2022.09.12

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ホワイト物流とは?持続的な物流を実現したい方必見!

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今、物流業界でも働き方改革が求められています。必要な時に必要な場所で必要なモノがある、それが物流のあるべき姿ですが、近いうちにその当たり前の環境がなくなるかもしれません。
深刻なドライバー不足に直面している物流業界において取り組まれている「ホワイト物流」についてご紹介します。
物流業界にどのような課題があるのかを知りたい方にもご参考いただける内容ですのでぜひご覧ください。

ホワイト物流とは?

ホワイト物流とは深刻化しているトラックドライバー不足に対応するため、物流事業者・荷主企業などの関係者が連携して物流やトラック輸送の生産性向上と物流に携わる人々の労働環境を整える取り組みのことです。

平成31年には国土交通省の組織であるホワイト物流推進運動事務局が「ホワイト物流」推進運動の 進め方についての資料を発表し、下記に取り組む運動のことをホワイト物流推進運動と称しています。

1.トラック輸送の生産性の向上・物流の効率化
2.女性や高年齢層を含む多様な人材が活躍できる働きやすい労働環境の実現

▶参照:「ホワイト物流」推進運動の 進め方について(案)」

ホワイト物流推進の背景

ホワイト物流推進運動が起こった背景には深刻なトラックドライバー不足問題があるとお伝えしましたが、なぜ不足しているのでしょうか。

(1)トラックドライバーの高齢化

厚生労働省の調査では、トラックドライバーと全産業全職種の平均年齢を比較すると、平均+6.2歳の49.4歳、中小型トラックドライバーで平均+3.2歳の46.4歳であることが分かっています。平均年齢の40代ドライバーが約20年後に定年を迎えるタイミングでより深刻なドライバー不足が予測されます。

(2)トラックドライバー1人あたりの労働時間の長時間化

トラックドライバーの労働時間は全産業より約2割長いことが分かっています。その要因の一つに納品先での待機時間の長時間化があります。現在、納品先では先着順で荷卸しが行われています。一方、納品先の荷受け処理能力やトラックバース数は限られており、納品車両の待機が常態化しています。1人あたりの拘束時間が長くなり、全体としてドライバー不足に繋がっていると言えます。

(3)トラックドライバーの業務内容の多様化による輸送時間・距離の減少

近年はトラックドライバーの業務内容が多様化しています。例えば、製品の検品やトラックの荷台への製品の手積み手卸しや、納品時のシール貼りといった付帯作業が増加しています。付帯作業の増加により、ドライバーの本業ともいえる輸送時間は削られていき、1人のドライバーが1日に運転できる距離も減ってしまいます。

▶参照:「ホワイト物流」推進運動ポータルサイト 
▶参照:トラック運転者の長時間労働改善に向けたポータルサイト|厚生労働省

ホワイト物流における改善策

ドライバー不足を解決するためには、女性や60代のドライバーなど、より幅広い労働者を積極的に採用することも必要です。また、現在長時間労働を強いられているトラックドライバーの労働環境を改善するためにも、誰もが働きやすい労働環境にすることが急務です。この章では、ホワイト物流推進のための改善策をご紹介します。

(1)トラックドライバー1人あたりの労働時間削減

2024年4月以降、働き方改革関連法によりトラックドライバーの時間外労働の上限が規制されます。コンプライアンス遵守の観点から、トラックドライバー1人による長距離輸送が難しくなります。そこで有効なのがモーダルシフト(輸送方法の見直し)です。モーダルシフトとは、トラックなどの自動車で行われている貨物輸送を、鉄道やフェリー等の船舶を利用した輸送へと転換する取り組みです。フェリー輸送を利用すると、トラックで輸送するのは"フェリーの港までの集荷"と、"港に到着してからの配送"のみになりますので、トラックドライバーの労働時間を大きく削減できます。
▶フェリー輸送サービスページはこちら


他にもトレーラーを利用した中継輸送が効果的です。中継輸送とは、一つの行程を1人のドライバーが輸送するのではなく、複数人のドライバーで分担する輸送です。鈴与の中継輸送では、荷台と車体の切り離しが可能なトレーラーなどを活用して、輸送の中間地点に位置する中継ポイントでドライバーを交代させることで一人のドライバーが走行する距離、労働時間を削減することができます。
▶貸切・中継輸送サービスページはこちら

(2)待機時間の解消

トラックドライバーの待機時間を解決するために、「予約受付システム」を導入する納品先が増加しています。「予約受付システム」はトラックバースにおける納品指定時間を事前予約する仕組みです。ドライバーは予約した時間に納品先に到着すれば良いので、待機時間の大幅な解消に繋がります。

(3)物流現場の生産性向上

現在、積込み・積卸し作業を手作業ですることがルールとなっている集荷先・納品先があります。これにはパレットの活用が効果的です。ドライバーが手作業で1点1点積込・卸作業をしていた時間を削減する他、肉体的な作業負荷を格段に削減することができます。

ホワイト物流とは何か、そしてホワイト物流推進の背景をご理解いただけたでしょうか。

鈴与ではホワイト物流のノウハウを蓄積し、荷主企業さまにとって最適な輸送サービスを提供しています。実際の取り組み事例をご紹介することも可能ですので、今回ホワイト物流に興味を持っていただけた方、取り組みたいと思った方は、ぜひ一度鈴与にお問い合わせください。

トラックドライバーの労働時間を削減した事例はこちら

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