2016.03.02(最終更新日 2024.05.22 )
- 契約書管理
ビッグネームほど契約書が増えてゆく。エンターテイメントビジネス

コンサートやイベントに海外からアーティストを招聘する場合、非常に多くの契約書が交わされることになります。まず、アーティストの所属事務所とギャランティに対する契約やチケットやグッズ等の販売契約があり、この他に、会場のレンタル契約から滞在中のホテルや移動車、通訳からセキュリティ会社との契約に至るまで、ビッグネームになればなるほど契約書の数は増えていきます。
契約書は、ビジネスを円滑に進めるための基本合意の証しであると同時に、不測のトラブルが起こった場合には、当事者の合意が記された契約書が紛争解決の基本となります。また時にそれは、催し(コンサートやイベント)が終わった後にも効力を発揮するケースが少なくありません。たとえば、アーティストが帰国した後に『来日特集号』といった出版物を発売しようとする場合、そこにはアーティストの肖像権が発生します。こうしたことは契約書の中に細かく明記されています。ただでさえ大きなお金が動く海外アーティストの招聘は、何をするにしても契約書が大事な役割を果たすのです。
ビッグネームほど契約書が増えてゆく。エンターテイメントビジネス
イベント運営企業の法務部の現状
あの契約書をちょっと見たい。で、法務部門が悲鳴!
今回ご紹介するのは、イベントの運営と音楽やスポーツ観戦のチケット販売や出版、広告の代理業まで幅広く手がける企業さまの事例です。課題となっていたのは、日々それぞれの営業部門から契約書閲覧の問い合わせが相次ぎ、その対応に追われて管理部門(法務)の負担が大きくなっていたことです。
イベント事業の場合は先に挙げた通り、1つのイベントを行うだけで契約書の種類は多岐にわたります。また出版事業の場合は、著作権や肖像権、印税率(著者とライターの比率)の取り決めを文書にしたものまで、それぞれの立場の権利を定めた契約がそれぞれに交わされます。こちらの会社では、そうした契約書類が過去からさかのぼって数万件あり、営業部門から問い合わせがあるたびに法務担当者が倉庫に足を運んでいました。そもそも法務の仕事は、契約書を審査することが主な仕事であり管理することではありません。「ちょっと見たい」と言われて、それに対応するために大きな労力を割いている現状を「どうにか改善できないものか」というのが今回のご依頼の背景にありました。

契約書管理アウトソーシングによる負担軽減
負担が劇的に軽減!鈴与の『契約管理アウトソーシング』
そこで鈴与からご提案したのが『契約管理アウトソーシング』です。ひとまず、閲覧頻度の高い部署の契約書を鈴与でお預かりして、閲覧希望があった時はスキャニングした契約書をクラウド上にアップしてご覧いただけるようにしたことで、法務の方々にとってのネックとなっていた契約書を「探す負担」と「スキャニングする負担」を大きく軽減することができました。
契約管理アウトソーシングを導入したことによって「契約書の管理は劇的に楽になった」という評価をいただいたばかりでなく、法務の中で契約書を管理する流れが明確に定まったともおっしゃいます。つまり、契約書を正しく管理しようと思うなら、全ての契約書に紐ついた台帳が必要になります。しかしながら、法務本来の仕事の繁忙期にそれをしっかりやろうとすると、時間がいくらあっても足りません。かといって、管理の仕方を曖昧にしているいと後になってより一層大変なことになってしまいます。こうした狭間にあって、信頼できるパートナーに出会い、アウトソーシングできたことで、いかにすれば契約書をきちんと管理できるか、その仕組みが理解できたとおっしゃいます。
閲覧制限を前提に、各自が契約書にアクセス!
今はまだ、一部の契約書のシステム化しか行っていません。基本的には、法務の方々の業務効率向上を目指したものとなっています。今後はあらゆる種類の契約書を社内的にもオープンにしていき契約書を閲覧したいときは、いちいち法務を通さずとも個々の営業職員が直接アクセスできるような仕組みをつくりあげ、経営的な視点からも各部門が自立してやっていくことを検討されています。
ただしそのためには、各部門の営業担当は自分が手がけた事案の契約書のみ自由に閲覧できるような制限をかける必要があります。なぜなら、社内で発生するすべての契約書内容を閲覧できるようになれば、不用意な発言などで情報が流出して顧客に損害を与えることにもなり兼ねません。また、担当営業が転職、退社するさい、契約内容を持ちだして他社に渡してしまうことも考えられます。つまり、情報流出のリスクを最小限に抑えるためにも契約書の閲覧制限を設けて情報のコントロールが必要。鈴与の『契約管理アウトソーシング』なら、これらの課題にもトータルでお応えすることができます。
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