品質を担保する重要な業務だと言えます。現在は検品作業もデジタル化されており、バーコードを読み取るだけで検品ができるなど業務が大幅に効率化されています。
(6) 梱包
ピッキングされた商品を送り先ごとに仕分け、必要に応じて緩衝材などを使用しながら梱包します。EC・通販での個人向け出荷の場合は、梱包する際にチラシなどの販促物を同梱する場合もあります。
(7) 出庫
検品、梱包された商品を集荷日、地域、運送会社ごとに仕分けて出荷します。
物流センターの種類
現在の物流センターは多様な業務を行っているため、その機能によってTC、DC、PDC、FCの4つの種類に分けることができます。
(1) TC (トランスファーセンター)
TCはTransfer Centerの略で、「通過型センター」とも呼ばれます。
保管はせず、物流の中間地点として仕分けや積み替えだけを行う施設です。入荷後に検品や開梱を行わず、積み替えだけをするものを「クロスドッキング」と呼びます。
まとめて仕分けをすれば、配送トラックの手配を最小限にできるのがTCを使うメリットです。保管をしないため、物流倉庫の大部分を占める保管スペースが不要で、保管コストが抑えられるのが特徴です。
一方で保管設備がないため、入出荷に関する正確な情報が必要なことや入庫から出荷までスピードが必要なこと、商品に過不足や不備があった場合は予定通りに出荷できないことなどがデメリットです。
TCは大手量販店やコンビニエンスストアの物流センターなどで利用されています。
(2) DC (ディストリビューションセンター)
DCはDistribution Centerの略で、「在庫型センター」とも呼ばれます。一般的に物流センターという場合、このDCを指すことが多いです。
こまめな入出庫により、商品を倉庫内にストックして小売店やユーザーに出荷します。小売業・卸売業・製造業で多く利用されています。 ラベル貼りや詰め合わせ、ギフト包装などの流通加工作業も行います。
DCのメリットは、商品がストックされているため、急な発注や大口出荷に対しても既存の在庫である程度カバーできるという点です。一方デメリットとしては、在庫が余ってしまうリスクがあることや十分なスペースが必要なため初期投資の負担が大きいことが挙げられます。
適正在庫を維持するポイントでは以下のコラムでご説明しています。
▶コラム:適正在庫とは?計算方法と適正在庫を維持する3つのポイント
(3) PDC (プロセスディストリビューションセンター)
PDCはProcess Distribution Centerの略で、「流通加工・在庫型センター」と呼ばれます。
DCに流通加工作業を加えたものですが、ラベル貼りや詰め合わせなどの簡易的な流通加工だけではなく、専門的な加工も行う点がPDCの特徴です。例えば、肉や魚のカット、パック詰めなどといった生鮮食品の加工や機械の組み立てなどが挙げられます。
イメージとしては「DC+工場」 に近いものです。
(4) FC (プロセスディストリビューションセンター)
FCはFullfillment Centerの略で、EC・通販に特化した物流センターを指します。受注管理、顧客データ管理、発送業務、返品、お問い合わせやクレーム対応、決済処理までEC・通販業務のすべてをセンター内で完結できる点が特徴です。
立地による物流センターの分類
物流センターは、その立地がリードタイムに影響を与え、サービスやコストの優位性も変わることから、
■生産地/製造場所に近い場合を「生産立地型」
■消費者の場所に近い場合を「消費立地型」
と分類されることもあります。
鈴与では、お客さまの商材、販路にあった物流センター運営しており、お客さまの物流データを分析し、全国約140ヶ所の物流センターの中から最適な立地での物流センターをご提案しています。
▶コラム:物流コスト削減のヒントは拠点立地の見直しにあり?!
鈴与の3PLサービス
鈴与はお客さまの商材や課題に合わせて物流サービスを提供しています。
雑貨や自動車部品に加え、より精度の高い管理が求められる化粧品や医療機器、ワインなどの商材に特化した3PLサービスを展開しています。最後に鈴与の3PLサービスの特長をご説明します。
(1) 豊富なDC倉庫運営実績
1,000社以上のお客さまとの取引実績があり、全国約140拠点でさまざまな商材のDC倉庫を運営しています。BtoB向けのみならず、EC・通販物流も同一拠点で対応できますので、販路の拡大も柔軟にサポートします。
作業手順書やマニュアルを用いて作業スタッフへ教育を行うことで、出荷精度の向上に繋げ、高品質な物流サービスを提供しています。
商材ごとのサービスの特長はサービスページをご覧ください。
(2) さまざまな流通加工への対応
商品のセット組みやラベリング、ラッピングなどお客さまのニーズに合わせた流通加工作業に柔軟に対応します。入出荷、保管だけでなく流通加工作業も一貫してお任せいただけるので、物流管理コストやリードタイム削減に貢献いたします。
医療機器や化粧品の製造業ライセンスを取得している倉庫もありますので、医療機器や化粧品の流通加工作業もお気軽にご相談ください。
(3) 物流システム・機械の活用
鈴与はWMS(倉庫管理システム)を独自に開発し、WMSはさまざまな基幹システムやOMSと連携実績があり、物流データ授受の自動化や立ち上げまでの時間の短縮を実現しています。
在庫・入出荷状況管理システムもご提供しており、お客さまの専用画面から在庫状況をリアルタイムに確認することができます。
また、お客さまの課題に合わせて必要に応じてAMRやAGVといった機械の導入もご提案し、物流システムと合わせて効率よく物流センターを運営しています。
▶物流情報サービス事業
物流のアウトソーシングを検討されている方、物流業務に課題を感じている方はぜひ鈴与にご相談ください。
▶お問い合わせフォーム
サービスの詳細や物流お役立ち情報をまとめた資料を公開していますので、ご活用ください。
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