2024.06.26

  • 契約書管理

契約書管理における台帳作成の重要性とは

契約書管理 契約台帳
 

こんにちは。「鈴与のデータソリューション」ライターチームです。
契約書管理台帳は契約情報を一元的に管理するための台帳ですが、日々の業務に追われておろそかになっていませんか。
今回は、契約書管理台帳の重要性についてお伝えします。

契約書管理台帳とは

 契約書管理台帳とは、企業および組織が締結する契約書に関する情報を一元的に管理するための台帳です。
 この契約書管理台帳には、一般的に契約内容や契約者情報、契約日、契約の開始日から終了日、更新日、契約金額、取引先など、契約に関する重要な情報がまとめられています。 契約書管理台帳の主な目的は、契約内容の整理と管理の効率化です。契約情報を一元的に管理することで契約書の検索性が高まり、必要な契約情報を迅速に確認することができます。

契約書管理台帳における必要な項目とは

 契約情報を一元的に管理するためには、基本的な項目と企業の特性に合った項目を設定する必要があります。基本的な項目とは、契約書の解約・更新等の判断に必要となる項目になります。
 一般的に、①契約書種別②契約書名③契約相手先名④契約開始日⑤契約終了日⑥自動更新有無⑦自動更新契約期間⑧更新予告期日 など
また、業種などによってその特性にあった項目が必要になる場合があります。
例えば、
ゲーム会社の場合   ゲームタイトル、許諾地域、言語 など
音楽出版の場合    楽曲名、作曲者名、作詞者名、著作権者名、アーティスト など
不動産仲介の場合   物件名、部屋番号、住所、担当営業店 など
不動産管理の場合   物件名、点検書類名、点検日 など
電力関連の場合    施設名、補助金名称、対象年度 など
フードサービスの場合   店舗名、店舗コード  など         になります。


 そのため、自社の契約書管理に沿った契約書管理台帳項目の選定が重要になります。項目を増やしすぎると契約書管理台帳の登録が手間になります。逆に項目が少なすぎると必要な契約情報が見つからず契約書を取り出して内容を確認しなければならず時間がかかるため、バランスが重要になります。
 契約書管理台帳における必要な項目とは、 基本項目だけではなく、必要な契約情報を素早く確認でき適切に契約書管理を行うことができる項目になります。

契約書管理台帳作成の課題と原因

契約書管理台帳作成の課題

 契約書管理業務で、「契約書管理台帳が整備されていない」という声を多くいただきます。その多くの理由は、作成・登録が手間で必要な時間が確保できない事や契約書管理台帳の作成は各部署に任せており、会社として適切に契約書管理台帳が整備されているのか把握できていないことが挙げられます。

契約書管理台帳作成の原因

 契約書管理台帳を作成するためには、一つ一つ契約書の内容を確認して、契約書管理台帳の項目の正確な契約情報をピックアップして登録する必要があります。項目が10項目の契約書管理台帳を1件作成するためには、わずかな時間で作成できると認識しがちですが、実際は5分、10分とかかることもあります。それは、契約書管理台帳項目の統一した表記に留意することや契約書特有の言い回しを解釈するために考える時間が発生するからです。
 それらの一つ一つが積み重なり契約書管理台帳の作成が手間となり、後回しにされることで契約書管理台帳が整備されていない状況となります。そして、まとめて契約書管理台帳を作成しようとする場合でも、日々の業務に追われて時間が確保できないなどで結局、契約書管理台帳が作成されないままとなります。

 さらに根本的な要因として、契約書管理台帳の作成は重要ではありますが、極めて事務的な作業になるため、法務部門における他のコア業務と比較して、優先順位が後回しにされやすいことが挙げられます。

まとめ

契約書管理台帳における課題

契約書管理台帳が整備されていない

原因

・作成が手間、時間がかかる
・作業が単調でモチベーションが上がらない
・集中力が続かず、入力ミスが発生する

契約書管理台帳が整備されていないことのリスク

契約の見落としや漏れ

 契約書が適切に管理されていないと、重要な契約の存在を忘れたり、更新や終了時期を見落としたりする可能性があります。
 これにより、契約が自動更新されて不利な条件を引き続き負わされたり、契約が失効してビジネスに損害を与えることがあります。 特に緊急時に迅速な対応が求められる場合、対応が遅れることでビジネスチャンスを逃す可能性があります。

訴訟などによる金銭的なリスク

 契約内容や契約期限に関する情報を把握できていないと、契約違反が発生するリスクが高まります。最悪の場合、法的紛争や訴訟に発展し会社に大きな損害を与えることもあります。 また、契約の支払い条件や金額を把握できていないと予期しない支払いが発生することがあります。
そして、支払い遅延によりペナルティを課されることや信用低下になりかねません。

内部統制の指摘、コンプライアンス違反

 契約書管理が適切に行われていない場合、内部統制や監査に対する信頼性が低下します。これにより内部監査や外部監査で問題が指摘され、企業の信頼性や評判が損なわれることがあります。さらに業界や法的規制に基づいていないと判断され、コンプライアンス違反になる可能性が高まります。

契約条件の交渉力の低下

 過去締結された契約書の契約情報が整理されていない場合、新しい契約交渉の際に自社有利な条件を提示するための参考資料が不足します。
これにより自社に不利な条件で契約を締結するリスクが高まります。

契約書管理台帳の必要性

契約書管理台帳の必要性において以下の2つのポイントがあります。

契約書管理業務の効率化

 契約書管理台帳を適切に作成することで、契約書の検索性が向上します。そして全ての契約情報が一元化され、どの契約がどのような状況にあるかを即時に把握できます。その結果、経営陣や担当者は常に最新の情報にアクセスでき、意思決定が迅速かつ正確に行うことができます。 そして、問題が発生した際は迅速に対応できます。特に、契約の更新や終了、解約のタイミングなどの重要な期限に関する情報を逃さず管理できます。迅速かつ正確さが契約書管理業務の効率化に繋がります。

内部統制の強化

 全ての契約情報が一元化されることで、不正やミスの発生が防止できます。そして、責任の所在を明確にすることで担当者が自身の業務に対して責任を持ちやすくなります。

契約書管理台帳の作成方法とは

 適切に契約書管理台帳を作成するためには、契約書管理業務を調整して契約書管理台帳を作成する時間を確保する必要があります。 時間を確保しなければいけないと理解はしつつも、難しい場面になることがあります。 そのような時に、外部のサービスを利用するのはいかがでしょうか。
例えば、契約書管理システムの活用や契約書管理台帳作成の代行サービスなどです。

契約書管理システムの活用

 現在普及している契約書管理システムには、「自動台帳作成」の機能が備わっているものがあります。 これらの多くは、契約書管理システムに契約書をアップロードを行うと設定されている項目に沿って、 AIが自動的に判断を行い契約書管理台帳が作成されます。これらはアップロードするだけのため、一見すると手間や時間をかけずに行うことができます。
 しかし、AIが自動的判断するため項目に沿って適切に反映されているのか取込の精査が100%ではありません。そのため「補正」する必要があります。一般的に自動台帳作成の機能の中に補正機能が備わっているため利用者は、契約書を契約書管理システムにアップロードするだけ契約書管理台帳が作成され、適切に管理することが可能となります。
 ただ、契約書管理システムによっては契約書のアップロード数に上限がある場合や補正がしっかりされていない場合などがあるため、自動台帳作成に頼り切らず適切に契約書管理台帳が作成されているのか適宜確認する必要があるかもしれません。

契約書管理システム自動台帳作成

契約書管理台帳作成の代行サービス

 鈴与の契約書管理台帳作成の代行サービスでは、AIによる基本項目自動抽出と専門作業員によるカスタマイズ項目抽出、そして他専門作業員によるダブルチェックで高品質な契約書管理台帳を作成します。 お客様のフルカスタマイズされた契約書管理台帳項目にも対応、データ納品の可能となります。

契約書管理台帳作成の代行サービス
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おわりに

 契約書管理台帳の作成は、リスクを低減させるために重要な業務です。その必要性を改めて確認し、適切な管理を行うことで、企業の効率性と信頼性を向上させることができます。
 鈴与では、契約書管理システムのほかデータ入力代行サービスを展開しており、手間だった契約書管理台帳の作成業務をサポートしています。また、鈴与の契約書管理システムと契約書作成・レビューツールや電子契約サービスと自動連携があります。各リーガルテックとの連携で契約書管理台帳の作成が漏れなく迅速に行えます。
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