2026.10.09
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荷待ち時間を改善するには?原因と6つの改善アイデアを解説

物流現場では、トラックの「荷待ち時間」が課題となっています。2026年問題への対応が求められるなか、荷待ち時間をはじめとした物流業務の効率化が重要になっています。
本コラムでは、荷待ち時間が発生する原因と、物流現場で取り組める具体的な改善アイデアについて解説します。
荷待ち時間とは
荷待ち時間とは、トラックドライバーが集荷・配送を行う場所やその周辺で、荷主などの都合により、貨物の受け渡しのために待機する時間を指します。例えば、物流センターに到着したものの、荷物の積み込み・荷降ろしを開始するまでに待機している時間などが該当します。
一方、荷物の積み込み・荷降ろしや検品、仕分け、入出庫など、トラックドライバーが行う荷役・付帯業務の時間は「荷役等時間」として区別されます。
荷待ち時間と荷役等時間の違い
荷待ち時間と荷役等時間の違いについて、概要や具体例を表にまとめました。
| 項目 | 荷待ち時間 | 荷役等時間 |
| 概要 | 荷役等の開始を待っている時間 | 荷役・検品等を行っている時間 |
| 具体例 | バースが空くまで待つ | 荷物の積み降ろし |
| その他の例 | 受付後、作業開始を待つ | 検品、仕分け、棚入れなど |
▶参照:国土交通省「『物流効率化法』理解促進ポータルサイト|『荷待ち時間』と『荷役等時間』の算定方法について」
荷待ち時間と荷役等時間は発生する原因や改善方法が異なるため、まずは両者を分けて実態を把握することが重要です。
なぜ荷待ち時間の改善が必要なのか?
国土交通省の調査では、2024年度のトラックドライバーの1運行あたりの平均荷待ち時間は1時間28分、荷役等時間は1時間34分でした。荷待ち・荷役等時間全体では付帯作業時間も含めて3時間18分となっています。
一方、2025年度の最新調査では、荷待ち・荷役等時間は平均2時間2分まで短縮しました。国は、1運行あたりの荷待ち・荷役等時間を2時間以内とする目標を掲げており、引き続き短縮に向けた取り組みが求められています。つまり、荷待ち時間の改善は「ドライバーを待たせない」という現場レベルの問題だけではありません。
限られた輸送力を有効に活用し、安定した物流を維持するための重要な取り組みと言えます。
▶参照:国土交通省「トラックドライバーの運行当たりの平均拘束時間に関する調査結果」
荷待ち時間をはじめとした物流業務の効率化は、2026年問題への対応においても重要なテーマです。
2026年問題の背景や荷主企業に求められる対応について詳しく知りたい方は、以下のコラムをご覧ください。
▶コラム:物流の2026年問題とは?改正物流効率化法と荷主の対応ポイント
荷待ち時間が発生する主な原因
荷待ち時間は、一つの原因だけで発生しているとは限りません。
代表的な原因として、以下が挙げられます。
① 特定の時間帯にトラックが集中している
午前中など特定の時間帯に入荷・出荷が集中すると、バースや荷役作業員の処理能力を超え、待機が発生します。
② 荷役・検品の準備ができていない
トラックが到着しても、商品が準備されていなかったり、検品や出荷作業が終わっていなかったりすると、作業開始まで待機することになります。
③ バース・荷捌き場の受け入れ能力が不足している
一度に受け入れられるトラック台数に対して入場する車両が多い場合、バース(トラックの荷物を積み降ろしするためのスペース)が空くまで待機することになります。
④ 入出荷情報の共有が不十分
納品予定の商品や数量、到着予定時刻などが事前に共有されていなければ、現場での準備が間に合わず、荷待ちにつながる可能性があります。
⑤ 発注・納品時間が現場の処理能力と合っていない
受注側・物流拠点側の処理能力を考慮せず納品時間を設定すると、特定時間帯にトラックが集中する場合があります。
このように、荷待ち時間の改善には、単に「待たせない」だけではなく、トラックの到着から荷役完了までの物流プロセス全体を見直すことが重要です。
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荷待ち時間を改善する6つのアイデア
荷待ち時間を改善するには、発生している原因に応じて、入出荷の時間や作業方法、情報共有などを見直すことが重要です。ここでは、物流現場で取り組みやすい6つの改善アイデアを紹介します。
①入出荷情報を早めに共有する
トラックが物流拠点に到着してから、入荷する商品や数量、荷姿などを確認していると、荷役作業を開始するまでに時間がかかる場合があります。
そこで、以下のような入出荷情報をできるだけ早い段階で共有します。
・入荷・出荷予定日時
・商品名・商品数量
・荷姿・パレット数
・車両情報
・荷役内容
・納品先・出荷先事前に情報を共有しておけば、商品の準備や作業員・フォークリフトなどの手配をあらかじめ行うことができます。
「トラックが到着してから準備する」のではなく、「到着する前に準備を終えておく」ことがポイントです。
また、受発注情報や出荷情報をデジタル化し、関係者間で共有できる仕組みを整えることも、入出荷業務の効率化につながります。また、出荷予定や在庫情報をメールやExcelで管理している場合、情報伝達の遅れや入力ミスが発生しやすくなります。
鈴与では、倉庫管理システム(WMS)や在庫・入出荷状況管理システムを活用し、入出荷情報や在庫情報の一元管理を支援しています。物流現場と情報をリアルタイムで共有することで、倉庫業務の効率化や、荷待ち時間の改善につなげています。
鈴与の物流システムについては以下のページをご覧ください。
▶鈴与の倉庫管理システム(WMS)を詳しく知る②納品日時を分散する
特定の時間帯にトラックが集中すると、バースや荷役作業員の処理能力を超えてしまい、荷待ち時間が発生する可能性があります。
例えば、
・納品時間帯を細かく設定する
・混雑する時間帯を避けて納品する
・納品日を分散する
・発注・出荷のタイミングを調整する
などの方法によって、トラックの到着を平準化します。
重要なのは、単に「早く来てもらう」「遅く来てもらう」のではなく、物流拠点の処理能力に合わせて納品時間を設定することです。国の物流効率化に関するガイドラインでも、混雑時間を回避した日時指定など、トラックの到着時間を分散する取り組みが示されています。
納品時間の分散には、荷主企業だけでなく物流会社との連携が欠かせません。
鈴与では輸配送計画の見直しや納品スケジュール設計を通じて、荷待ち時間を発生させにくい運用体制の構築を支援しています。
鈴与の国内輸送サービスについては以下のサイトで詳しくご紹介しています。
▶鈴与の国内輸送サービス③物流会社・倉庫会社と連携して入出荷業務を平準化する
「平準化」とは、入出荷が特定の時間帯や曜日に集中しないよう、作業量を分散することです。荷待ち時間は、物流拠点だけで改善できるとは限りません。荷主側の発注タイミング、倉庫側の入出荷作業、物流会社の配車など、それぞれの業務が影響し合っています。
そのため、荷主 → 倉庫 → 物流会社のように、関係者間で情報を共有しながら、入出荷業務全体を平準化することが重要です。
例えば、
・出荷量の多い日の事前共有
・納品時間の調整
・配車計画の見直し
・入荷・出荷量の平準化
・繁忙時間帯の作業体制の見直し
などが考えられます。自社の物流拠点だけでなく、前後の工程まで含めて見直すことで、荷待ち時間の原因が見つかる場合があります。荷待ち時間の原因が物流現場にある場合、倉庫レイアウトや作業導線、波動への対応方法を見直すことで改善できるケースがあります。
鈴与では、全国の物流拠点・物流センターの運営で培ったノウハウを活かし、継続的な現場改善や物流センター運営の効率化を支援しています。
▶鈴与の3PLサービスの強みまた、荷待ち時間の改善をはじめ、物流全体の効率化を進めるためには、物流部門だけでなく、社内の関係部門や物流事業者などと連携して取り組むことが重要です。
物流を経営課題として捉え、全社的に改善を進める「CLO(物流統括管理者)」については、以下のコラムで詳しく解説しています。
▶コラム:CLOとは?物流統括管理者の定義と2026年4月の義務化ポイント④荷姿を標準化する
荷姿(パレットや段ボールなど、貨物のまとめ方や形態)がバラバラであることも、荷役作業に時間がかかる要因の一つです。
例えば、商品ごとにパレットのサイズや積み方が異なっていると、荷役や積み替えに時間がかかり、結果として次のトラックの待機時間にも影響する可能性があります。
そこで、
・パレットサイズを統一する
・積載方法を標準化する
・商品の積み付けルールを統一する
・使用する容器・通い箱などを標準化する
といった取り組みが考えられます。
荷姿を標準化することで、荷役作業を効率化し、作業時間の短縮につなげられます。 また、パレットを活用することで、フォークリフトなどによる機械荷役を行いやすくすることもできます。⑤検品方法を見直し、検品を簡略化する
入荷時・出荷時の検品に時間がかかっている場合は、検品方法そのものを見直すことも改善策の一つです。
例えば、
・バーコード・RFIDなどを活用する
・事前に出荷情報を共有する
・受発注データと入荷情報を連携する
・検品項目を見直す
・一定の条件を満たす取引では検品を簡略化する
などが考えられます。
特に、事前に正確な出荷情報を共有できる仕組みが整っていれば、現場での確認作業を減らせる可能性があります。ただし、検品簡略化は品質管理や誤出荷防止とのバランスも重要です。
「すべての検品をなくす」のではなく、品質を維持しながら省略・簡略化できる工程がないかを検討することがポイントです。
検品作業に時間がかかっている場合は、データ連携による業務効率化が有効です。
鈴与では、WMSを活用した検品・在庫管理やデータ連携により、入出荷業務の効率化を支援しています。
詳しくは以下のコラムでもご紹介しています。
▶コラム:物流情報システムで物流管理業務の負荷軽減と効率的な倉庫管理を実現!⑥荷待ち時間の発生状況を把握する
荷待ち時間を改善するうえで、最も重要なのが実際にどこで時間がかかっているのかを把握することです。
「荷待ち時間が長い」という認識だけでは、具体的な改善策を決めることはできません。
例えば、
・拠点別
・時間帯別
・曜日別
・入荷・出荷別
・荷主・納品先別
・物流会社別
・車両別
などに分けてデータを確認します。
すると、
「午前中の入荷に集中している」
「特定の曜日だけ長い」
「特定の拠点で発生している」
「特定の荷主の納品で時間がかかっている」
といった傾向が見えてくる可能性があります。原因が分かれば、計測 → 原因分析 → 改善施策 → 効果測定というサイクルで継続的に改善できます。
荷待ち時間の削減では、最初から特定のシステムや施策を導入するのではなく、まず自社の物流現場で何がボトルネックになっているのかを把握することが重要です。
荷待ち時間の改善で重要なのは、まず原因を把握することです。
鈴与では、物流データの分析を通じて、物流の現状や改善余地を可視化し、業務効率化に向けた改善提案を行っています。
データ分析による物流改善の事例は以下のページでご紹介しています。
▶導入事例:データ分析による改善提案で、約20%の配送コストを削減荷待ち時間の改善に関する取り組みについては、国土交通省「物流効率化法」理解促進ポータルサイトの内容を参考にしています。
▶参照:国土交通省「物流効率化法」理解促進ポータルサイト|荷主(第一種・第二種)の判断基準等荷待ち時間の改善に向けた進め方
荷待ち時間の改善では、いきなり対策を導入するのではなく、まず自社の物流現場の状況を把握し、改善の優先順位を整理することが重要です。
具体的には、以下のような流れで取り組みます。
①現状把握 → ②原因の特定 → ③改善施策の実施 → ④効果測定
単純に「平均荷待ち時間○分」という数字だけでは、具体的にどこを改善すべきか判断できません。
例えば、状況 考えられる原因 改善の方向性 午前中だけ長い 入荷集中 到着時間の分散 特定曜日だけ長い 出荷集中 発注・納品日の平準化 特定拠点だけ長い バース・人員不足 拠点運営の見直し 特定の荷主だけ長い 荷姿・検品などの問題 事前情報・作業方法の見直し 毎日ばらつきが大きい 受付・入場管理の問題 予約・受付の見直し というように、「いつ・どこで・どの程度発生しているのか」を把握することで、荷待ち時間につながっている物流の非効率要因を特定しやすくなります。
▶参照:国土交通省「『物流効率化法』理解促進ポータルサイト 荷主(第一種・第二種)の判断基準等」荷待ち時間の改善を進めるためのチェックリスト
チェック項目に複数当てはまる場合は、発注ルールや物流現場の運用を見直すことで改善できる可能性があります。
現状把握
□ 拠点ごとの荷待ち時間を把握している
□ 荷待ち時間と荷役等時間を分けて記録している
□ 時間帯別の発生状況を把握している
□ 荷待ち時間が長い拠点・工程を特定している運用改善
□ トラックの到着時間を分散できている
□ 入出荷予定情報を事前に共有している
□ 荷役に必要な商品・設備・人員を事前に準備している
□ バースの利用状況を把握している
□ 受付・入場方法を見直している関係者との連携
□ 荷主・倉庫会社・運送会社などの関係者で荷待ち時間を共有している
□ 荷待ちが発生した際の原因を確認している
□ 定期的に改善効果を確認しているまとめ
荷待ち時間は、トラックの受付や荷役作業だけでなく、発注・在庫管理・倉庫作業・配車など、物流のさまざまな工程が影響して発生します。
そのため、荷待ち時間だけを個別に改善するのではなく、物流全体の流れを把握し、前後の工程も含めて見直すことが重要です。荷待ち時間の改善には、まず自社の物流現場の状況を把握し、発生原因やボトルネックを特定することが重要です。その上で、入出荷情報の共有や納品日時の分散、荷姿・検品方法の見直しなど、原因に応じた改善策を検討することが重要です。
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