2025.05.27
- フェリー輸送サービス
- 環境配慮輸送
- 食品配送サービス
物流のCO2排出量削減に取り組む5つの方法と鈴与の改善策
SDGsの達成やESG経営において欠かせないのが、物流部門におけるCO₂排出量の削減です。しかし、「具体的に何から取り組めばよいのか分からない」とお悩みではありませんか?
本コラムでは、最適なコストを維持しながらCO2排出量削減を実現する鈴与の物流ソリューションをご紹介します。
関連資料も公開していますので、ぜひ無料ダウンロードしてご覧ください!
▶資料:環境配慮輸送とは?
物流業界に求められるCO2排出量削減の取り組みと課題
物流業界におけるCO2排出量の削減は、企業のサステナビリティ戦略において重要な課題となっています。2023年度の日本のCO2排出量は約9億8,900万トンで、そのうち運輸部門からの排出量は約1億9,014万トンと全体の19.2%を占めています。特に貨物自動車からの排出は運輸部門の38.3%、日本全体の7.4%に相当し、物流業界の環境負荷の大きさが分かります。
さらに、日本政府は2030年までに運輸部門のCO2排出量を2013年度比で35%削減する目標を掲げており、目標の達成に向けてより一層の取り組みが求められています。
このような背景から、物流業界ではモーダルシフトの推進や輸送効率の向上など、具体的なCO2排出量削減策の導入が急務となっています。▶参考:国土交通省の地球温暖化対策【概要】 運輸部門における二酸化炭素排出量|国土交通省 ▶参考:令和4年版 国土交通白書2024|国土交通省
CO2排出量を削減する物流の最適化策
物流業界のCO2排出量削減には、物流コストと環境負荷のバランスを考慮しながら、実効性のある対策を講じることが求められます。具体的には以下のような取り組みが挙げられます。
(1)輸送手段の見直し
鉄道輸送や陸上輸送からフェリー輸送へのモーダルシフトなど、環境負荷の低い輸送手段への切り替えを進めることで、CO2排出量の削減を図ることができます。フェリー輸送は大量の貨物を一度にまとめて輸送できるため車両台数を削減でき、さらに比較的燃費効率も良いため、陸上輸送から切り替えた場合、40~75%のCO2排出量の削減効果が期待できます。
(2)輸送ルート最適化
運行計画を見直し空車回送を減らすことで無駄な走行を削減し、効率的な輸送を実現することができます。これにより走行距離を短縮し、CO2排出量の抑制に繋がります。こうした取り組みは、運送会社が保有する輸送ネットワークやノウハウを活用することで実現しやすいため、自社での対応が難しい場合は委託の検討も有効な手段です。
(3)共同配送
複数の荷主の商品を1台のトラックでまとめて配送することで、車両台数を削減し、CO2排出量の削減を図る輸送形態です。従来は各社が個別に輸送していた荷物を集約することで、走行距離やCO2排出量の削減を抑えることができます。共同配送は、積載効率を高めることで輸送コストの削減にも繋がる取り組みです。
(4)コンテナ回送の最適化
輸入貨物の荷下ろし後、空のコンテナを港に戻す前に、近隣の輸出荷主の貨物を積み込む「コンテナラウンドユース」を活用することで、無駄な走行を減らしCO2排出量の抑制が可能です。
従来は空コンテナの回送が必要だった区間で新たな積み荷を確保できれば、輸送効率を高めつつCO2排出量も削減できます。
コンテナラウンドユースについては以下のページでもご紹介しています。
▶コラム:コンテナラウンドユースのメリットとは? 輸出入のコンテナ輸送を扱う方必見です!
(5)VMIセンター導入による輸送最適化
遠隔地への小ロット配送を効率化するために、納品先近隣にベンダー(供給業者)が在庫を管理・補充する VMI(Vendor Managed Inventory)センターを設置し、大ロットで集約輸送を行う手法です。例えば、工場からVMIセンターまでは大型トラックでまとめて輸送し、そこから各納品先へ小ロット配送を行うことで、路線便と比較して約30%のCO2排出量削減が可能になります。
これらの施策は、それぞれ単独でも効果がありますが、複合的に取り組むことでさらなる削減効果が期待できます。物流業界全体で、こうした具体策の導入を進めていくことが重要です。
CO2排出量削減を実現する鈴与の物流ソリューション
2章でご紹介した物流の最適化策は、多くの企業がCO2排出量削減に向けて取り組む上で有効な手段です。
鈴与では、 お客さまの物流のおけるCO2排出量削減のため、複数の物流ソリューションを提供しています。
(1)フェリー輸送サービス
鈴与のフェリー輸送サービスは、日本全国の航路に対応しており、保有シャーシ本数は約1,400本、年間輸送取扱実績は約70,000本と、業界トップクラスを誇っています。フェリーを活用した海上輸送へのモーダルシフトを積極的に推進しており、令和5年度の「エコシップマーク」にも認定されています。この認定を受けるのは今回で10回連続です。
現在、鉄道輸送や陸上輸送をお取り扱いのお客さまでCO2排出量削減をご検討の方はぜひ鈴与にご相談ください。
フェリー輸送サービスについては以下のサービスページでも詳しくご紹介しています。
▶フェリー輸送サービスページ
(2)CO2排出量シミュレーション
鈴与は輸送におけるCO2排出量を「見える化」し、お客さまと共に綿密なシミュレーションを行い、最適かつ将来にわたり持続可能な輸送ネットワークを構築しています。
昨年リリースしたCO2排出量シミュレーションシステムではCO2排出量を簡単に算出できます。
お客さまの物流にかかるCO2排出量を的確に把握し、輸送モードの選択や輸送効率の改善をご提案しています。
▶CO2排出量シミュレーションシステム
(3)食品配送サービス
鈴与の食品サービスは加工食品を専門に取り扱っており、関東1都6県、静岡県、中京エリアをカバーする配送ネットワークに対応、さらに約40年にわたる実績により、多様な納品条件にも柔軟に対応しています。複数荷主の商品をまとめて輸送することにより、各荷主が個別で車両を手配することと比較して車両台数の削減と積載率を向上させ、CO2排出量の削減に繋がっています。
食品配送サービスが解決できる課題や導入事例については以下のページで詳しくご紹介しています。
▶食品配送サービスページ
(4)コンテナラウンドユースサービス
鈴与は、栃木県宇都宮市に位置するインランドコンテナデポにて、コンテナラウンドユースサービスを提供しています。宇都宮のデポを中継拠点として活用することで、輸送距離と使用車両台数の削減を図っています。
鈴与は異業種荷主さまとの共同連携輸送による宇都宮のインランドコンテナデポ⇔東京港間のコンテナラウンドユースの実施により、年間133.6t CO2、約45%の削減を実現しました。この取り組みは「令和4年度 グリーン物流パートナーシップ優良事業者表彰」にて、国土交通省局長級表彰である強靱・持続可能表彰を共同受賞しました。
以下のコラムではコンテナラウンドユースを利用するメリットや鈴与の宇都宮ICDの強みについて詳しくご説明しています。
▶コンテナラウンドユースのメリットとは? 輸出入のコンテナ輸送を扱う方必見です!
(5)サブデポサービス
「サブデポ」とは納品先さまの近隣に配送拠点を設けることにより、安定的かつ持続可能な配送体制の構築を可能とするサービスです。車両の大型化・フェリー輸送・食品配送といった環境に優しい輸送手段を併せてご利用いただくことで、お客さまの物流におけるCO2排出量削減を実現しています。
一例として、関東の工場から全国へ小口輸送をされているお客さまが、九州に「サブデポ」を設置、関東の工場~九州まではフェリー輸送による大ロットの輸送に切り替えをしたところ、約50%のCO₂削減を実現した事例があります。
鈴与のサブデポ拠点や導入事例は以下のサービスページでご紹介しています。
▶サブデポサービスページ
物流業界におけるCO2排出量削減は、企業の持続可能な成長に直結する重要な課題です。ご紹介した通り、鈴与ではお客さまの状況に合わせて物流コストの最適化を意識しながら環境負荷を軽減するさまざまな物流ソリューションをご提案しています。
物流におけるCO2排出量の削減を検討している方や鈴与のサービスについて詳しく聞きたいという方はお気軽にご相談ください!
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鈴与のCO2排出量の削減目標や脱炭素をはじめとする持続可能社会の実現に向けた取り組みは以下ページをご覧ください。
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