2023.11.27

  • 2024年問題
  • 医療機器物流

医療業界における2024年問題への取り組みとは?業界への影響や対策事例をご紹介します

医療現場のイメージ画像

運輸業界において働き方改革関連法が適用されることにより生じる2024年問題は、医療業界においても大きな影響が生じる可能性があります。医療機器の流通においては、2024年問題を契機に、輸送力の低下による納品回数の減少、納品リードタイムの延長、物流コストの増加が指摘されています。
今回は改めて2024年問題の背景について振り返り、医療機器業界における2024年問題への影響、鈴与のソリューションについてご紹介します。
▶資料:2024年問題とは?今すぐ取り入れられる対策をご紹介!
▶資料:医療機器物流サービス紹介

物流2024年問題とは?

物流を取り巻く環境は今、若者層の働き手が減少し、高齢化による労働力不足の中でEC・通販の需要が伸びてきており、宅配を中心とした小口配送が牽引されています。そのため、トラックドライバーの長時間労働が常態化している状況です。
202441日以降、働き方改革関連法によって自動車運転業務の年間時間外労働時間の上限が960時間に制限される(月平均80時間/休日労働を除く)ことにより、2025年には物流需要に対する供給不足により全国の約28%の荷物が運べなくなると言われています

物流2024年問題がもたらす医療業界への影響

では物流2024年問題により医療業界へ具体的にどのような影響が及ぼされるのでしょうか。実際に製品を運ぶ運送業者以外にも製造販売業者、販売業者、物流業者、医療機関と、さまざまな関係者が関係しており、それぞれにおいて対策を講じる必要があります。

(1)納品回数の減少

運転手の不足でトラックなどが不足し、国内輸送手段の確保が困難となります
1日に運行できるトラック便数が減り、1日あたりの納品回数が減少します

(2)納品リードタイムの延長

長距離区間での輸送において、荷物を1日で運ぶことができず、納品リードタイムが長期化します

(3)物流コストの増加

医療業界では急な手術の支援、機器・装置などの故障や不具合の発生、クレーム対応、在庫不足により緊急出荷手配が発生します。
医療業界特有の製造販売業者(メーカー)、販売業者、物流業者による緊急出荷対応において、付帯サービスについては有償化が求められ、配送コストの負担額が増加することが予想されます。また、メーカーは配送コストの増加により仕入コストへの影響が予想されます。

物流2024年問題への対策事例

2024年問題に対しては、製造販売業者、販売業者、物流業者、医療機関などの医療関係者が協力して対応することが重要です。例として以下の対応が挙げられます。

(1)余裕を持った早期発注

医療機関は緊急配送のコストおよび納品頻度を抑えるために早めに発注することが必要と考えられます。あわせて、製造販売業者・販売業者は、物流に係る時間などの明確化を図ることが必要になります。

(2)必要な在庫の備蓄

医療機関にて在庫を多く抱えることも緊急配送を未然に防止する対策のひとつとなります。医療業界では預託在庫による取引など特殊な商習慣があり、医療機関、メーカー、販売業における適切な在庫管理が求められます。

▶参考:物流2024年問題の医療機器業界への影響と考えられる対応について

鈴与のソリューション

(1)中継地点の設置

医療機器製品の在庫保管場所を1カ所の物流センターだけでなく、複数での物流センター管理や全国各地のディーラー様などの営業所に中継地点を設置することで、輸配送距離を短縮し、納品リードタイムの短縮を実現できます。中継地点を設置することで、併せて緊急時の在庫確保にも繋げることができます。

(2)共同配送の活用

共同配送とは、複数荷主の貨物を積み合わせて配送することにより、効率的な配送を実現する輸送方法です。共同配送を利用することで、各荷主が別々に手配している車両台数を削減することができます。

①効率的な輸送の実現
配送したい物量が少ない場合、共同配送を利用することで、複数荷主の貨物を積み合わせて効率的な配送ができるため、納品条件に合わせた輸送も実現できます。医療機関など納品先の立場からすると、効率的な荷受けを実現することができます。

②環境に配慮した輸送の提供
複数荷主の商品をまとめて輸送することにより、各荷主が個別に車両を手配する場合と比較して、車両台数が削減され、CO2排出量を削減することができます。SDGsの観点からも持続可能な運送ネットワークを維持するために、環境に配慮した輸送の検討が推進されていますが、共同配送への輸送モードの変換により大きな投資をすることなく環境に配慮した最適な輸送を実現できます。
鈴与はSDGsと企業責任の観点から、荷主と協業した環境配慮輸送への取り組みを推進しています。

2024年問題に関連する鈴与のソリューションはこちらのコラムでも詳しくご説明していますのでぜひご覧ください。
▶コラム:2024年問題に対する鈴与のソリューションをご紹介します!

2024年問題への対策の重要性がお分かりいただけたでしょうか。現在の輸送方法や物流体制に不安・課題がある方は、ぜひ鈴与へご相談ください。お客さまに最適なソリューションをご提案させていただきます。
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