2023.07.28

  • 化粧品物流

輸入化粧品を販売するまでの流れとは?ライセンスや手続きについて解説します!

化粧品のイメージ画像

近年、韓国コスメやヨーロッパ製の化粧品など、外国製の化粧品の需要が高まっています。
今回は輸入化粧品を販売するまでの大まかな流れや化粧品を輸入する際に必要となるライセンスについてご説明します。
▶資料:化粧品物流アウトソーシングにおける5つのポイント

輸入化粧品の市場規模

輸入化粧品の規模は年々拡大しています。
2021年にはコロナ禍の影響で日本の化粧品市場規模が全体的に縮小したこともあり、化粧品の輸入額も一時減少しましたが、2022年には輸入額が過去最高を記録しています。

日本輸入化粧品協会がとりまとめた2022年1年間の輸入額 (ハミガキ、石けんなどを除く)は、3,3182,000万円と、前年比で20.5%の増加、コロナ禍前の2019年の輸入額2,8254,000万円も大きく上回っています。
輸入相手国を見ると、2019年はフランス、アメリカ、タイが上位3位を占めていましたが、2020年には、韓国からの輸入額が大きく増え、アメリカ、タイを抜いて2位となりました。
さらに、2022年も韓国からの輸入が好調で、フランスと入れ替わり、年間シェア1位となっています。

参考記事:
▶化粧品の輸出入|日本化粧品工業連合会
▶2022年1~12月の化粧品輸入実績、全美類が前年を上回る|国際商業ONLINE

化粧品の輸入・販売において必要なライセンスとは?

海外製の化粧品を日本で輸入・販売するために必要となるライセンスについて詳しくご説明します。
化粧品は、日本国内の法律で、医薬品医療機器等法(薬機法)の規制対象となっているため、化粧品の輸入・販売を行うためには、「化粧品製造販売業」と「化粧品製造業」のライセンスを取得する必要があります。これらのライセンスに基づく行為は他社に委託することも可能です。

(1) 化粧品製造販売業許可

化粧品の輸入、製造業者の管理、日本市場への市場出荷判定をするために必要な許可です。
化粧品製造販売業者が、市場で販売される上での製品に対する最終責任を負うため、自社で輸入販売する場合の他に、他社に製造を委託している場合についても、その品質を保証する責任があります。

(2) 化粧品製造業許可

化粧品を製造するために必要な許可です。輸入化粧品の場合、国内で製造するわけではありませんが、薬機法上は、国内での二次加工・包装・表示・保管行為も製造工程の一部と位置づけられているため、取り扱いには「化粧品製造業(一般区分/包装・表示・保管区分)」の許可が必要となります。

)
(1)
自社で化粧品を輸入し、自社で保管・加工作業して市場へ出荷する → 「化粧品製造販売業」「化粧品製造業」の両方のライセンスが必要

(2)
他社に化粧品の輸入を委託し、自社で保管・加工作業して市場へ出荷する → 「化粧品製造業」のライセンスが必要
*
市場出荷判定は化粧品製造販売業者が行う

(3)
自社で化粧品を輸入し、他社で保管・加工作業して市場へ出荷する → 「化粧品製造販売業」のライセンスが必要

コラム:化粧品の取り扱いに必要なライセンスとは?製造販売業、製造業について解説します!

化粧品を輸入する際に必要な手続き

化粧品を輸入するために化粧品製造販売業を取得した後は、輸入時までに以下の届出を行うことが必要となります。
ただし、法令の改正や各都道府県での対応が異なる場合もありますので、最新の情報については各専門機関や行政にお問合せください。

(1) 化粧品(外国製造販売業者・外国製造業者)届書
提出先:医薬品医療機器総合機構(PMDA
(海外の製造業者または、製造販売業者が日本に現地法人などを置かず直接販売する場合に限る)
海外と日本では化粧品配合成分の基準が異なることから、必要に応じて成分表の取り寄せや検査機関での成分検査などにより、効能の範囲や成分が日本の化粧品基準に適合しているか確認が必要となります。

(2) 化粧品製造販売届書
提出先:許可所在地の都道府県薬務所管課

(3) 化粧品製造販売業許可証の写し・化粧品製造販売届書の写し
提出先:税関(通関時)

輸入化粧品を国内市場で販売するまでの流れ

1章でご説明したように、輸入化粧品の市場は堅調なため、新たに輸入化粧品の市場への参入をお考えの方もいるかもしれません。また、新たに輸入化粧品の担当者になったという方は、輸入から販売までの全体像を掴んでおくことが重要でしょう。
化粧品を海外から仕入れて国内で販売する場合の大まかな物流フローをご説明します。

(1) 輸入・通関

海外から輸入する際の手配全般を指します。具体的には、税関への輸入許可申請手続き、船や飛行機の輸送手配、国内倉庫までにドレージ手配などがあります。

(2) 受入検査

輸入された商品が、市場に出すための自社の規格を満たしているか、安全性・品質を確認する作業です。検査項目としては、商品のパッケージを目視で確認するダメージ検品、商品の色調や香りに異常がないかを確認する官能検査などがあります。

(3) 包装・表示などの流通加工作業

製品本体や化粧箱への日本語の法定表示ラベル貼付、商品の安全性を高めるための透明フィルム(シュリンクラップ)やOPP袋などでの包装、セット商品を販売用の箱や袋に複数の商品を詰め合わせるキッティング、アッセンブリなどの作業があります。▶コラム:化粧品の販売に必要な流通加工作業とは?

(4) 保管

製造所出荷判定が下りるまでの間の保管を指します。この保管は、通常の保管エリアとは区分けされた化粧品製造業ライセンスを取得している指定エリアでの保管が必要となります。

(5) 製造所出荷判定

包装・表示作業の記録や品質試験の記録などをもとに品質標準書通りに作られているかどうかを確認し、製品ごとに製造所出荷判定を行います。作成した製造所出荷判定記録は製造販売業者への提出が必要となります。

(6) 市場出荷判定

製造販売業者は、製造所出荷判定記録をもとに市場出荷判定を行います。市場で販売される上での製品に対する最終責任は製造販売業者が負うため、自社で輸入販売する場合のほかに、他社に製造を委託している場合についても、製造販売業者が市場出荷判定を行う必要があります。

(7) 国内市場への出荷

市場出荷判定が下りたら、店舗や小売店、一般消費者への出荷が可能になります。保管についても製造業許可エリアから搬出し、通常エリアでの保管を行うことができます。

上記の中でも、受入検査~製造所出荷判定までは化粧品製造業(包装・表示・保管)、市場出荷判定は化粧品製造販売業のライセンスが必要となります。
▶資料:鈴与の化粧品物流サービス紹介

輸入化粧品の物流をアウトソーシングするメリットとは?

このように、輸入化粧品を取り扱う際には、さまざまな手続きが必要です。また、日本販売向けに法定ラベル貼付や、輸入した後にセット組み作業が必要となるなど流通加工作業も必要になるケースが多くあります。
輸入化粧品に限らず、日本において化粧品は薬機法の規制対象となっており、取り扱いには十分な注意が必要です。

鈴与では、全国5カ所に化粧品製造業ライセンスを取得した倉庫があり、輸出入手配から在庫保管、入出荷対応までワンストップで対応が可能です。
▶化粧品製造業許可取得倉庫はこちら

ワンストップで対応することによる最大のメリットは、横持ち費用の削減と納品リードタイムの短縮です。
輸出入や流通加工作業などの機能を部分的にアウトソーシングしている場合は、倉庫を1カ所に集約することで無駄な横持ちを削減し、全体の物流コスト削減に繋げることができます。また窓口も一本化することができ、担当者の業務負荷も軽減されます。

鈴与では小売・卸・直営店など各販路の出荷対応はもちろんのこと、セット組みやラベル貼付、ラッピングなどの細かな作業も柔軟に対応可能です。各倉庫で化粧品の取り扱いに慣れた経験豊富なスタッフが対応しますので、品質についても安心してお任せいただけます。
これから化粧品を取り扱う予定がある事業者さま、化粧品の物流アウトソーシングをご検討されている事業者さまは、ぜひ一度お問い合わせください。
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▶資料:鈴与の化粧品物流サービス

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