2015.11.27(最終更新日 2024.12.06 )
- 文書管理
特許事務所における知財文書の管理と廃棄

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新しくプロジェクトを立ち上げようという時には、社内でさまざまな意見交換が行われ、それに伴い、実に多くの提案文書が飛び交います。会議の場では、それらを検討材料として話が進めるわけですが、提案が採用されなければそれらの文書はお役御免となります。
しかしそれらも、知恵の結晶であることは変わりなく廃棄するには忍びない。もちろん外部へ情報を漏らしたくはないものであるはずです。一般的な企業の場合、こうして紙文書は蓄積されて行きます。そしていつしか、オフィスのキャビネットは不要文書で溢れ返っているということにもなる。しかしこれは、自社作成の文書管理のケースで、お客さまから預かった大事な文書は、そうした管理では済まされません。
特許事務所の実情
書庫には10万件を超える申請文書
少し前置きが長くなりましたが、今回ご紹介するのは、発明によって生まれたものを特許として代理申請し、発明企業(あるいは個人)の財産権利を獲得するお手伝いをされている特許事務所さまの事例です。
特許申請というのは、目もくらむほどの申請文書を必要とします。特許庁に認めてもらうための証拠文書から過去事例、他社が出願しているものとの相違性が分かるような一連の紙文書をファイリング※して提出します。1つの申請ファイルは辞典ほどの厚さになる場合も少なくありません。この他、特許の取り下げを行った文書、特許庁から却下されたものまで含めると、管理している文書の数は、大手の特許事務所さまになると10万件を超えるところも少なくありません。
※現在は、紙文書のファイリング形式だけでなく、電子申請も可能となっています。
特許事務所のお困り事ごと紹介
自力管理を諦めアウトソーシングへ
ある特許事務所さまのお困り事は、文書管理スペースの不足でした。スペースが足りないとはいっても、オフィスとは別の場所に書庫スペースを設けて専用管理。それでも既に、書棚に収まりきらないほど文書が増え、いよいよ自力(社内)管理を諦めてアウトソーシングを決断されました。
ではなぜ、ここまで文書が増える前にアウトソーシングしなかったのか。これには知財文書ならではの特性があります。あらゆる文書は機密管理されるべきものに違いありませんが、特許申請文書の中には、まさしく知的財産権を左右する内容が網羅されています。もしこれらが漏えいした場合、クライアント企業に甚大な経済的被害が及ぶことが考えられます。したがって可能な限り自力管理することが特許事務所としての責務とお考えになられていたわけです。

スキャニングの作業性向上から機密抹消処理まで
そこで、鈴与からの最初のご提案は、特許事務所が管理しておくべき10年を越えた文書(1年のうち1度見るか見ないもの)のスキャニングから廃棄まで。つまり、特許事務所さまとしては、管理の責任範疇を越えた文書をペーパーレス化して身軽になっていただこうというもの。まずはここで、どれほどの効率化が図れるか、どれだけ鈴与に信頼を置けるかを試していただきました。
実は、この特許事務所さまではそれまでにも、古い文書についてはスキャニングの専任スタッフを雇いスキャニング作業が行われていましたが、キャパシティが限られており作業に波があるというお悩みと、スキャニングが終わった文書をいかにして情報漏えいすることなく処理するかという問題に直面されていました。
まず、その部分を鈴与にお任せいただいたことで、いかなるタイミングで電子化文書が発生しても効率よく処理できるという作業性と、機密抹消処理をもって、文書を溶解して確実に廃棄することで知財文書の漏えい不安を解消。鈴与のご提案と仕事ぶりに満足され、運用開始からわずか3か月後にして、スキャニングから廃棄までのご依頼が倍増することになりました。

まとめ
スキャニングと廃棄は必ずセットで考える
知財文書を扱う特許事務所さまにとっては、いかに業務が軽減できるからといって、簡単にアウトソーシング出来ない事情があります。しかしながら、電子化の波が特許申請方法にまで及んでいるいま、文書の電子化は、ビジネスを加速させる条件になっていくことは間違いありません。
ただし、単にスキャニングを行うだけではなく、不要となった原本をいかに廃棄するかもあわせて考えなくてはなりません。また、そこでより良い選択を行うことが、クライアントからの信頼にもつながってゆくはず。鈴与なら、安心してお任せいただけます。
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