2026.02.20
- 3PLソリューション
- EC・通販物流
EC・通販市場の最新動向と今後求められる物流体制とは

EC・通販市場は、新型コロナウイルス感染拡大をきっかけに大きく拡大しました。その後、社会活動の正常化が進んだ現在も、オンライン購買は消費行動の一部として定着し、市場規模は引き続き拡大しています。一方で、市場環境は大きく変化しています。単にECを始めれば売上が伸びる時代ではなく、物流体制や在庫管理の最適化、データ活用といった運営力が重要視される段階へと移行しています。
本コラムでは、直近公表データをもとに市場動向を整理するとともに、今後のEC運営において重要となるポイントを解説します。
2025年公表データから見るEC・通販市場の動向
JADMA(日本通信販売協会)の調査によると、2024年度の(2024年4月~2025年3月)の通信販売市場売上高は、前年比7.3%増の約14兆5,500億円となりました。
2020年度以降、新型コロナウイルス感染拡大の影響を背景に大きく拡大したEC・通販市場は、その後伸び率こそ落ち着いたものの、現在も増加傾向が続いています。EC・通販は一時的な代替手段ではなく、生活者にとって身近な購買チャネルとして定着しています。
また、経済産業省の「電子商取引に関する市場調査」によると、EC・通販市場規模は約26兆円規模に達し、EC化率も上昇傾向が続いており、物販分野を中心にオンラインでの取引金額全体も引き続き拡大しています。
物販系分野のEC・通販市場規模の内訳では、 コロナ禍に大きく伸長した「食品」「生活用品」などの日常消費財に加え、「家電」「家具」「インテリア」などの耐久消費財も堅調に推移しています。近年は一時的な需要ではなく、利便性や選択肢の広さを重視した継続的なオンライン購買が広がっている点が特徴です。
※参照
2024年度通販市場売上高調査│JADMA(日本通信販売協会)
電子商取引に関する市場調査|経済産業省
市場環境の変化とEC・通販事業を取り巻く動向
EC・通販市場規模は拡大しているものの、取り巻く環境は変化しています。
特に近年では、次のような変化がEC・通販事業の運営に影響を与えるポイントになっています。
① 物流コスト・運営コストの上昇
原材料費やエネルギー価格の高騰、人件費の上昇などを背景に、配送費や保管費といった物流関連コストは増加傾向にあります。
売上拡大だけでなく、恒常的なコストを意識した持続可能な運営体制の構築がこれまで以上に重要になってきています。
② 運営の複雑化
商品数(SKU)の増加や複数の販売チャネル展開に伴い、受注件数も増加し、EC・通販事業の運営は年々複雑化しています。受注処理、在庫管理、出荷業務を個別・手作業で対応している場合、業務負荷の増大やミス、対応遅延といったリスクが高まります。
さらに、セールや繁忙期による物量波動も大きく、安定したオペレーションを維持するための仕組みづくりが求められるようになっています。
③ 消費者ニーズの多様化
オンラインと実店舗を併用する購買スタイルが一般化し、配送スピード、受け取り方法、ギフトや返品対応など、サービス品質そのものが購買判断に影響を与えるようになってきています。EC・通販物流の対応力は顧客満足度やリピート率を左右する重要な要素です。
EC・通販事業の成長を支える物流体制の重要性
このような環境変化が続く中では、EC・通販事業において物流を含めた運営体制そのものを見直すことが求められています。
特に、持続可能な物流体制の構築は、事業成長を左右する重要な経営課題となっています。
以下は、EC・通販物流を最適化するための主なポイントです。
① 最適立地によるコスト見直し
物流コスト上昇への対策として重要なのは、単なるコスト削減ではなく、拠点立地を含めた物流全体の構造を見直すことです。
特にEC・通販物流では、保管コストと配送コストの比重が大きく、どの立地で在庫を保管し、どこから出荷するかによって、コスト構造は大きく左右されます。
適切でない立地では、配送距離の長期化やリードタイムの増加により、コスト面だけでなくサービス品質にも影響を及ぼします。一方で、商圏や配送条件を踏まえた最適な立地に拠点を配置し、出荷条件や傾向値に応じて最適な配送タリフを選択することで、物流コストの見直しとサービス品質向上の両立が可能になります。
EC・通販物流におけるコストや拠点立地の見直しについては、以下のコラムでも詳しくご紹介しています。
▶コラム:物流コスト削減のヒントは拠点立地の見直しにあり!EC・通販物流における倉庫の最適立地とは?
② OMS・WMS連携による業務効率化
受注処理から出荷までの業務が煩雑化している環境下では、受注情報をOMSで一元管理し、受注処理を可能な限り自動化することが、業務効率化の観点で重要となります。さらに、在庫情報を一元管理することで、欠品や売り越しといったリスクを低減し、安定した販売体制を構築することが可能になります。
加えて、OMSとWMSがシステム連携している場合、受注情報と出荷指示が自動的に連動するため、人的ミスの削減や処理スピードの向上といった効果も期待できます。こうした業務の標準化・自動化は、現場の業務負荷を軽減するだけでなく、受注量の増減や事業拡大にも耐え得る安定した運営体制の構築につながります。
OMSとWMSの連携による物流最適化については、以下のコラムで詳しく紹介しています。
▶コラム:OMSとは?導入のメリットとWMSとの自動連携サービスもご紹介します!
③ 物量波動・消費者ニーズに対応する柔軟な物流体制
セールやキャンペーン、繁忙期などによる物量波動に加え、ギフト対応や返品対応、配送条件の指定など、消費者ニーズは刻々と変化しています。EC・通販事業では、こうした変化に応じて求められる物流サービスの内容も多様化しており、平常時と同じ体制では対応が難しくなる場面が増えています。固定的な人員配置や作業フローに依存した運営体制では、繁忙期には業務が逼迫し、対応遅延や品質低下を招くリスクがあります。そのため、EC・通販物流においては、物量や作業内容の変化に応じて柔軟に対応できる仕組みを持つことが重要であり、結果として事業の継続的な成長を支える基盤となります。
まとめ
EC・通販市場の成長が続く中で、今後は運営力が競争優位を左右します。
在庫戦略、システム連携、拠点設計、アウトソーシング活用を組み合わせた物流体制の構築が事業成長の鍵となります。
鈴与では、EC・通販事業者さま向けに、コスト最適化やOMS・WMS連携支援、物流波動に対応する柔軟な作業体制など、事業成長を支える物流ソリューションをご提供しています。700万件/年の出荷実績を誇る高品質なサービスで、顧客満足度向上にも貢献します。
EC・通販物流のアウトソーシングをご検討の方は、ぜひ一度お問い合わせください。
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