2022.05.16
- 3PLトピックス
物流基本用語と物流業界の最新トレンドをご紹介します!

今回は新たに物流担当者になった方や物流業界について詳しく知りたい方に向けて、コロナによる物流の変化や、最新トレンドをご紹介します。
知っておきたい基本の物流用語や、分かりにくい用語の違いなどもご説明していますので、ぜひご覧ください。
2023年上半期の物流トピックスについては以下のコラムでご紹介しています!
▶コラム:2023年上半期まとめ!物流トピックスをまとめました
ページ目次
知っておきたい物流用語
基本の物流用語をご紹介します。物流会社との会話で、知っている前提で話が進み、今更聞けない、とお悩みの方にも役立てて頂けると思いますので、ぜひご一読下さい。まずは、違いが分かりにくい用語の解説です。
「物流」と「ロジスティクス」の違い
「物流」とは、商品が生産者から消費者へ届くまでの"モノの流れ"のことを意味し、英語ではPhysical Distribution と訳されます。商品を届けるまでの流れそのものを指しており、輸送、荷役だけではなく、保管、包装、流通加工、それらに付帯する情報管理(在庫管理など)といった活動が含まれます。
「ロジスティクス」とは、物流の一連の流れを最適化・合理化することを意味しています。調達や生産、販売の物流において、効率的で最適な仕組みやシステム、戦略を考えることを指します。物流と同義で考えられがちですが、物流はロジスティクスの一部、ロジスティクスは物流の上位概念と言えるでしょう。
「3PL」と「フルフィルメントサービス」の違い
「3PL」とは、3rd Party Logistics(サード・パーティー・ロジスティクス)の略称で、物流業務を第三者の専門業者に委託する企業戦略のことです。単純に物流業務をアウトソースするだけではなく3PL事業者が荷主企業の立場にたって、物流全体の効率化・コスト削減を図るために、物流フロー全体を設計し、長期的な契約下で運営・管理していくことが3PLの特徴です。
一方、「フルフィルメント(fulfillment)」は、「実現」「遂行」「達成」という意味をもちます。EC通販業界において、「商品の受注から入金管理に至るまでの一連の業務全般」を指すマーケティング用語として使われるようになりました。
3PLとフルフィルメントの違いは、外注する業務範囲です。3PLは物流に関わる業務をアウトソーシングの範囲として限定しているのに対し、フルフィルメントはEC通販における受注から決済にいたるまでのバックヤード業務全般を指し、物流業務だけでなくECサイト制作やコールセンター業務も含まれる点が具体的な違いです。
それぞれの用語については別コラムで詳しくご説明していますのでぜひご覧ください!
▶コラム:3PLとは?
▶コラム:フルフィルメントとは?
次に、物流業界でよく使われる単位をご紹介します。
ロット
「ロット」とは、製造業において同じ条件下で生産する製品の生産・出荷の最小単位を指します。製品は生産の単位ごとに製造番号である「製造ロット」を付与され、同じロット内の製品はすべて同じ品質のものとして管理します。製造ロットは、製造年月等を各会社のルールに則り、数字やアルファベットの組合せで表記されます。
ロット管理は、トレーサビリティ(追跡可能性)の観点でも活用されています。製品に何かの不具合があっても、製造ロットが付与されていることで、製品がいつどこで製造されたものなのかすぐに確認することができ、原料や部品等の使用実績も遡ることができるため、原因の究明や再発防止に繋げることができます。必要に応じて同一ロットの商品回収を行う等、迅速な対応をとることができ、消費者からのクレーム対応も円滑に行うことができます。
SKU・アイテム
「SKU」とは、Stock Keeping Unitの頭文字を取っており、一般的には在庫管理を行う際の「最小管理単位」を示します。「アイテム」は商品の種類を指しますが、「SKU」は同じ商品でもパッケージの違いやサイズの違いなど、アイテムより小さい単位で分類されます。
パレット
「パレット」とは、個々の貨物を一つにまとめて単位化するために用いられる物流用の機器のことです。
人手またはフォークリフト等の専用車両により荷役、輸送、保管の各工程で利用されます。種類は多様で、荷台タイプの平(ひら)パレット、ボックスパレット、ポスト(ラック)パレット、シートパレット等があります。倉庫への入荷や販売先への出荷など物量の目安を知る際に、パレット枚数を聞くとイメージしやすくなることがありますので、覚えておくと便利です。
上記物流用語についてさらに詳しく説明したコラムやページもございますので、併せてご覧ください。
▶コラム:フルフィルメントとは?
▶コラム:3PLとは?
物流業界の最新トレンドをご紹介
購入方法の変化ーEC市場の拡大
物流業界では、コロナ禍の巣ごもり影響で、自宅で買い物ができるEC通販市場が拡大し、宅配便の取り扱い量が増加しました。非対面や非接触でモノを購入し、受け取ることができるEC通販は、コロナ禍において需要が高く、日本通信販売協会(JADMA)の調査によると、2020年度のEC通販の売上高は、前年比20.1%増の10兆6,300億円、5年前と比較すると約1.6倍の増加となりました。
今後もEC通販市場規模は拡大していく見込みですので、EC通販物流の重要性やフルフィルメントのアウトソーシング需要も大きくなっていくのではないでしょうか。
▶EC・通販物流サービスページ
物流業界における働き方改革
2019年に厚生労働省が発表した「働き方改革」は、働く人が置かれた個々の事情に応じ、多様な働き方を選択できる社会を実現することを目指しています。働きやすさの追求や、効率的な働き方を推進する中で、ビジネス環境は今後、激しく変化していくことが予想されます。
働き方改革が発表されて以降、ビジネス環境の変化に対応するため、 DX(デジタルトランスフォーメーション)の動きとして「データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」が活発になっています。
物流業界でも、"物流DX" と称して、DC倉庫などの現場におけるペーパーレスやロボティクスの導入による省人化などにより、DXを推進しています。
また、働き方改革の一環として、"自動車運転の業務"に対する時間外労働の上限規制が2024年4月に適用されることになります。これにより、トラックドライバーの拘束時間の短縮や、トラックドライバー1人での移動距離の制限などといった問題が生じてきます。これらの問題を総称して「2024年問題」といいます。
近年ドライバー不足が深刻になっている中で、今後、ドライバー1人あたりが運べる距離や、働くことのできる時間が制限されることは、将来的に、運びたいときにモノを運べなくなる恐れもあり、物流会社や運送会社だけでなく、荷主も一体となって、早急に対策を行うことが求められます。
物流業界におけるSDGs
近年、世界中でトレンドとなっている、SDGs(Sustainable Development Goals・持続可能な開発目標)ですが、国内の物流業界でも、SDGsに取り組む企業が増加しています。
環境負荷低減可能な物流サービスの創出や、輸送手段や輸送車両などの見直しをすることで、環境に配慮した物流形態の構築を急速に進めています。
環境に配慮した物流の一例として、モーダルシフトがあります。
モーダルシフトとは、トラック等の自動車で行われている貨物輸送を環境負荷の小さい鉄道やフェリー等の船舶の利用へと転換する取り組みです。車両で貨物を輸送する際のCO2排出量に比べて、フェリー輸送で貨物を輸送した場合、50%~70%程の削減が可能と言われています。また、海上輸送中は無人航走となるため、フェリー輸送を行うことで、トラックによる陸送は集荷・配送部分のみに抑えられ、ドライバーの拘束時間を削減することもでき、コンプライアンス運行の実現にもつながっています。
これは(2)でもご説明した、ドライバーの労働時間に上限が設定される2024年問題に対しても有効であり、モーダルシフトのニーズがより高まると予想されています。
▶鈴与のフェリー輸送サービス
物流業界は、社会環境やビジネス環境の変化にも密接に関係していることがお分かりいただけたでしょうか。鈴与の物流サービスは、こうした環境変化にも柔軟に対応し、お客さまに最適な物流ソリューションを提案いたします。鈴与の物流サービスにご興味のある方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。また、無料でDLいただける資料もそろえておりますので、ぜひご活用ください。
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