2021.01.20(最終更新日 2024.07.02 )

  • 契約書管理

【音楽出版・コンテンツ業界】における契約書管理の課題

音楽業界

最近、テレワーク/在宅勤務が増え、これに対応した契約書管理に関するご相談を多数いただいています。
今回は、「音楽出版/コンテンツ業界」にスポットを当てて、契約書の特徴、よくある課題、解決策をご紹介します。

音楽出版/コンテンツ業界に多い契約書とは

音楽出版/コンテンツ業界では、どのような契約書が多いのでしょうか。

~音楽出版/コンテンツ業界の契約書の特徴~
(1)契約書の数が多い
(2)管理しておきたい契約内容の情報が多い
(3)過去の契約書の内容をよく参照する

(1)契約書の数が多い

例えば音楽出版ですと、管理している楽曲をゲームやイベントに利用する場合は、何の用途で、誰が、どの楽曲を利用するか等を定めた、「許諾契約書」を締結します。

例)
・ 何の楽曲を?⇒○○楽曲
・ 用途は?⇒○○ゲーム
・ 契約先の相手先会社名は?⇒A社
・ 期間は?⇒○○年○月○日~○○年○月○日 ...etc

楽曲やコンテンツが異なる媒体や期間で利用される都度契約が発生するので、そのぶん数が多くなる傾向にあります。

(2)管理しておきたい契約内容の情報が多い

また、「契約書名、相手先会社名、締結日、契約期間」といった一般的な管理項目だけでなく、「何の用途で、誰が、どの楽曲/コンテンツを」という契約内容まで管理する必要があります。
そのために、Excel表を作成して、管理しているケースが多いです。

(3)過去の契約書の内容をよく参照する

利用の都度、契約書を締結するため、"過去の契約との類似案件も発生しやすい"状況にあります。
そのため、「同じような契約書の内容を参考にしたい」、「同じ取引先と過去に別の楽曲/コンテンツで取り決めた契約条件を確認したい」というニーズがあり、過去の契約内容を参照する機会も多いです。
そこで、同じくExcel表で契約書の一覧を作成して管理することが必要になります。

音楽出版/コンテンツ業界の課題

とにかく、Excel表の管理が大変

「数が多い」「管理したい情報が多い」「よく参照する」という特徴の契約書。
これらを管理するにあたって、よくある課題は、

~音楽出版/コンテンツ業界の契約書の管理のよくある課題~
(4)Excel表のメンテナンスが大変
(5)契約書が揃うタイミングがバラバラだから、入力待ちが滞留しやすい

(4)Excel表のメンテナンスが大変

(2)管理しておきたい契約内容の情報が多いということは、Excel表に入力する項目も多いということです。
そうなりますと、1回の入力にかかる時間も長く、契約書の内容を理解してから入力しないといけないので、応援で来てもらった方に気軽に入力のお手伝いを頼めるものでもありません。

(5)契約書が揃うタイミングがバラバラだから、入力待ちが滞留しやすい

「(自社捺印済みで)相手先での捺印が完了したら、管理表に入力しよう」というのが一般的ですが、「いつ相手先から戻ってくるかわからない」という課題があるのも事実。
そうなると、"ある程度溜まったら、まとめて入力しよう"と思うもの。
でも、「ある程度っていつ?」
気付くと、1時間ぐらい入力に時間がかかりそうなぐらい入力待ちが溜まっているものです。
ましてや、毎日のように新規の契約書が発生する音楽出版/コンテンツ業界では、切実な課題です。

課題解決策

Excel表の精度を維持し、ファイリングの手間を省力化するには

これらの課題の解決は?
鈴与からご提案した事例をご紹介します。

~課題解決の事例~
○ファイリングは発生順
○Excel表の管理項目は列を細分化

○ファイリングは発生順

よくある課題にはでていませんが、ファイリングの方法を伺うと、契約書の数が多い、同一相手先と類似契約を締結することが多いと、「原本を取引先別にファイリングしている」ことがよくあります。

ここで大事なのは、契約書が揃うタイミングがバラバラで、過去の契約書の内容をよく参照する環境でもあるのです。

ということは、
(初期)契約書を取引先別ファイルの所定の位置に追加する
(ファイリング後)ファイルから該当の契約書を取り出す、取り出したものを戻す
ことが頻繁に起きているのです。
つまりその分、残念ながら「戻し間違い」と「戻し間違いを直す作業」も一定程度、生じてしまっています。

しかも、相手先の会社が合併した場合や会社名が変更になった場合に、取引先別のファイルを一つにまとめる、分ける、表記を変更することも必要になります。

つまり、"取引先別にファイリングをする"というのは、見えないところで手間がかかっているのです。
もちろん、過去からの契約書を網羅的に確認できる、探しやすいという利点もあるのでいい面もたくさんあります。

ただ、限られた人員で管理している&毎週のように新しい契約書が発生する会社さまには、
「一番、手間がかからない楽な方法は?」という時には、
「契約書が発生した順にファイリングすること」とお答えしています。

○Excel表の管理項目は列を細分化

管理しておきたい契約内容の情報が多く、Excel表に入力する情報量も多いのは、課題のところでご紹介した通りです。

よくあるパターンは、「備考欄にたくさんの情報が記載されている」ことです。

例)備考:管理番号100の関連契約書。○○に関する基本契約有。契約期間は○~○

備考に情報があるのは便利です。
ですが、Excel表に入力した人によって、情報量/記載方法に差が生じるのも事実です。

となると、「備考に記載があるものはわかるけど、記載がないものはもうわからない」となります。過去の契約書の内容をよく参照するなら、なおさらそのモヤモヤは解消したいところです。

そこで、「できるだけ、管理したい項目は入力する列を分ける」ことを推奨しています。

例)
・ 管理番号:200
・ 契約書名:○○
・ 基本契約書/関連契約書:関連契約書 ※
・ 基本契約書の管理番号:100 ※

このように分けておくと、「基本契約書の管理番号:100」の情報は把握できますので、次は「管理番号:100」の行をみれば、契約内容・契約期日の情報が確認可能です。

また、管理項目として予め入力欄が分かれていれば、誰が入力しても同じ情報量になりますので、Excel表の精度も担保することができます。

ここまで、音楽出版業界/コンテンツ業界様からヒアリングした内容を一部、ご紹介していきました。
業界特有の事例としてご紹介しましたが、「数が多く、参照頻度が高い」契約書を抱えていらっしゃるところでは、共通の課題があるかと思いますので、他業界の方も、ご参考ください。

他にも事例を知りたい、自社の課題を相談したいということがあれば、ぜひ、鈴与の契約管理アウトソーシングにご相談ください。

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