2025.11.04

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紙カルテ電子化で医療DXを加速~診療効率・BCP・地域連携を実現~

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こんにちは。「鈴与のデータソリューション」ライターチームです。今回は、医療DXを成功に導くカギとなる「紙カルテと電子カルテの連携」についてご紹介します。
鈴与の電子化支援サービスなら、過去の紙カルテを価値ある資産へと変え、安全で効率的な医療情報管理を実現できます。ぜひ、医療現場の未来を一緒に考えてみませんか?

1.はじめに

医療DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進において、電子カルテの導入は今や避けられない流れです。多くの医療機関では新しいシステムの導入やIT基盤の整備を進めています。しかし、DXを「システム刷新」に限定してしまうと、本質を見誤る危険があります。
なぜなら、
病院やクリニックには過去数十年にわたり膨大な紙カルテが存在し、それらは患者の診療履歴を支える極めて重要な医療資産だからです。
この紙カルテをどのように扱い、電子カルテの世界へ接続していくかが、医療DXの成功を左右する分岐点なのです。

2.紙カルテが持つ「資産価値」

医療現場では、紙カルテを「保管コスト」や「管理負担」として扱うケースが少なくありません。
しかし、視点を変えれば、それは次のような「医療の持続性を支える資産」としての価値を持ちます。

患者との信頼関係の履歴

診療記録は、患者と医師が築いてきた信頼の証であり、長期にわたる治療継続に不可欠です。

治療方針の判断材料

過去の診療データは、再発・合併症の予測や最適な治療方針の策定において欠かせない情報源です。

研究・教育への活用

紙カルテに蓄積された症例は、臨床研究や医療教育の基盤として次世代医療の発展に寄与します。

地域医療連携の強化

他院や診療所に情報を共有する際にも、過去のカルテ情報が統合されていれば連携の質とスピードが向上します。


紙カルテは「負担」ではなく「活用可能な資産」であることを再認識することが、医療DXの第一歩となります。

3.紙カルテを残したままでは生じるリスク

資産である一方で、紙のまま保管し続けることには以下のようなリスクが伴います。

①情報断絶のリスク

紙カルテと電子カルテが分断されたままでは診療情報が一元化されず、判断の遅れや情報不足によるリスクが高まります。

②管理負担の固定化

倉庫や院内保管庫に眠る紙カルテは検索・取り出しに時間と人件費を要し、運用コストが年々積み重なります。

③長期保存に伴う不確実性

災害・経年劣化・輸送時の紛失といったリスクにより、必要な時に情報を利用できなくなる可能性があります。特にBCP(事業継続計画)の観点からも、紙のままでは非常に脆弱です。

4.紙カルテ:電子化の実務的な効果

紙カルテを電子化することで、資産価値を保持しながら、次のような明確な効果を医療機関にもたらします。

①即時アクセス

電子化された記録は検索機能を通じて数秒で取り出せ、診療の迅速化を実現します。

②安全性の確保

クラウドや堅牢なデータセンターでの保管により、災害・盗難・劣化などのリスクを大幅に低減できます。

③業務効率化

医師や事務職員がカルテを探す時間を削減し、患者対応や診療に集中できる環境を整えます。

④連携の円滑化

電子カルテや地域医療連携システムと統合され、多職種・多施設で同時に情報活用が可能になります。

5.現場の声:紙のカルテや診療録の電子化が進まない理由とは

多くの病院やクリニックでは、紙カルテの保管スペースに頭を悩ませています。予算に余裕のある病院では電子化が進んでいる一方で、スキャニングを希望していても実施できない施設も少なくありません。
また、スキャン後にタイムスタンプ処理を行うことで原本の廃棄も可能ですが、院長や理事長の方針により、原本の保存を求める中小病院も多く存在します。そのため、電子化に踏み切れない施設が依然として多数を占めています。

6.鈴与の紙カルテ電子化支援サービス

鈴与株式会社では、医療機関が抱える紙カルテの課題に対し、ワンストップで解決する包括的なソリューションを提供しています。

文書スキャニング

高精度スキャナーでカルテを電子化することで、検索性向上・スペース削減ができます。

データ化・インデックス付与

電子カルテ連携を見据えた整備することで、業務効率化・診療支援ができます。

文書保管サービス

耐震・耐火施設で原本を安全に保管することで、災害対策・法令遵守ができます。

機密文書抹消サービス

融解処理による安全な廃棄することで、情報漏洩リスクの低減ができます。

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これらを組み合わせることで、医療機関の「紙カルテから電子カルテへの橋渡し」を実現します。さらに、カルテ台帳の作成や期日管理・棚卸対応など、運用面でも柔軟な支援が可能です。

7.これからの医療DXに必要な視点

真に意味のある医療DXとは、「新しいシステムを導入すること」ではなく、「過去の資産を未来の仕組みに接続すること」です。
電子化されたカルテは、診療の質を高めるだけでなく、地域医療連携や患者へのサービス向上、さらには医療研究や教育の基盤にも活かされます。つまり、医療DXのスタートラインは「過去の紙カルテをどう活用するか」という視点にこそあるのです。

8.まとめ

医療DXの最終的な目的は、患者に対して安心・安全で質の高い医療を提供することです。そのためには、紙カルテという歴史的資産を単なる負担とせず、未来につなげる取り組みが欠かせません。

鈴与の文書管理サービスでは、保管から必要に応じてカルテのオンデマンド対応をすることができ、 また1件ごとカルテ台帳を作成して、カルテの期日や廃棄等、適正に管理、棚卸もすることも可能です。
紙カルテを「負担から資産へ」と変換し、診療効率化・BCP対策・地域医療連携を支える基盤として、医療機関のDXを力強く後押しします。お気軽にご相談ください。

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