2024.10.15

  • 契約書管理

契約書の原本・PDF・契約台帳の効果的な管理法

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こんにちは。「鈴与のデータソリューション」ライターチームです。
今回は、契約書管理において重要な考え方についてお伝えします。

契約書管理の考え方

 適切な契約書管理とは、契約内容の確認やトラブル時の証拠提出を容易にし、業務効率を向上させることです。これには、契約書の整理整頓、
保管、アクセス管理、定期的なレビュー、そして保管期間が経過した契約書の処分が含まれます。
 当社が考える理想の契約書管理は、契約書の原本・PDF・契約台帳の3つが紐づけられた状況を示します。

契約書の原本・PDF・契約台帳が紐づけされていないことによる
事例

事例①

会社Aでは、PDFは作成し、共有サーバでフォルダ階層管理をしているが、管理台帳を作成していないため、1社で複数のPDFが作成されると、
目当ての契約書内容を調べるためにすべてのPDFを見る必要が発生するなど非効率な運用になっている。また期日管理なども十分に出来ていない。

事例②

 会社Bでは、クリアファイルやバインダポケットに同一社の複数の契約書(各契約書、覚書、変更の覚書など)をまとめて管理している。そのため契約書の変更を行いたいが、どの契約書が最新の契約書であるか、すべての契約書を確認する羽目になり時間がかかる。
 また、契約書の原本に変更が加えられたがPDFや契約台帳にその変更が反映されていなかった。そのため、古い情報に基づいて業務が進められ、取引先とのトラブルが発生した。

事例③

 会社Cでは、契約書のPDFと契約台帳がそれぞれ異なる部署や担当者によって作成し管理されており、データの一貫性が保たれていない。これにより、管理項目の差異や表記のゆらぎなどが発生し、契約内容を誤って認識したり、なかなか目当ての契約書データが見つけられないなどの問題が起きている。

事例④

 会社Dでは、契約書の原本を自社で保管しており、契約台帳も適切に管理しているが契約台帳に保管場所の詳細の記載がないため、どのキャビネットの何段目のどのファイルにあるのか探すのに時間がかかる。また保管場所が明確に定めないため、閲覧後の契約書を誤ったキャビネットまたはファイルに戻す事例が多発し、原本の紛失につながった。

これらの事例からわかるように、契約書の原本、PDF、契約台帳が紐づけされていないと、情報管理の非効率、情報漏えいのリスク、コンプライアンス違反、業務効率の低下など、さまざまな問題が発生します。
これらの問題を防ぐためには、契約書の原本、PDF、契約台帳を一元管理し、適切に紐づけることが重要です。

契約書の原本・PDF・契約台帳の3点紐づけ管理の方法とは

 契約書の原本・PDF・契約台帳を「管理番号」で紐づけすることです。           原本PDF契約台帳イメージ図

具体的に、 契約書は1契約ごとに保管期間が異なりますので、管理する単位は1契約ごとが適切です。
まず、
契約書の原本:紙の契約書に管理番号(例:101)を手書きまたは収納するクリアファイル、
       バインダのポケットに番号を記載
PDF    :契約書をスキャンしてPDFファイルを作成、ファイル名を管理番号にする (例:101.pdf)         
契約台帳  :excelまたはスプレッドシートやデータベースに以下のように情報を記載

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【契約台帳項目】
 ・管理番号   :101
 ・会社名    :ABC社
 ・タイトル     :基本契約書
 ・締結日    :2024/4/1 
 ・部署     :A部
 ・PDFのリンク   :101.pdf                    ⇒イメージ図

 

 1契約ごとに管理番号の割り振りが完了したら、契約の区切りがわかる状態にし、番号順に整理しておくことが重要です。さらに、PDF化された契約書や契約台帳に対して、適切なアクセス権限の設定が必要です。特に情報漏えいのリスク対策として、機密情報を含む契約書については閲覧や編集の権限を限定することが大切です。契約内容が更新された場合や新しく情報が追加された場合は、PDFと契約台帳の両方を更新しなければなりません。

契約書の原本・PDF・契約台帳の3点紐づけ管理する上で重要なこと

 契約書の件数に限らず、契約書の原本・PDF・契約台帳の3点紐づけができている状態が理想的な契約書管理になります。そのためには、
まず契約書の原本と契約台帳を正しく紐づけることが重要です。管理番号で紐づけることだけでなく、保管する場所も重要になります。

契約書の原本の保管場所の重要性

なぜ、保管場所も重要であるか(事例④

 自社保管の場合、契約書を閲覧するために契約書の原本を持ち出しを行いますが戻す際に「正しく」元の場所に戻す事や、誰が持ち出したのかの記録を付ける事もなかなか徹底されません。
 仮に、文書保管を専門とする外部業者に保管した場合は、出し入れを行う際にオーダーシステムなどに記録が残ります。また、倉庫保管の基本で、預入された品物(契約書)は必ずロケーションという所在地を決めているため、契約書がどの棚でどこの箱・どのファイルに保管しているか適切に管理しています。そのため迅速かつ適切に契約書の原本の持ち出しや戻しを行うことができ、持ち出しや戻しによる契約書の原本紛失のリスクを低減させます。

 以上のことから、契約書を文書保管専用倉庫に外部保管したほうが契約書の原本と契約台帳が適切に紐づけ管理ができると行えるといえます。さらにセキュリティや災害対策といった観点からも文書保管専用倉庫に外部保管したより安全といえます。

 また、契約書の原本・PDF・契約台帳が管理番号や保管場所で紐づけされていても、それぞれが別のツールで管理されていては手間やPDFの添付漏れ、更新漏れが発生する可能性があります。そこで保管場所を含む一元管理ができる契約書管理システムがあれば、これらの問題が解決し、適切に契約書を管理することができます。

 鈴与は、文書保管専用倉庫を保有しており、独自の保管ノウハウと契約書管理システムで1契約書1レコードでの管理を基本としています。
そのため理想的な契約書管理方法である契約書の原本・PDF・契約台帳の3点紐づけ管理を鈴与のソリューションでまとめて実現可能になります。


*契約書管理システム *スキャニングサービス *契約台帳サービス *文書保管サービス

おわりに

 鈴与では、長年の文書保管・データ作成の経験を活かし、倉庫保管や管理システムだけでなく、書類保管状態の調査、仕分け作業、旧管理台帳からのデータ移行など、お客様の課題に応じた契約書管理の運用をご提案します。契約書管理の見直しやお困りごとがありましたら、お気軽にお問い合わせください。

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