2015.12.11(最終更新日 2024.05.16 )
- 契約書管理
予期せぬ事態に備えて、契約書のBCP対策を

あらゆる企業にとって、予期せぬ自然災害や事故により、業務がストップすることは何としても回避したいところです。とくに東日本大震災の発生を受け、企業に対して災害や事故に対する中・長期的かつ継続的なリスクマネジメントが求められるBCP(事業継続計画)の一環として、社内における文書管理の見直しを最重要課題に位置付ける企業が増えており、鈴与へのお問い合わせが相次いでいます。
予期せぬ事態に備えて、契約書のBCP対策を
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災害
飲食店から出火!そのとき契約書は...
文書管理のリスクは、大規模災害に限ったことではありません。今回ご紹介する事例は、ある金融機関さまの融資契約書の管理について。こちらの会社さまはテナントビルの上階フロアにオフィスを構える拠点もあり、1階に入居する飲食店の火の不始末を危惧されていらっしゃいました。万一、火事やボヤでも起きようものなら、文書が焼失したり、スプリンクラーが起動して水浸しになってしまう可能性もある。こうしたことから、契約管理に特化したアウトソーシングサービスを持つ鈴与にご相談をいただきました。
ここ近年は、電子化された文書の法的効力を認められつつあり「わざわざ紙で残さずにスキャニングすればいい」とお考えになる方も少なくありません。しかしながら、電子データは何らかの要因でデータが消えてしまったり、改ざんがしやすいということもあります。また、契約問題がこじれて訴訟に発展した場合などは、証拠性が高い原本の提出が求められるのです。

スキャニングの重要性
契約書のスキャニングでタイムリーな閲覧を可能に
鈴与からのご提案は、原本をセキュリティのしっかりした遠隔地に移管をすること。そして、移管した契約書をスキャニングしていつでも見られるようにすることの2点でした。
融資契約は、一般的なリース契約や賃貸契約などとは異なり、顧客の事情によって追加融資(新契約)が発生する場合があります。この時、提出された契約書の判子が前回の物と違っていないか、あるいは、筆跡の差異などをチェックしなくてはなりません。つまり、タイムリーに契約書を見る機会が頻繁にあるため、安全な保管もさることながら、ストレスのない閲覧システムが整備されていることも重要です。そうした事情があり長らく原本を身近に置いてきたわけですが、利用者が増えたことで保管スペースもそろそろ限界にあり、原本の安全保管と同時にスキャニングを決断された次第です。
数十万件の契約書を1年がかりでスキャニング
今回扱わせていただいた文書は数十万件にものぼる膨大な数。それを1年がかりで移管からスキャニングまでを行いました。ここで鈴与が留意したのは、会社さまの方で「必要文書がこれだけある」と認識されている数と、実際にそれが完全な状態で存在するかを把握することです。そこでまず、全ての文書の棚卸しが最初の仕事となりました。たとえば、本来あるべき文書が欠けてはいないか、逆に、廃棄すべき文書が紛れていないか。そうしたことを鈴与で引き取る時点で全て突合せチェックを行った上で、契約書のスキャニングと原本の保管を行いました。
また原本の保管を行う際は、文書保管会社が持っているバーコードを使って管理するのが一般的です。それを、お客様がこれまで使用してきたバーコードを鈴与のシステムに組み込み情報にアクセスできるようカスタマイズ。本来ならば預ける先(文書保管会社)の条件に合わせて管理すべきところを、お客様のご都合に合わせて管理できるようにしたことで使い勝手を格段に向上させました。
BCP対策の方法
すべての業務をワンストップで任せられる安心感
膨大な量の文書をスキャニング(電子化)して移管するまでマスタースケジュール通りにやれたということに、お客様より大きな評価を頂戴しました。
今回の規模のスキャニングは、単純計算すれば1週間あたり1万件近い書類を処理しなくてはなりませんでした。この1万件の文書を引き取り、突合せを行い、スキャニングをするというのは相当なキャパシティと見地がないと不可能です。とくにこれだけの量をスキャニングしようと思えば、元請から複数社に外注するのが普通です。ただしこれでは、紛失や漏えいのリスクが高くなります。これを鈴与では、大規模ドキュメントセンターにおいて一括管理して行うことでお客様にご安心いただくことができました。同じ文書管理でも、システム会社はシステム構築だけ、スキャニングを行う会社はスキャニングだけ、トラックの業者は運搬だけ、文書保管会社は保管だけという分業形態が当たり前となる中、それをワンストップでお請けできること。それが鈴与の強みです。
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