2022.10.20
- 医療機器物流
医療機器物流と3PL 3PLと医療機器物流の特徴について解説します!

"医療機器"の物流は、化粧品や医薬品と同様に、製造から販売、市場に流通させるまでのプロセスが薬機法で規制されています。医療機器物流を3PL事業者へ委託する事例も多いですが、他商材の物流とはどのような違いがあるのでしょうか?
▶資料:医療機器物流アウトソーシングの手引き
ページ目次
3PLとは
3PL(3rd Party Logistics:サードパーティ・ロジスティクス)は、さまざまな解釈がありますが、「荷主の既存の物流業者とは別の第三者である物流業者が、物流コンサルタント機能や物流情報システムの提供を通じ、物流の効率化・物流コスト削減など、荷主のサプライチェーンマネジメントを共通目標に、物流業務を一括して受託すること」を指しています。
3PL事業者とは、荷主の物流業務を包括して担当するサービス事業者のことであり、商品の保管や配送といった基本的な機能だけでなく、流通加工や受注業務の代行、情報管理といった付帯サービスの提供や、荷主企業の適切な拠点の立地や物流ネットワークの設計といった改善策を、荷主側の立場に立って提案し、物流の改善を行います。
3PL事業者は、アセット型=自社で倉庫や配送車輌両などの物流資産をもってサービスを提供する方式と、ノンアセット型=自社ではこれらの資産をもたず、外部の倉庫業者や運送業者を使って、サービスを提供する方式の二通りがあります。
医療機器の分野でも近年は経営資源の集中戦略として、自社の倉庫等で物流・製造業務を行うのではなく、外部の業者に委託するケースが多く、またその委託先として3PL事業者を活用する事例が増えています。
3PLに関してはコラムでも詳しくご説明しています!
▶コラム:3PLとは?
医療機器物流の特徴
医療機器物流は、他の商材の物流と比較して、以下の特徴があると言えます。
1.薬機法規制
医療機器は、薬機法の規制の対象となっており、「医療機器を業として日本に輸入もしくは製造販売しようとする場合、「医療機器製造販売業」の許可を取得し、製品に対して医療機器製造販売届・認証・承認を取得する必要がある」と定められています。
また、医療機器を"製造"する場所もどこでも良いというわけではなく、医療機器製造業登録がある場所である必要があります。
2.正確な在庫管理とトレーサビリティ管理
医療機器は、一般商品と異なり、ロット番号やシリアル番号、有効期限などの管理が必要です。
また、医療機器などの業態(製造業/販売業 等)の在庫で、どのようなステータスにあるのか(出荷判定前/後)を管理しなくてはならないという点も特徴です。
さらに、薬機法では、医療機器の安全性やリスク管理のために、トレーサビリティ管理が義務付けられています。医療機器製造販売業者は、市場出荷判定された製品について、どのロット/シリアルの製品がいつ、どこに出荷されたのかというトレーサビリティ管理が必須となります。
3.温度管理
医療機器の中には、温度管理が必要な製品があります。
温度帯の設定は医療機器ごとに異なりますので、その温度帯で管理ができる場所で製品を保管する必要があります。
物流倉庫を探す場合には、対象となる製品の管理温度帯を確認すること、また物流倉庫でどのように温度管理がされているのか確認すること、がポイントとなるでしょう。
鈴与の医療機器物流サービス
鈴与は「アセット型の3PL事業者」として、医療機器製造業のライセンスを持った倉庫・物流センターを運営しており、多くの医療機器メーカー様、医療機器製造販売業者様の医療機器物流業務を受託しています。
通常の物流業務だけでなく、医療機器の製造作業に関しても一貫してお任せいただけます。
薬機法を遵守した管理のもと、さまざまな製造作業を受託しており、取扱実績のある医療機器も多種多様です。
<製造作業一例>
・検品(外観検査、動作確認、など)
・化粧箱梱包
・法定表示ラベル発行、貼付
・添付文書封入
これまでの実績と経験から、お客さまの取扱製品や条件にあわせて、最適な医療機器物流サービスをご提案・ご提供いたします。
医療機器物流に関して課題やお悩みをお持ちの方は、ぜひ一度お問い合わせください。
▶お問い合わせフォーム
※参考:医療機器を流通させるまでに必要な業許可・ライセンス
・医療機器製造販売業
市場にある医療機器に対して最終的な責任を負う業者が取得するライセンス。医療機器の副作用情報、クレーム情報、 事故情報等を国内外か ら積極的に収集し、市販後の製品について安全管理を行う。
・医療機器製造業
主に医療機器を製造する業者が取得するライセンス。製造には、包装、表示、保管行為も含まれるので、例えば、市場出荷前の製品について保管のみ行う場合や、輸入された医療機器に対して必要な邦文表示を行う場合でも、その行為は製造とみなされる。
・医療機器販売/貸与業
医療機器を販売・授与・貸与する際に必要なライセンス。
取り扱う医療機器の分類により、許可や届出など必要なライセンスが異なります。
以下のコラムもぜひご参照ください!
▶コラム:医療機器アウトソーシング先選定のポイント
▶コラム:医療機器を輸入する際に押さえておきたいポイントを解説!
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