2023.07.12

  • 医療機器物流

医療機器を輸入する際に押さえておきたいポイントを解説!

医療機器のイメージ画像

医療機器は人の生命・健康に直接関わるものです。海外から医療機器を輸入して販売する場合は、その有効性と安全性が十分と認められ、効果がないもの、有害なものなどの不良品や模造品が国内に流通しないようにしなければならず、法律で規制がかけられています。
今回は医療機器の輸入において必要な手続きについてご紹介します。
▶資料:はじめて医療機器物流をアウトソーシングする方へ

医療機器輸入時の規制とは?

医療機器は「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(旧薬事法、以下薬機法)」の規制対象であり、同法の許可を受けなければ輸入できません。
日本では、この薬機法に基づいて、製造販売業の許可、製造業の登録、品目ごとの製造販売承認または認証、届出QMS適合性調査の審査を受ける必要があります。

QMS適合性調査とは
国の承認などが必要な医療機器などの審査を申請した際に、医薬品医療機器総合機構、登録認証機関(一部)により行われる調査。申請者及び製造所に対して、QMS省令に従った品質管理、製造管理体制で医療機器などの製造販売または製造が行われているのかが調査される。適合していると認められた場合は基準適合証が発行される。

医療機器輸入時に必要な手続きとは?

医療機器を輸入するにはさまざまな手続きが必要です。まず、「医療機器製造販売業許可」を得て、輸入後に保管を行い、市場に出荷する場合は「医療機器製造業登録」が必要です。
また、管理医療機器を販売する場合は「医療機器販売業の届出」、高度管理医療機器および特定保守管理医療機器を販売する場合は「医療機器販売業の許可」と言ったように、販売する医療機器の種類により必要な許可の種類が異なります。さらにアフターメンテナンスには「医療機器修理業許可」の取得が必要です。

通関に必要な「医療機器製造販売業許可」の取得

医療機器を輸入するには、まず、事業所(総括製造販売責任者の所在する事務所)の所在地を管轄する都道府県薬務主管課(都道府県知事)に対し、品質管理方法(QMS)ならびに製造販売後安全管理方法(GVP)が適切であること、総括製造販売責任者(常任雇用)の資格を証する書類などを提出します。
取り扱う医療機器のクラス分類(クラスIIV)に応じて、必要な許可の種類(第一種〜第三種)は以下の通り定められています。区分ごと、製造所ごとに許可の取得が必要です。

・クラスI (一般医療機器):第三種医療機器製造販売業許可または第二種医療機器製造販売業許可、第一種医療機器製造販売業許可
例)体外診断用機器鋼製小物(メス・ピンセットなど)医療ガーゼ、脱脂綿、X線増感紙

・クラスII (管理医療機器):第二種医療機器製造販売業許可または第一種医療機器製造販売業許可
例)眼科用内視鏡、気管支カテーテル、超音波血流計、歯科用金属

・クラスIII (高度管理医療機器):第一種医療機器製造販売業許可
例)中空糸型透析器、人工関節、麻酔用人工呼吸器、眼科用マイクロカテーテル

・クラスIV(高度管理医療機器) :第一種医療機器製造販売業許可
例)植込み型心臓ペースメーカ、冠動脈ステント、大動脈用ステントグラフト

市場出荷判定を受ける保管場所における「医療機器製造業」の登録

製造販売業許可とは別に、製造業許可の登録も事業所所在地を管轄する都道府県薬務主管課で行わなくてはいけません。このライセンスを登録するには人的要因の基準を満たす必要があります。
外国の製造所については、日本国内の製造所の製造業登録に該当する外国製造業者登録が必要で、外国製造所から直接日本へ市場出荷することはできません。日本国内の製造所に保管した後、医療機器製造販売業者または製造販売業者から委託を受けた国内の製造業者による、市場への出荷判定を受ける必要があります。

医療機器の販売に必要な「医療機器製造販売承認」の申請

医療機器は品目ごとに分かれているクラスの分類に応じて販売承認の手続きが必要です。

・クラス・・・認証、承認不要ですが、届出が必要となります。
・クラスⅡ・・・第三者認証(認証基準があるもの)の認証が必要となります。
・クラスIII・クラスIV・・・PMDA審査・厚生労働大臣の承認が必要となります。

鈴与の医療機器物流サービス

鈴与のパートナーであるディーマー・メディカル・ジャパン株式会社(以下、ディーマー・メディカル・ジャパン)は、第一種医療機器製造販売業の許可を保有しており、製造販売業者(MAH)・選任外国製造販売業者(DMAH)として、全ての医療機器を取り扱うことができます。
外国製造業者が日本国内で医療機器を輸入販売する際、日本に事業所がない場合は日本国内の製造販売業許可を所持する事業所を選任する必要があります。ディーマー・メディカル・ジャパンはDMAHとして、薬事申請の代行から、製造業者への製造指示、市場出荷判定といった業務を行います。
また、国内製造業者で、医療機器製造販売業をお持ちでないお客さま、医療機器製造販売業をお持ちであっても薬事対応の負荷を軽減したいお客さまの製造販売業(MAH)も代行します。
こちらのコラムも併せてご一読ください。
▶コラム:DMAH・MAHと連携した鈴与の新サービスをご紹介

鈴与は、全国6ヶ所に医療機器物流センターの拠点を持ち、医療機器製造業者・物流業者として、医療機器の検品・ラベル貼付・包装といった製造作業から、製品の保管、ディーラーや医療機関などのユーザーへの出荷・配送、といった物流サービスをご提供しております。▶医療機器製造業ライセンス取得倉庫はこちら

鈴与の国際輸送・輸出入サービス

医療機器の輸入手配からサポート

鈴与には、清水港から阪神港までをカバーする鈴与通関㈱と京浜港を中心に活動する鈴与東京通関㈱があり、両社ともAEO認定通関業者として、通関業務、海貨事業、航空貨物事業の3つの柱でお客さまの輸出入手配をサポートしております。
ディーマー・メディカル・ジャパンと鈴与が連携した、薬事申請から物流までのワンストップサービスをご利用いただくことで、医療機器の承認取得・輸入販売を実現することができます。
▶お問い合わせはこちらから

鈴与の国際輸送・輸出入サービスの特長

鈴与は世界有数の物流インテグレーターUPS社と戦略的パートナーとして提携しています。UPS社の世界140カ国以上の輸送ネットワークに加え、鈴与の13カ国22拠点の海外拠点による万全なサポートでグローバル一貫輸送の体制を構築しています。海上、航空、国際宅配便、トラック輸送などさまざまなサービスの中からお客さまのご要望に合わせて最適な輸送をご提案しています。
また、通関業者としての実績も100年を超えており、貿易手続きも含めてお客さまをサポートしています。

医療機器の薬事申請や輸入手配、製造、物流に関して課題やお悩みのある方は、ぜひ一度鈴与へご相談ください。
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