2026.08.21
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CLOとは?物流統括管理者の定義と2026年4月の義務化ポイント

2026年4月から一定規模以上の荷主企業に「物流統括管理者(CLO)」の選任が義務化され、物流は"現場任せ"から"経営課題"として捉えることが求められています。
本記事では、CLOの定義や役割、求められる権限、従来の物流管理部門との違いを整理し、CLOを中心に物流改善を進めるためのポイントを解説します。物流2026年問題の背景や荷主企業に求められる対応については、以下のコラムで詳しく解説しています。
▶コラム:物流の2026年問題とは?改正物流効率化法と荷主の対応ポイント
ページ目次
CLO(物流統括管理者)とは
一般的にCLO(Chief Logistics Officer/物流統括管理者)は、物流を全社横断で統括し、サプライチェーン全体の最適化を経営レベルで推進する責任者を指します。
輸送・保管・荷役といった物流機能だけでなく、調達・生産・販売など物流に影響する業務も含めて全体を捉え、企業としての物流戦略を推進する役割を担います。
改正物流効率化法では、一定規模以上の荷主である「特定荷主」に対し、「物流統括管理者」の選任が義務付けられています。制度上の物流統括管理者は、事業運営上の重要な決定に参画する管理的地位にある者から選任することとされており、重要な経営判断を行う役員等の経営幹部から選任する必要があります。
なぜCLOの選任が必要なのか:物流2026年問題との関係
物流2026年問題では、輸送力不足や物流コストの上昇などへの対応に加え、荷主企業自身が物流効率化に向けた取り組みを進めることが求められています。しかし、物流に関する課題は、物流部門だけで解決できるものばかりではありません。出荷頻度や納品条件は営業・販売部門、発注ロットは調達部門、生産計画は製造部門、在庫配置や拠点戦略は経営判断など、さまざまな部門の意思決定が物流に影響します。
そのため、物流部門だけで現場の効率化を進めても、上流の業務や商慣行が変わらなければ、物流課題が繰り返し発生する可能性があります。
そこで重要になるのが、部門横断で物流に関する計画・実行・管理を統括するCLOです。CLOには、物流部門の改善を指示するだけでなく、必要に応じて営業・調達・生産などの関係部門と連携し、物流に影響する業務やルールそのものを見直す役割が期待されます。
改正物流関連法におけるCLOの位置づけ
改正物流関連法では、一定規模以上の荷主企業に対して、物流効率化に向けた取り組みやその実施状況の管理が求められています。
こうした取り組みを継続的に進めるためには、担当者を置くだけではなく、全社的な計画を策定し、KPIを設定し、実行状況を確認しながら必要な改善を進める体制が必要です。
CLOは、中長期計画の作成や、トラックドライバーの負荷低減などに向けた事業運営方針の作成・事業管理体制の整備などを統括します。
物流2026年問題の背景や、荷主企業に求められる具体的な対応については、以下のコラムで詳しく解説しています。
▶コラム:物流の2026年問題とは?改正物流効率化法と荷主の対応ポイント
CLO選任義務の対象となる特定荷主とは
制度上、CLOの選任義務は「特定荷主」に課されます。一定規模以上の荷主企業が対象となり、前年度の取扱貨物重量が一定基準以上の企業が対象として定められます。自社が対象となるかを確認する際には、どの拠点の出荷・入荷を対象とするのか、委託輸送や3PLを利用している場合の取り扱い量をどのように把握するのかなど、社内で集計方法を整理しておくことが重要です。
まずは自社の出荷・入荷実績や委託先の実績データの所在を確認し、必要な情報を継続的に把握できる状態を整えることが、制度対応の第一歩となります。
なお、制度上の対象外となる企業であっても、物流コストの上昇や輸送力不足、納品制約などへの対応を進めるうえで、CLOのような全社横断の物流管理機能を設けることには意義があります。
特定荷主に求められる対応
特定荷主には、CLOの選任に加えて、中長期計画の作成や定期報告などが義務付けられています。中長期計画では、物流効率化に向けた取り組みを定め、その実施状況を継続的に管理することが求められます。
また、物流効率化に向けた取り組みを実効性のあるものにするためには、荷待ち・荷役時間や積載状況など、自社の物流実態を把握し、KPIを設定して進捗を管理することが重要です。
こうした計画の策定・実行・管理を統括することが、CLOの重要な役割となります。
重要なのは、計画を作成して終わりにせず、KPIを定期的に確認し、実績と計画の差異を分析して必要な改善を行うことです。CLOを中心に、計画・実行・評価・改善のサイクルを継続的に回すことが、制度対応を実効性のある物流改革につなげるポイントとなります。
CLOの役割と責任範囲
CLOは物流部門の延長ではなく、調達・生産・販売・経営をまたいで物流に関する意思決定を促し、社内外の関係者と連携しながら物流全体の最適化を推進する役割を担います。
物流をコストだけで捉えるのではなく、輸送力や在庫、納期、サービス品質、BCP、CO2削減などを含めた経営課題として捉え、企業としての優先順位を決めることがCLOの重要な役割です。
CLOが管理すべき主な領域
CLOが管理する領域は、輸配送や倉庫などの物流現場だけに限りません。物流に影響する社内の業務や取引先との関係まで含め、全体を俯瞰して改善を進める必要があります。
主な管理領域として、以下が挙げられます。
・物流コスト:輸送費、保管費、荷役費などの把握・適正化
・輸送力・積載率:車両や輸送手段を効率的に活用するための改善
・荷待ち・荷役時間:ドライバーの拘束時間を削減するための業務改善
・在庫・拠点配置:需要や輸送効率を踏まえた在庫・物流拠点の最適化
・納品・出荷条件:納品時間、出荷頻度、発注ロットなどの見直し
・物流KPI :物流効率化の進捗を継続的に把握するための指標管理
・物流パートナーとの連携:運送会社、倉庫会社、3PLなどとの協働
・BCP・環境対応:災害や供給制約への備え、CO2削減などへの対応
重要なのは、これらを個別に管理するのではなく、相互の関係を踏まえて全体最適を図ることです。例えば、配送効率だけを優先して拠点を集約すると、納品リードタイムや在庫リスクに影響する可能性があります。CLOには、こうしたトレードオフを踏まえ、企業として目指す状態を判断する役割が求められます。
CLOが担う具体的な実務内容
CLOが最初に行うべきことは、自社の物流の現状を把握することです。
物流費の内訳が輸送・保管・荷役・付帯作業・梱包のどこで増えているのか、拠点と在庫配置が需要に合っているか、輸送ルートや便編成が合理的か、荷待ち・荷役がどこで発生しているか、納品条件や契約条件が現場負担を増やしていないかなどを棚卸しします。
次に、把握した課題を定量化し、改善の優先順位を決めます。改善テーマは多岐にわたるため、物流コストや輸送力への影響、法対応の優先度、実現可能性などを踏まえて、取り組むべきテーマを整理することが重要です。
その上で、中長期計画や具体的な改善施策を策定し、調達・生産・販売などの関係部門と合意形成を進めます。物流現場だけでは変えられない出荷頻度や納品条件、発注ロットなどについても、必要に応じて見直しを行います。
さらに、運送会社や倉庫会社、3PLなどの外部パートナーとも連携し、改善施策を実行します。要求事項や役割分担を明確にし、定例会議などを通じて実績と課題を共有しながら改善を進めることが重要です。
CLOに求められる権限と外部との連携
CLOが物流改善の成果を出すには、物流部門内の改善権限だけでなく、物流に影響する販売・調達・生産などの意思決定にも関与できる体制が必要です。
なぜ物流部門だけでは2026年問題を解決できないのか
物流の非効率は、物流現場だけで発生しているとは限りません。例えば、営業部門が短納期や時間指定を設定すれば配送の効率が下がる可能性があり、調達部門が小口・多頻度で発注すれば配送回数が増加します。また、生産計画によって出荷が特定の曜日や時間帯に集中すれば、車両や倉庫の負荷が高まります。
このように、物流はさまざまな部門の意思決定によって左右されます。
・営業・販売:納期、時間指定、特売などによる出荷・納品条件
・調達:発注ロット、発注頻度、納入条件
・生産:生産計画、出荷タイミング、工場の稼働状況
・経営:拠点配置、在庫政策、サービスレベル
・物流:輸送手段、配車、倉庫運用、物流パートナーの管理
そのため、物流部門だけで「配送効率を上げる」「荷待ちを減らす」といった改善を進めても、物流に影響する上流の条件が変わらなければ、根本的な改善につながらない場合があります。
CLOには、物流への影響を踏まえ、必要な業務やルールの見直しを部門横断で進める役割が求められます。
CLOに求められる権限
CLOが実際に改善を進めるためには、役割だけでなく、意思決定に関与できる権限を明確にしておくことが重要です。
実務上は、CLOの役割を「計画責任」「KPI責任」「実行推進責任」などに整理し、どの事項についてCLOが判断・調整を行うのかを明確にすると、組織として動きやすくなります。
例えば、経営直轄の物流改善委員会などを設け、調達・生産・販売・経理・情報システムなどの関係部門を参加させ、CLOが物流に関する課題や改善施策を横断的に協議できる体制を整える方法があります。
重要なのは、現場の努力によって非効率を吸収することを前提とせず、必要な場合には、出荷条件や納品ルールなどの業務そのものを見直せる仕組みを整えることです。
外部パートナーとの連携もCLOの重要なポイント
CLOが関与すべき範囲は社内だけではありません。運送会社、倉庫会社、3PLなどの外部パートナーと連携し、物流全体を改善することも重要です。
単にコスト削減を求めるのではなく、必要なサービス水準や役割分担、改善目標を共有し、荷主と物流パートナーが協働できる関係を構築することが、継続的な物流改善につながります。
CLOと従来の物流管理部門との違い
| 比較項目 | 従来の物流管理 | CLO |
| 視点 | 現場最適 | 全社最適 |
| 対象 | 配車・倉庫など | 調達・生産・販売なども含む |
| 主な役割 | 安定運用 | 物流戦略・改善の統括 |
| 関係者 | 主に物流部門 |
全社+外部パートナー |
| 時間軸 | 日々の運用 | 中長期的な改善 |
従来の物流管理部門は、日々の出荷を止めないことを最優先に、配車、庫内作業、委託費の管理などオペレーションの安定運用を担ってきました。この役割自体は重要ですが、前提条件が厳しくなるほど、現場は火消しに追われ、根本原因に手が回りにくくなります。
CLOは、現場の安定運用を支えつつ、そもそも火消しが起きにくい仕組みへ設計変更する役割です。対象は物流現場に限らず、販売の納品条件、調達の発注パターン、生産計画、拠点配置、情報連携基盤まで広がります。
2026年問題への対応を支援する鈴与の物流ソリューション
CLOが物流改革を進めるためには、自社の物流課題を把握したうえで、輸送方法や物流ネットワーク、拠点配置などを見直し、具体的な改善につなげていくことが重要です。鈴与では、輸送力不足や物流コスト上昇などの課題に対し、国内輸送、モーダルシフト、倉庫、共同配送など多様な物流ソリューションを提供しています。
中継輸送による長距離輸送の効率化
中継輸送は、輸送行程を複数のドライバーで分担し、中継地点でトレーラーシャーシを交換することで、ドライバーの長時間運行を抑制する輸送方法です。長距離輸送におけるドライバーの負担軽減や輸送力確保に有効な手段の一つであり、2026年問題への対応策として注目されています。鈴与では全国の中継拠点を活用し、長距離輸送の効率化を支援しています。
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フェリー輸送・内航船によるモーダルシフト
長距離輸送では、トラック輸送の一部をフェリーや内航船などに切り替えるモーダルシフトも有効な選択肢です。
鈴与では、北海道から九州まで全国の航路に対応したフェリー輸送サービスを提供しています。また、鉄道やフェリーでの輸送が難しい危険物・再生資源・バラ貨物などには、内航コンテナ船を活用した「はこ廻船サービス」も提供しています。
輸送距離や貨物特性に応じて輸送モードを組み合わせることで、輸送力の確保やBCP、環境負荷低減など、複数の課題への対応につなげることができます。
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共同配送による輸送効率化
共同配送は、複数の荷主の貨物をまとめて配送することで、車両や輸送スペースを効率的に活用する方法です。特に、同一エリアへの配送や、複数の荷主が同じ納品先へ配送しているケースでは、共同配送による車両台数の削減や積載効率の向上が期待できます。
鈴与では、食品や雑貨などの共同配送サービスを提供しており、荷主企業の物流条件に応じた効率化を支援しています。
サブデポ・VMIセンターによる物流ネットワークの見直し
遠隔地への多頻度・小ロット配送が課題となっている場合、納品先の近くにサブデポやVMIセンターを設ける方法もあります。
物流拠点までトレーラーなどでまとめて輸送し、そこから各納品先へ小ロットで配送することで、長距離輸送の効率化と納品リードタイムの短縮を図ることができます。鈴与では、お客さまの物流量や納品条件、拠点配置などを踏まえ、サブデポ・VMIセンターを活用した物流ネットワークの見直しを提案しています。
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CLOに求められるのは、制度への対応だけでなく、自社の物流課題を把握し、輸送方法や物流ネットワーク、拠点配置などを含めて継続的に改善していくことです。鈴与では、国内輸送、モーダルシフト、倉庫、共同配送など、さまざまな物流サービスを組み合わせ、お客さまの物流課題に応じたソリューションをご提案します。
2026年問題への対応や、物流体制の見直しをご検討の際は、ぜひ鈴与へご相談ください。
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